夫婦の証
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結婚式を終え、華やかなハワイ旅行からも戻った2人は、久しぶりの神室町の日常へと戻っていた。
ある晴れた平日の昼下がり、
「はよ婚姻届出さな!」という真島の提案で、正式に“夫婦”になるため、あやかは手続きを進めることになった。生憎、真島は仕事が立て込んでおり役所に書類を取りに行く時間が無かったのであやかがまとめて取りに行くことに。
区役所で職員に婚姻届の申請のためにと、自分と真島の戸籍や住民票を請求したところ――
真島の戸籍に見慣れない「既婚・離別歴」の記載があった。
「……え?」
目を疑うように、あやかは何度も書類を見直した。
戸籍には、過去に一度「結婚」していた履歴と、「離婚」の記録がしっかりと記載されている。
(ま、真島さん……結婚してたの……?)
驚きと少しの不安が混ざった気持ちを抱えながら、あやかは区役所を出てすぐ、真島組の事務所へ急ぐ。
重い胸の内を抱えながら扉を開けると、中では西田と南がすでに待っていた。
「おう、姐さん。おかえりなさい。そんな急いで何かあったんですか?」
南が軽く笑いかけるが、あやかの表情を見てすぐに真剣な顔になる。
「あの……実は真島さんの戸籍を見たら、昔結婚してた記録があって……離婚も、されてたみたいなんですよね…。私知らなかったなとちょっと焦っちゃって!」
そう言うと、南が「……あー」と目を逸らし、気まずそうに頭を掻いた。
「実は、昔なんとなーく聞いたことはあるんすよ。誰に聞いたかとか、いつのことかとか、詳しくは覚えてないっすけど……たしかに“昔、親父結婚してたらしい”って話は、うっすらあって」
西田も腕を組んで頷く。
「せやけど、ワシも親父本人の口からは聞いたことないですわ。あんまり自分の話はせんさかい。ほんまに短い間やったんか、それとも……理由があったんか。組でもその話は“あえて”誰も触れんようにしとる空気でしたな。」
南も重ねるように言った。
「親父自身、その話を避けてるっていうか……過去のことは何もなかったように、今を大事にしてる感じっす。だから、俺らもあえて深くは聞いてこなかったってのが正直なとこで」
沈黙が落ちる。
あやかは膝の上で手をぎゅっと握りしめていた。
こんなにも長く一緒に居たが知らない真島の過去。
過去に誰かと結婚していた。それだけならまだしも、なぜ真島はそのことを自分にも話すことなく黙っていたのか――
けれど、すぐに心の奥から、真島の言葉が浮かんできた。
『楽しい思い出作りたかったんや。あやかに、もう辛い想いしてほしなかった』
それが、答えなのかもしれない。
あやかは立ち上がり、まっすぐ西田と南を見つめた。
「ありがとう。……真島さんと、ちゃんと話してみるね!」
ある晴れた平日の昼下がり、
「はよ婚姻届出さな!」という真島の提案で、正式に“夫婦”になるため、あやかは手続きを進めることになった。生憎、真島は仕事が立て込んでおり役所に書類を取りに行く時間が無かったのであやかがまとめて取りに行くことに。
区役所で職員に婚姻届の申請のためにと、自分と真島の戸籍や住民票を請求したところ――
真島の戸籍に見慣れない「既婚・離別歴」の記載があった。
「……え?」
目を疑うように、あやかは何度も書類を見直した。
戸籍には、過去に一度「結婚」していた履歴と、「離婚」の記録がしっかりと記載されている。
(ま、真島さん……結婚してたの……?)
驚きと少しの不安が混ざった気持ちを抱えながら、あやかは区役所を出てすぐ、真島組の事務所へ急ぐ。
重い胸の内を抱えながら扉を開けると、中では西田と南がすでに待っていた。
「おう、姐さん。おかえりなさい。そんな急いで何かあったんですか?」
南が軽く笑いかけるが、あやかの表情を見てすぐに真剣な顔になる。
「あの……実は真島さんの戸籍を見たら、昔結婚してた記録があって……離婚も、されてたみたいなんですよね…。私知らなかったなとちょっと焦っちゃって!」
そう言うと、南が「……あー」と目を逸らし、気まずそうに頭を掻いた。
「実は、昔なんとなーく聞いたことはあるんすよ。誰に聞いたかとか、いつのことかとか、詳しくは覚えてないっすけど……たしかに“昔、親父結婚してたらしい”って話は、うっすらあって」
西田も腕を組んで頷く。
「せやけど、ワシも親父本人の口からは聞いたことないですわ。あんまり自分の話はせんさかい。ほんまに短い間やったんか、それとも……理由があったんか。組でもその話は“あえて”誰も触れんようにしとる空気でしたな。」
南も重ねるように言った。
「親父自身、その話を避けてるっていうか……過去のことは何もなかったように、今を大事にしてる感じっす。だから、俺らもあえて深くは聞いてこなかったってのが正直なとこで」
沈黙が落ちる。
あやかは膝の上で手をぎゅっと握りしめていた。
こんなにも長く一緒に居たが知らない真島の過去。
過去に誰かと結婚していた。それだけならまだしも、なぜ真島はそのことを自分にも話すことなく黙っていたのか――
けれど、すぐに心の奥から、真島の言葉が浮かんできた。
『楽しい思い出作りたかったんや。あやかに、もう辛い想いしてほしなかった』
それが、答えなのかもしれない。
あやかは立ち上がり、まっすぐ西田と南を見つめた。
「ありがとう。……真島さんと、ちゃんと話してみるね!」