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note/米森

記事一覧

  • ▽ 2016 07.06

    20160706(水)00:00
    「分からないよ」僕の手を濡らすグラスの水滴。君は不機嫌そうに、ストローでグラスに浮かんだ氷を回す。「貴方は私を分からない。私も分からない。言葉にしなきゃさ」「…別れよう」「…そっか」アイスティーを飲み干す君。「よくできました」優しい手がゆっくりと僕の頭を撫でた。
  • ▽ 2016 06.27

    20160627(月)00:00
    「ああ滑稽だ、滑稽だ」勇者は青白い唇を震わせ、歪める。私たちが転がる血溜まりも、もはやどちらのものか分かりはしない。「…また死ねなかった」「たまたまだ。次こそは殺してやるよ。一突きで。なあ、魔王様?」遠ざかる足音を聴きながら、目を閉じる。熱を帯びた頬を涙が伝った。
  • ▽ 2016 06.19

    20160619(日)00:00
    ガタンゴトン。温い静寂に体を委ねる。途切れることない銀世界を車窓は映しだす。ガタン。抱えた花束が揺れる。この地に遠かった春を届けに、僕は。ガタン、ゴトン。終着駅。深まる雪景、寂れたホームには君の姿。変わらず咲き誇る笑顔が僕を迎えた。
    @odaiyahonpo 様:モノトーンな車窓の向こう
  • ▽ 2016 06.14

    20160614(火)00:00
    足元の水溜りは白い雲を映した。梅雨の晴れ間。隣の傘くらげに煩わされることはない。目の前の信号が青に変わる。横断歩道に踏み出したら水が跳ねた。濡らしたのは自分の革靴とズボンの裾、これだけ。昨日だったら彼女のパンプスも。「あーあ」見上げた空はどこまでも高くて。
  • ▽ 2016 06.11

    20160611(土)00:00
    君は瑠璃鳥だ。目の覚めるような美しさを武器に、止まり木をあちこち探す。「大好きだから」君は微笑み、青色のワンピースを着せてくれと僕の腰に白い細腕を回す。…また、暫くは逢えないのだろう。しかし構わない。籠になんて押し込めたくないから。
    @odai_bot01様:君のあり方
  • ▽ 2016 06.08

    20160608(水)00:00
     学校から帰ってきたら、ちぃが目をあけたままねてました。いっしょにあそびたかったから、わたしはちぃをよびました。いつもならケージの入りぐちにちぃは来るけど、その日は来ませんでした。
     ちぃはお耳がわるくなったの? わたしはお母さんに聞きました。お母さんはちぃのおうちをのぞいて、かなしそうに言いました。
    「ちぃはね、お空におひっこししたのよ」
     わたしはお空に行っちゃったちぃをおかしの紙ばこに入れて、お母さんといっしょにお庭にうめて、ちいさなおはかを作ってあげました。
     今日、おはかをつくってから一年がたちました。おはかの場所にはお花が咲いています。
     わたしはスコップでおはかをほりました。ほったあなの中から、はこのかけらと枝みたいな白いほねを見つけました。
     ちぃはお空にいってなかったのです。ひとりにしてごめんね。わたしは白いほねに生まれかわってしまったちぃを、おうちにいれてあげました。
  • ▽ 2016 06.05

    20160605(日)00:00
    ふわふわとした生地。とろりと垂れた蜂蜜。隅も余さず彩るオレンジやパインの砂糖漬け。ああ、よだれが出てくる。口に入れてしまったら、どうなってしまうのだろう。はやる気持ちをなだめながら、ひとくち。溶けていく、染み渡る。柔らかさ、甘い甘い優しさ。幸せはここに極まれり。
  • ▽ 2016 06.05

    20160605(日)00:00
    水面に浮かべた輪っか、穴を覗き込めば、赤い線が引かれた水色の底しかない。でも私は知っている。別の世界があることを。まだ夢からしか行けないけど、ここは王国の入口かもしれない。プールから出る。フィーリング、穴をめがけて飛び込めば、そこは。 #twnovel 目を覚ますと救護室でした。
  • ▽ 2016 06.04

    20160604(土)00:00
     三年間お世話になったたくさんの先生たちが、卒業する私たちに優しくお祝いの言葉をかけてくれる。だけど、その中に上村先生からの言葉はなくて、私はとっても悲しい。
     上村先生は私が二年生の時の担任だった。生徒のことを思いやってくれて明るくて人気のある男の先生で、教室の隅でずっと本を読んでいた私にも話しかけて、いろんな発見をくれるようないい人だった。
     私から積極的に話に行くことはなかったけど……あの日、ちゃんとお通夜には参列した。交通事故だった。別れ話がもつれ逃げ出した恋人を追いかけて、先生だけ車にひかれてしまったのだった。
     棺の前に花を置いて手を合わせて。周囲が泣きじゃくる声が響く中で、遺影のそばに置かれた白い百合がひと際綺麗だったのを覚えている。
     卒業式の今日も、やっぱり上村先生の姿はなかった。死んだのは嘘だよって優しく言ってほしいのに。きっと空から見てくれてるよ、って保健の先生が慰めてくれたけど。
    「……うふふっ。あはは、あはははっ」
     上村先生は誰のものにもならなかった。それはとってもいいこと。嬉しいこと。
     ねえ、先生。かわいい教え子の晴れ姿、見てくれていますよね? あの日は逃げてしまってごめんなさい。来世、もしくは地獄で、また抱きしめ合いましょう。
  • ▽ 2016 06.03

    20160603(金)00:00
    彼はいわゆる俺様。周囲からは『一緒にいて疲れない? 亭主関白っぽいし』ってよく言われる。けど。「今日はどうされたい?言ってごらん」たくましい肢体を蹴れば彼は悦びの声を上げる。尻に敷くな、ヒールで踏め。この素敵な合言葉があるから、私と彼は今宵もこの先も仲良しです。