嘘と本心
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真島に報告すると口では言ったものの――確証はない。ただ新の言葉だけでは、あまりにも情報が足りない。
それに……どうしても腑に落ちないことがあった。
「どうして……この世界に“春雨”がいるの?」
彼らは確かに、自分がいた“あの世界”――江戸の世界の存在だったはず。いくら異常者の集まりとはいえ、宇宙から来た存在が、この世界の日本に溶け込むなんてあり得ない話だった。
部屋の一角にある資料棚を開ける。かつて江戸で警察として活動していた頃の、極秘データや事件資料を収納したUSBやファイルを取り出す。机の上に広げられたその中には、春雨の動向、神威の犯罪記録、星海坊主との戦闘経緯、攘夷戦争の裏での関与、あらゆる記録が網羅されていた。
「……神威がこちらに現れたのは、いつから?」
江戸では確かに重要危険人物、宇宙最強の海賊として、春雨の最上位に君臨していた神威。しかしこの神室町にいた彼は、ただの人間の姿をしていた。
「世界が――重なってる?」
ふと、源外が言っていた装置の名前が頭をよぎる。
「時空境界転送装置……」
あれは確か、「時空の穴を利用して異なる世界を一時的に接続・融合させる」――という理論だった。実験段階だったはずが……。
「まさか、誰かが――意図的にこの世界を“融合”させた……?」
ふたつの世界が混ざり始めた原因の仮説が立ち始める。ふと頭を過った名に身を固くした。
「神威か…」
神楽の兄。夜兎の血を引く、狂気の戦闘狂。
初めて出会ったのは――吉原炎上事件の時だった。
当時のあやかは幕府警察の一員として、吉原での異常な爆発・死傷事件の捜査のために出動していた。
すでに銀時たちが現地で戦っていたが、鳳仙との壮絶な死闘の最中に、彼――神威が姿を現した。
真っ赤な髪に、爽やかすぎる笑顔。けれどその瞳には、命の価値など一欠片もない狂気が宿っていた。
「君……面白そうだね。ねぇ、ちょっと遊ぼうよ」
その言葉と共に突然振るわれた拳。夜兎族特有の怪力に、腕はしびれた。だが逃げるつもりなどなかった。
刀と拳で数度交錯したあと――彼は笑った。
「うん、やっぱり君最高。ねぇ、僕の花嫁になってよ」
血を流しながら、悪びれもなく言うその表情に、背筋が冷たくなったのを今でも覚えている。
「気に入った子は壊したくないんだ。ちゃんと残しておきたいって思えるの、君が初めてだよ。その時になったらまた迎えに来るよ。」
――あの事件のあと、神威は姿を消した。
でも、忘れてなんかいなかった。
あの戦慄のような笑顔も、自分を「花嫁」と呼んでいたあの言葉も。
そして今。
彼はこの世界に現れ、龍崎と手を組み、暗躍している。
「私を花嫁って言ったのは、冗談なんかじゃなかった……?」
背筋を、ひやりとした感覚が撫でた。
それに……どうしても腑に落ちないことがあった。
「どうして……この世界に“春雨”がいるの?」
彼らは確かに、自分がいた“あの世界”――江戸の世界の存在だったはず。いくら異常者の集まりとはいえ、宇宙から来た存在が、この世界の日本に溶け込むなんてあり得ない話だった。
部屋の一角にある資料棚を開ける。かつて江戸で警察として活動していた頃の、極秘データや事件資料を収納したUSBやファイルを取り出す。机の上に広げられたその中には、春雨の動向、神威の犯罪記録、星海坊主との戦闘経緯、攘夷戦争の裏での関与、あらゆる記録が網羅されていた。
「……神威がこちらに現れたのは、いつから?」
江戸では確かに重要危険人物、宇宙最強の海賊として、春雨の最上位に君臨していた神威。しかしこの神室町にいた彼は、ただの人間の姿をしていた。
「世界が――重なってる?」
ふと、源外が言っていた装置の名前が頭をよぎる。
「時空境界転送装置……」
あれは確か、「時空の穴を利用して異なる世界を一時的に接続・融合させる」――という理論だった。実験段階だったはずが……。
「まさか、誰かが――意図的にこの世界を“融合”させた……?」
ふたつの世界が混ざり始めた原因の仮説が立ち始める。ふと頭を過った名に身を固くした。
「神威か…」
神楽の兄。夜兎の血を引く、狂気の戦闘狂。
初めて出会ったのは――吉原炎上事件の時だった。
当時のあやかは幕府警察の一員として、吉原での異常な爆発・死傷事件の捜査のために出動していた。
すでに銀時たちが現地で戦っていたが、鳳仙との壮絶な死闘の最中に、彼――神威が姿を現した。
真っ赤な髪に、爽やかすぎる笑顔。けれどその瞳には、命の価値など一欠片もない狂気が宿っていた。
「君……面白そうだね。ねぇ、ちょっと遊ぼうよ」
その言葉と共に突然振るわれた拳。夜兎族特有の怪力に、腕はしびれた。だが逃げるつもりなどなかった。
刀と拳で数度交錯したあと――彼は笑った。
「うん、やっぱり君最高。ねぇ、僕の花嫁になってよ」
血を流しながら、悪びれもなく言うその表情に、背筋が冷たくなったのを今でも覚えている。
「気に入った子は壊したくないんだ。ちゃんと残しておきたいって思えるの、君が初めてだよ。その時になったらまた迎えに来るよ。」
――あの事件のあと、神威は姿を消した。
でも、忘れてなんかいなかった。
あの戦慄のような笑顔も、自分を「花嫁」と呼んでいたあの言葉も。
そして今。
彼はこの世界に現れ、龍崎と手を組み、暗躍している。
「私を花嫁って言ったのは、冗談なんかじゃなかった……?」
背筋を、ひやりとした感覚が撫でた。