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note/米森
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記事一覧
▽ 2025.05.31
20250601(日)08:00誰かとちゃんと向き合いたくなって、私の心をそっと置いた。なのに反対側の君は少しだけ重く、シーソーは傾いた。私は空へと跳ねて地面に叩きつけられる。笑いながら擦りむく膝を撫で、君は言った。「バランスが取れてこそ続く関係かもね」と。私は頷いたけれど、まだ跳ねる感覚を探している気がする。▽ 2025.05.30
20250531(土)08:53引っ越してから毎朝五時に決まって頭痛がする。生活を改め、薬を飲んでも、効果はなかった。回覧板を届けに来た大家が言うには『前の住人もそうだった、目覚ましより先に頭が破裂しそうって』と。その人は夜中、布団の上で死んでいたらしい。今夜、眠るのが怖い。天井には赤い染みが広がり始めている。▽ 2025.05.28
20250529(木)21:03「甘口派なんだよな」と何度も言ってた癖に、いつも私の辛口を黙って一口食べたあなた。別れ話をした夜、私は極限に辛いカレーを煮込み、あなたの皿へ盛る。舌を腫らし汗を滝のように流しながら、あなたは一言も漏らさず完食した。辛さという未練の火種が喉奥に燻り、それでも私たちは水で流し込んだ。▽ 2025.05.26
20250529(木)21:03誰にも見向きなどされなかった石を、私は拾って愛で続けた。笑われても、無駄だと言われても。夜ごと脈打つ石に、淡い光と温かさを掌に感じながら眠った。それはやがて殻を割り、光をまとったそれが空へ舞い上がって、飛び立っていった。これは、育ててきたものがただ運良く羽ばたいた。それだけの話。▽2025.05.23
20250524(土)07:32スーパーでもやしを手に取る。先週は食べきれずに腐らせたのに。それでも今日も、また一袋を手に取って帰宅する。こうして冷蔵庫にある野菜はもやしだけ。味噌汁にでも入れるか、と鍋を沸かす。誰のためでもない晩ご飯。でも、生活を続けるって、きっとそういうことなんだと思う。案外悪くないものだ。▽ 2025.05.22
20250523(金)00:21発車ベルが鳴る。遠ざかっていくホームで、あなたが泣き笑いしながら私に手を振った。夕暮れに染まりゆく空に響くあなたの声。「忘れないでね」なんて、お決まりの――筋書き通りの言葉をかけられると、人は案外、前を向けなくなることを知った。胸が詰まって、息を吐く。窓から吹きこむ風が頬を刺す。▽ 2025.05.20
20250522(木)08:36付き合いたての頃、ストライプのシャツを着ていった日に、君は「似合ってるよ」とはにかみながら褒めてくれた。何気ない一言だったかもしれないけど、季節が巡って、シャツは色褪せても、その笑顔は鮮やかに何度も僕の胸を打つ。まっすぐな縞模様みたいに、君との日々もずっと途切れず続きますように。▽ 2025.05.19
20250520(火)08:47今日は結婚式に来てくれてありがとう。ははっ、驚くのも無理もないか。言っただろ、彼女は現実にも「存在」できるんだって。ただのロボじゃない、心臓もある、人間なんだ。なあ、君は僕の本気を一度も笑わなかったな。だから君には妻を見てほしかった。今度はうちに来いよ。三人で食事とか楽しもうぜ。▽ 2025.05.18
20250519(月)08:01「アイネクライネナハトムジークって何?」という君に、第一楽章の始めをピアノで弾いてみせると「給食の時間に流れてたやつだ」と言った。二人とも腹が鳴ったので、昼ご飯を食べながら、私の推し名盤をかけてみる。第四楽章が終わり、君は完食した後、「この曲を聴くとなんだか食が進むね」と笑った。▽ 2025.05.16
20250518(日)12:25泣き虫な姉と短気な妹。双子でありながら性格も才能も真逆だった。王都に襲いかかる魔王軍を前に、姉妹は立ち向かう。姉は震えながら雷撃で敵を貫き、妹は烈火の剣で敵を断つ。勝利の喇叭が響いた刹那、二人は並んで膝を折り、同じ顔で涙を重ねて抱き合った。その雫は怒りと悲しみが溶け合った絆の証。