紅と白
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【江戸・天導衆 本部】
静寂な回廊に足音がひとつ、ひとつ。
その中心──朧がゆっくりと立ち上がる。
「……気づいたか。玲子の娘、ろくろ。」
部下がひざまずき、報告を口にする。
「我らの兵器実験体に変化が、あの時空で解毒薬が開発されております。
また、玲子のノートが見つかったようです。夜兎族の血が、再び……」
朧は目を細めて言った。
「“骸”を出せ。
見廻組、今井信女。奈落三羽の1人。あの娘ならば、無駄な殺生もなく目的を果たせよう」
闇の中から現れたのは、一人の静かな女。
白銀の瞳に感情は宿らず、ただ命令を飲み込むように頷いた。
「了解しました。
──神室町へ向かいます」
⸻
【神室町・雑踏の夜】
ネオンがきらめく通り。
その中を、静かに歩く一人の女──骸。
長い髪に、白い隊服姿。
その眼差しはまっすぐに、一つの目的地を射抜いていた。
「あやか──我が姉。奈落三羽。
会いに行くよ、“あなたが未来を選び生きる覚悟”を確かめに」
闇がまた、神室町を覆い始めていた。
【神室町・ある昼下がり】
「あやかにもそんな趣味あったんか」
真島が軽く笑う。
商店街の通りを抜けた先、小さな甘味処の縁側で、ふたりは珍しくゆるやかな時間を過ごしていた。
「たまにはこういうのも、悪くないでしょ?」
あやかは串団子を口に運びながら微笑む。
「悪くないどころか……こういう顔、もっと見たいくらいやな」
そう言って、真島は隣に座るあやかを少しだけ覗き込むようにして見た。
けれど──
その笑顔の裏で、あやかの視線がふと硬くなる。
(……誰か、見てる?)
周囲に人は多い。だが、その中に、確かに“視線”の存在を感じた。
闇の中から覗くような、昔、どこかで感じたことのある鋭さ──。
「真島さん……帰り道、ちょっとだけ回り道していい?」
「なんや、急に。……まぁ、ええけど。なんか気になるんか?」
「ううん……なんとなく。でも、たぶん“そういう時”だと思う」
真島はその言葉の裏を察して、すっと顔から笑みを消した。
「わかったで。……行こか、あやか」
雑踏の中、ふたりは静かに立ち上がった。
その背後、影のように気配が忍び寄る。
白い隊服。無感情な瞳。
その名は──骸。かつて“教え子”だった少女、今井信女。
静寂な回廊に足音がひとつ、ひとつ。
その中心──朧がゆっくりと立ち上がる。
「……気づいたか。玲子の娘、ろくろ。」
部下がひざまずき、報告を口にする。
「我らの兵器実験体に変化が、あの時空で解毒薬が開発されております。
また、玲子のノートが見つかったようです。夜兎族の血が、再び……」
朧は目を細めて言った。
「“骸”を出せ。
見廻組、今井信女。奈落三羽の1人。あの娘ならば、無駄な殺生もなく目的を果たせよう」
闇の中から現れたのは、一人の静かな女。
白銀の瞳に感情は宿らず、ただ命令を飲み込むように頷いた。
「了解しました。
──神室町へ向かいます」
⸻
【神室町・雑踏の夜】
ネオンがきらめく通り。
その中を、静かに歩く一人の女──骸。
長い髪に、白い隊服姿。
その眼差しはまっすぐに、一つの目的地を射抜いていた。
「あやか──我が姉。奈落三羽。
会いに行くよ、“あなたが未来を選び生きる覚悟”を確かめに」
闇がまた、神室町を覆い始めていた。
【神室町・ある昼下がり】
「あやかにもそんな趣味あったんか」
真島が軽く笑う。
商店街の通りを抜けた先、小さな甘味処の縁側で、ふたりは珍しくゆるやかな時間を過ごしていた。
「たまにはこういうのも、悪くないでしょ?」
あやかは串団子を口に運びながら微笑む。
「悪くないどころか……こういう顔、もっと見たいくらいやな」
そう言って、真島は隣に座るあやかを少しだけ覗き込むようにして見た。
けれど──
その笑顔の裏で、あやかの視線がふと硬くなる。
(……誰か、見てる?)
周囲に人は多い。だが、その中に、確かに“視線”の存在を感じた。
闇の中から覗くような、昔、どこかで感じたことのある鋭さ──。
「真島さん……帰り道、ちょっとだけ回り道していい?」
「なんや、急に。……まぁ、ええけど。なんか気になるんか?」
「ううん……なんとなく。でも、たぶん“そういう時”だと思う」
真島はその言葉の裏を察して、すっと顔から笑みを消した。
「わかったで。……行こか、あやか」
雑踏の中、ふたりは静かに立ち上がった。
その背後、影のように気配が忍び寄る。
白い隊服。無感情な瞳。
その名は──骸。かつて“教え子”だった少女、今井信女。