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note/米森

記事一覧

  • ▽ 2016 11.12

    20161112(土)00:00
    いつからか私の電車は、車窓の景色を楽しむでもなく、ただ移動するだけの箱に成り下がった。満杯の箱の中で揉まれて、慣れた不快感と人の熱に私は目を閉じる。大人になるってきっと、こういうこと。これが大人の全てとは言わないけど。逃避するにも歳が足りないから、今日も頑張る。
  • ▽ 2016 11.10

    20161110(木)00:00
    拳銃は両腕を少々曲げて構え、トリガーを引く。腕を伸ばすと撃った反動で手首を捻挫することもあると、昔見たドラマの中で警察が主人公に言っていたのを、今更はっきりと思い出していた。深呼吸して、撃鉄を起こす。私は主人公でも役者でもなく、ただの小市民だけど。物影に向けた銃口は。それは私の意志。
  • ▽ 2016 11.09

    20161109(水)00:00
    目を開ける。夜に沈んだ海の底は命の声もなく静かだから、このまま息を吐ききってみたいな、って思っている。仰ぎ見たのは半月、淡く赤い光に目を細める。体を預けた水面。それは私の揺りかご。揺られて、微睡んで……嗚呼、このまま眠ってしまおうか。ちゃぷ、とあなたが立てる水音は未だ遠く、遠く。
    @moso_propro 様:水の足枷
  • ▽ 2016 11.04

    20161104(金)00:00
    露草で染めたみたいに、我が身に宿るのは移ろい消えゆく縁だと分かっていた。それでも、叫ぶ心が。溢れる温い涙が。頬を伝って、白いシーツを濡らしていく。何も分からなくなってしまう前に、もう一度だけ会いたかった。握り返す手はないけれど。私は虚空へ手を伸ばして。尽きる。
  • ▽ 2016 11.02

    20161102(水)00:00
    地図に描かれてない場所なんかなくって、クリック一つで行く方法すらも分かるこのご時世。僕も例に漏れずスマホに頼りっぱなしなのだけど、時々は逆らってみたい。今日の予備燃料、チョコレートをリュックに詰め。こんな晴れた日には自分の足で道を探す楽しさに触れたくなるのだ。
  • ▽ 2016 11.01

    20161101(火)00:00
    田んぼしかない町だったけどそれなりに気に入ってて、青い苗が植えられていくのを見ながら引っ越しのトラックに揺られた思い出は、何年経っても夢に見るくらいには消えない。実家からお米が届くたびに、帰りたいな。思い続け数年。ついに握りしめたチケット。いざ久方振りの故郷へ。
  • ▽ 2016 11.01

    20161101(火)00:00
    卵を割るのですら数週間ぶりで、ボウルをかき混ぜる手付きは危なっかしい。手作りに拘らなくていいよと言ってくれてはいるけど。気が済まないの、ごめんね。一口でも食べてくれたら、なんておこがましいこと考えながら、生地を延ばしにかかる。誕生日を祝う想いには自信あるので。
  • ▽ 2016 11.01

    20161101(火)00:00
    そよぐ街路樹に、ふと秋の訪れを感じました。長い夏も漸く終わり、葉も鮮やかに色づき始めたこの国で、私は一人冬支度を進めているのです。昔はただただ心細かった。でも、待つことを覚え今は心弾むこの季節。遠い空の向こうから貴方はやってくるのです。また、優しい冬を連れて。
  • ▽ 2016 10.31

    20161031(月)00:00
    背を君が抜いたなら、君のお嫁さんになってもいいよ。もう少しお姉さんでいたくて、そう口にしたのは遠い昔。セピア色の写真を眺めていれば、次々に浮かぶ極彩色の思い出。「懐かしいね」「そうだね」今は、大人になった君と手を繋いで。同じ目線で共に幸福な日々を重ねていくの。
  • ▽ 2016 10.31

    20161031(月)00:00
    勝敗の色は、どんな素晴らしい慧眼であろうとただその瞳を濁らせるのみ。負けるは恥、己の存在は無に帰すのみと吐き捨て目前の白星のみを追うは、周囲を切り捨て、やがて退くこともならず救うものもなく、手段も尽きたと気付いたときにはそう--この地の果てで転がる髑髏となる。