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note/米森
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記事一覧
▽ 2015 04.23
20150423(木)00:00ゆらり。優しげな燈火。さらり。髪をなでる海風。目の前に広がる大小形も様々な灯篭に、私は向こう岸の世界へと思いを馳せる。ちっぽけな私の灯も、届いているといいな。そしていつかは、誰かが私のために灯してくれると嬉しいな。ぐにゃり。視界が歪む。
お題:瀬戸際に浮かぶは灯篭▽ 2015 04.19
20150419(日)00:00「お前グロス塗りすぎ」「にあってるよぉかーわいー」「うるせぇ」口づけた時に移されたグロスを男が手で拭えば、甘い苺が香る。「せっかくちゅーしてわけたげたのに」ネクタイを引っ張られた男と女の視線は絡み、口を、今度は深く結び合って。「おしおきです」「…すげえあまい」「きらい?」「いえ」
お題:ちゅーはあまい▽ 2015 04.18
20150418(土)00:00見渡す世界はどこまでも青く澄んでいる。記憶の片隅にいる人魚姫のように、私は水面に手を伸ばす。けれど揺らぐ光には届かずに力を失う腕、落ちていく躰。ゆるして。ねぇ、泡となりあなたの元へとゆく、私の呼吸が聞こえますか。
願っている。あなたと再会できることを、海の底から。▽ 2015 04.13
20150413(月)00:00低い煙突は灰色に燻る。僕が小さい頃にこの工場が出来て、煙突を見上げながら僕はこの街で育った。雪舞う日、久々に訪れたこの街この工場。いつしか見上げる角度は小さくなって。吐く息は白く、僕はまるで煙突の真似っ子だ。冴えない灰色、雪景色。ここは紛れもなく、僕の故郷。@garanbot 様▽ 2015 04.10
20150410(金)00:00#夜という文字を使わずに夜が来たを文学的に表現してみろ
目を凝らせば微かな極彩色。喧騒から離れたここには静寂がある。僕の世界は群青、信じられるのはナイフと月明かり。▽ 2015 04.10
20150410(金)00:00造花でもいいの。生花は美しくも儚い、けれど造花ならずっと咲いてくれる。だから泣かないで。あなたの気持ちは嬉しい。永遠の命も愛もないけれど、造花は朽ちずに留まり続ける。だから前を向いて。私の時は止まった、けれどあなたの時は進み続ける。この花を永遠に抱いて眠るから。私のこと忘れてよ。▽ 2015 04.10
20150410(金)00:00ヒロインであれば周りに護って貰えると思っていた。だから僕はヒロインになりたかった。安直な考え。砕けると理解しつつも夢を見た。でもそれも、今日でお仕舞い。それぞれ白いスーツとドレスに身を包んだ僕ら。僕はヒーローだ、独りじゃない。護り合う僕らは小さな世界の主人公。@0daib0t 様▽ 2015 04.08
20150408(水)00:00私の鼓膜を震わせたものは何だ。目を開ける、息を吸い込む。嗚呼、なんと久々の感覚か。世界を見てみたくなって立ち上がる。おっとよろけた。立つにはまだ早いようだ。座って覗くは新しき世界。緑の大地を失えども、私は冷たい眠りから目覚めた。滅亡せずに生きた、この星に乾杯。@0daib0t 様▽ 2015 04.06
20150406(月)00:00ずっと一緒にいよう。「私は傍にいるよ」嘘つき。あたしを置いてどこかに行こうとしたくせに。「生きてる限り外に行く用事はあるよ」森に捨てようとしたこともあるね。「あれは…」あたしをこんな風にした責任を取ってよ。しがみ付いて、あたしみたいに、さっくりと死なせはしない。#twnovel▽ 2015 04.06
20150406(月)00:00砂糖は集中力を高める。コーヒーに角砂糖を二つ、それをお供に昨日借りた本を読み進めていく。普段読みなれないSF小説。流血描写にページを繰る手を止めるも、甘いコーヒーを口に含めばそれは燃料となる。最後のページを見る時にはすべて飲み干して。苦味を緩和する物、それは甘味。#twnovel