姉妹の空
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【神室町・公園のベンチ】
桜の花びらがわずかに舞う中、二人は並んでベンチに腰掛けていた。
紙袋の中にはまだ食べきれてないドーナツが一つずつ。
「……江戸はどうするの?」
ふいに信女が問いかけると、あやかは少し考えてから口を開いた。
「私は──真選組。警察庁長官補佐って肩書きだけど、
要するに連中の監視と、たまに首突っ込むための調整役」
「……バカな連中って、近藤たち?」
「そう。あと土方さんにに沖田くん。あの人たちが自由すぎて始末書だらけで胃に穴が開きそうだったよ」
信女は小さく笑う。
「でも、あやかはずっと“守る側”だったんだね」
「うん。……でも、信女ちゃんは違うよね。“消す側”だったもんね。たまに、警察庁出会うって感じで。
しかも、見廻組、暗殺隊の隊長って……正直、驚いた」
あやかがそう言うと、信女は少しだけ視線を落とし、
小さくつぶやいた。
「……私はあの時、道を選ぶ余裕なんてなかった。
天導衆から抜けた私に、居場所をくれたのが異三郎だった」
「佐々木異三郎……か」
「最初は、あの人が何を考えてるのか全然わからなかった。
皮肉ばっかりで、ふざけた顔してて、でも──
どこか、ちゃんと私のこと見てくれてた。怒られたことも、褒められたことも、ないけど」
「それでも信女ちゃんにとっては……家族だったんだね」
「……うん。初めて“守りたい”と思った人だった。
だから、天導衆が異三郎さんの家族を狙った時、私は裏切った。
8歳だったけど、そんなの関係なかった」
その声に、あやかは静かにうなずく。
「信女ちゃんは、あの時から変わってないよ。感情なんて無いって言ってたけど──
誰よりも人を想える子だと思う。異三郎さんも、ちゃんとそれに気づいてたと思うよ」
信女は少しの沈黙のあと、ポツリと。
「……あやかは、もしまた江戸で生活するなら、どうする?」
「そうだな──真選組の奴らと、またバカやってたいな。
あと、あの世界でやり残したこと、全部終わらせたい。
信女ちゃんとも、ちゃんと並んで仕事したい」
「並んで?」
「そう。今度は“敵”じゃなくて、仲間としてさ」
信女は少しだけ横を向いて、
「……その時は、ちゃんと隊服じゃなくて白ワンピース仕事する」と、からかうように言った。
あやかは吹き出す。
「じゃあ私は警察庁でドーナツ出すわ。お偉いさんたちびっくりだね」
二人の笑い声が、神室町の空に溶けていった。
──そして、この平穏が嵐の前の静けさであることを、
まだ誰も知らなかった。
桜の花びらがわずかに舞う中、二人は並んでベンチに腰掛けていた。
紙袋の中にはまだ食べきれてないドーナツが一つずつ。
「……江戸はどうするの?」
ふいに信女が問いかけると、あやかは少し考えてから口を開いた。
「私は──真選組。警察庁長官補佐って肩書きだけど、
要するに連中の監視と、たまに首突っ込むための調整役」
「……バカな連中って、近藤たち?」
「そう。あと土方さんにに沖田くん。あの人たちが自由すぎて始末書だらけで胃に穴が開きそうだったよ」
信女は小さく笑う。
「でも、あやかはずっと“守る側”だったんだね」
「うん。……でも、信女ちゃんは違うよね。“消す側”だったもんね。たまに、警察庁出会うって感じで。
しかも、見廻組、暗殺隊の隊長って……正直、驚いた」
あやかがそう言うと、信女は少しだけ視線を落とし、
小さくつぶやいた。
「……私はあの時、道を選ぶ余裕なんてなかった。
天導衆から抜けた私に、居場所をくれたのが異三郎だった」
「佐々木異三郎……か」
「最初は、あの人が何を考えてるのか全然わからなかった。
皮肉ばっかりで、ふざけた顔してて、でも──
どこか、ちゃんと私のこと見てくれてた。怒られたことも、褒められたことも、ないけど」
「それでも信女ちゃんにとっては……家族だったんだね」
「……うん。初めて“守りたい”と思った人だった。
だから、天導衆が異三郎さんの家族を狙った時、私は裏切った。
8歳だったけど、そんなの関係なかった」
その声に、あやかは静かにうなずく。
「信女ちゃんは、あの時から変わってないよ。感情なんて無いって言ってたけど──
誰よりも人を想える子だと思う。異三郎さんも、ちゃんとそれに気づいてたと思うよ」
信女は少しの沈黙のあと、ポツリと。
「……あやかは、もしまた江戸で生活するなら、どうする?」
「そうだな──真選組の奴らと、またバカやってたいな。
あと、あの世界でやり残したこと、全部終わらせたい。
信女ちゃんとも、ちゃんと並んで仕事したい」
「並んで?」
「そう。今度は“敵”じゃなくて、仲間としてさ」
信女は少しだけ横を向いて、
「……その時は、ちゃんと隊服じゃなくて白ワンピース仕事する」と、からかうように言った。
あやかは吹き出す。
「じゃあ私は警察庁でドーナツ出すわ。お偉いさんたちびっくりだね」
二人の笑い声が、神室町の空に溶けていった。
──そして、この平穏が嵐の前の静けさであることを、
まだ誰も知らなかった。