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note/米森
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記事一覧
▽ 2017 01.24
20170124(火)00:00掘り返す。根を切られる。取るに足りないただの苗木のように、些末な想いだというのに。日照不足、水に渇える。育たないことは誰の目にも明らかだった。しかしそれでも足りぬと人は言う。何年経てども葉色薄く、幹も細いまま。…なぜ。隅で根を張ることすら許してくれないのですか。
@odaiyahonpo様:育つ前の根▽ 2017 01.23
20170123(月)00:00「おとなは楽しい?」教卓に足を組んで座る少女。スカートから覗く白い足はまぶしくて、神々しい。……彼女は私の夢に巣くう灰色の靄だ。「こどものままでいたかったよね」「あなたみたいに?」「そう。一緒にいたかったのに」壁時計が落ち、割れた。虚像は最後に微笑んで、消えた。
@moso_propro様:無邪気に残酷な制服の君▽ 2017 01.20
20170120(金)00:00わたしは切符が欲しい。できれば一等車両の切符を。無為に過ごしていたって切符は手に入るけれど、「快適」なる旅をしたいのだ。長くつらい道のりだと、彼のものは言ったので。床に置いたままだったセーラー服。袖を通して鏡の前。仏頂面、頬をひっぱり笑みを作った。いってきます。▽ 2017 01.18
20170118(水)00:00美味しいチョコレートでした。吐き出したけど。箱もこれまた可愛らしくて心が躍ります。潰しがいがあって。一生懸命僕のためを思って選んでくれてありがとう。恋する自分に酔いしれることができて楽しかったよね? ねぇ泣かないで。君の幸せを願ってるよ。覚えていればの話だけど。▽ 2017 01.18
20170118(水)00:00今日はとても天気のいい日です。庭のデイジーがひときわ綺麗だったので、あなたへのお土産にと花束をつくりました。古い町並みはずいぶんと変わってしまったけれど、明るくなったからあなたならきっと喜ぶでしょうね。花束を供え、手を合わせます。こんにちは。また会いに来ました。▽ 2017 01.15
20170115(日)00:00「冬はつとめて」有名な一節だが、本心なら相当意識高い。高尚でないと大成できないのか、いや、「高尚な私」を印象づけるためだったかもしれない。意外と普段はだらけていたんじゃないか? なら嬉しい。教科書で一番苦手だったあの随筆を、また読んでみようと思う。こたつの中で。▽ 2017 01.14
20170114(土)00:00私は「多趣味」。いろいろできて羨ましいな。言われるたび、私は曖昧に笑い返す。没頭できるものが欲しい。けど、何しても必ず冷め切ってしまう時が来る。貧乏性だし、嫌いになった訳ではないから手放さないだけ。次は何をしよう。考えている瞬間が一番満たされているかもしれない。▽ 2017 01.14
20170114(土)00:00硝子のコップに水を注いでいく。もう十分、まだいける、いやもっと。慎重に、いやいや一気に注いでしまえ。自分の水ではないというのに、周りは好き勝手囃し立てる。たった一滴、ふちから溢れた。ほれ見ろ、馬鹿だなあ。あっという間に白けた雰囲気。ぱりん、とコップにひびが入る。▽ 2017 01.08
20170108(日)00:00洗濯機の中、お気に入りの白セーターが回る。胸元についた赤い染みは、手洗いでは落ちなかった。似合うね、って貴方に言ってもらえたセーターだけど、縮んじゃうね。もう、どうでもいいけど。ふと鏡に映った姿。切れた唇、青あざの目元。どうでもいいの、…そういうことにしたいの。▽ 2017 01.05
20170105(木)00:00白に赤はよく映える。などとは使い古された道理だが、今冬もサァ説カンとばかりの雪景色。喀血のようである。無垢を犯さんとばかりに白銀に散る、美しい赤椿に目を細め。尽きるとも、尚も泰然たる姿。……私は花を拾い、千切る。敵わぬものへ、ささやかすぎる恨みを晴らさんとして。