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カフェオレ
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教室の一番窓側の席。そこにはいつもサングラスをかけた少年が座っている。
席を決められたわけではないが、そこが彼の定位置だった。
なぜか。それを花之は知っている。
「シノ」
「何だ」
筆箱を机に出しながら、シノが素早く応じた。
花之は彼の前の席から身を乗り出すように声をかけている。
シノは彼女がこうする前から視界に彼女を入れていて、彼女に話しかけられるのを予期していた。
「小蝿って綺麗好きなの?」
……きた。
「“小蝿”では種を特定できない」
「どういう個体だ」
「うーん……小さくて、翅があって」
「……だいたいそうだ」
花之はこれ以上の情報を持っていないが、伝えるべきことは決まっている。
「でね、カフェオレに溺れてた」
「それは種と関係ない情報だが」
シノは教科書をしまった。このまま話が続くことを知っていた。
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