過去の仲間たち
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湯上がりのふたりは、並んでちゃぶ台に座っていた。
ちゃぶ台の上には簡単な晩酌と、あやかが淹れた熱いお茶。
外では虫の音がしていて、江戸の夜は神室町よりもずっと静かだった。
「……ねぇ、真島さん」
あやかが湯飲みを両手で包んだまま、ふと口を開いた。
「ん?」
「そういや、銀兄たちのことどう思った?」
真島は少しだけ考えるそぶりを見せてから、くくっと笑い声を漏らす。
「……騒がしい。めっちゃ騒がしいわ、あの連中。特に銀時……?っちゅうやつな、あいつ、何者や」
「ふふ……あれでも一応、昔は強くて有名な攘夷志士だったんだよ」
「そら意外やな……あのチャラついた白髪のおっさんが?」
「うん。でもほんとにすごく強くて、情に厚い人。……神楽ちゃんも新八も、変わらないでいてくれてて、嬉しかった」
「まあ、あの空気は……嫌いやない。なんちゅうか、“家族”って感じしたな」
「うん、あの人たちと一緒にいたから、私もあんな風に生きられたのかもしれない……」
あやかはふと笑いながら、真島のほうを見た。
「でも……今は、真島さんが隣にいるから。騒がしさより、こういう静けさのほうが、心地いいや」
「おう……その言葉、ちゃんと覚えとくで。あとで“やっぱ騒がしい方がよかった”言うたら、許さんからな」
「言わないよ……たぶんね?」
ふたりの間に流れる柔らかな沈黙。
ちゃぶ台を挟んで向かい合いながら、どこか安心するような夜の時間だった。
「……なあ、あやか」
「あん?」
「さっきから気になっとったんやけどさ……あの白髪のやつのこと、“銀兄”って呼んどったやろ。あれ、なんでや?」
小さな間。
あやかはふっと微笑んで、少し懐かしそうな声で口を開いた。
「……それはね、あたしがまだ5歳くらいの頃。天導衆から逃げてひとり、戦争真っ只中の江戸をさまよってたの」
「5歳……」
「そんとき、拾ってくれたのが……銀時、高杉、桂、辰馬だったの。攘夷戦争の真っ只中で、みんな戦ってたけど、あたしを捨てずに、守ってくれた」
真島は目を伏せて、静かに相槌を打った。
「そんで、自然と呼ぶようになった。“兄さん”って。……名前に“兄”つけるのも変だけど、なんか、そういうのって子ども心にしっくりきたのかもね」
「……せやけど、ええ兄貴らやな。あの銀時っちゅう男も、ふざけとるようで、芯は通っとる感じやった」
「うん。皆それぞれ不器用で、でも強くて、優しかった。……今のあたしがあるのは、あの人たちのおかげ」
「――それでも、今はこっちの世界に来て、ワシの横におる。なんや、不思議やな」
「……うん。でもね、真島さん。兄さんたちは“家族”だけど、あたしにとって“帰る場所”ではないの」
「……ほう」
「あたしの居場所は、今は――真島さんの隣、だけだよ」
しんとした部屋に、鼓動の音が重なるような、やわらかな沈黙が流れた。
真島は背中越しに、そっと目を閉じた。
「……そんなん言われたら、寝れへんやないか」
「ふふ……言わせたの、真島さんでしょ」
ふたりは見えない距離のまま、それでも確かに、お互いの温もりを感じていた。
ちゃぶ台の上には簡単な晩酌と、あやかが淹れた熱いお茶。
外では虫の音がしていて、江戸の夜は神室町よりもずっと静かだった。
「……ねぇ、真島さん」
あやかが湯飲みを両手で包んだまま、ふと口を開いた。
「ん?」
「そういや、銀兄たちのことどう思った?」
真島は少しだけ考えるそぶりを見せてから、くくっと笑い声を漏らす。
「……騒がしい。めっちゃ騒がしいわ、あの連中。特に銀時……?っちゅうやつな、あいつ、何者や」
「ふふ……あれでも一応、昔は強くて有名な攘夷志士だったんだよ」
「そら意外やな……あのチャラついた白髪のおっさんが?」
「うん。でもほんとにすごく強くて、情に厚い人。……神楽ちゃんも新八も、変わらないでいてくれてて、嬉しかった」
「まあ、あの空気は……嫌いやない。なんちゅうか、“家族”って感じしたな」
「うん、あの人たちと一緒にいたから、私もあんな風に生きられたのかもしれない……」
あやかはふと笑いながら、真島のほうを見た。
「でも……今は、真島さんが隣にいるから。騒がしさより、こういう静けさのほうが、心地いいや」
「おう……その言葉、ちゃんと覚えとくで。あとで“やっぱ騒がしい方がよかった”言うたら、許さんからな」
「言わないよ……たぶんね?」
ふたりの間に流れる柔らかな沈黙。
ちゃぶ台を挟んで向かい合いながら、どこか安心するような夜の時間だった。
「……なあ、あやか」
「あん?」
「さっきから気になっとったんやけどさ……あの白髪のやつのこと、“銀兄”って呼んどったやろ。あれ、なんでや?」
小さな間。
あやかはふっと微笑んで、少し懐かしそうな声で口を開いた。
「……それはね、あたしがまだ5歳くらいの頃。天導衆から逃げてひとり、戦争真っ只中の江戸をさまよってたの」
「5歳……」
「そんとき、拾ってくれたのが……銀時、高杉、桂、辰馬だったの。攘夷戦争の真っ只中で、みんな戦ってたけど、あたしを捨てずに、守ってくれた」
真島は目を伏せて、静かに相槌を打った。
「そんで、自然と呼ぶようになった。“兄さん”って。……名前に“兄”つけるのも変だけど、なんか、そういうのって子ども心にしっくりきたのかもね」
「……せやけど、ええ兄貴らやな。あの銀時っちゅう男も、ふざけとるようで、芯は通っとる感じやった」
「うん。皆それぞれ不器用で、でも強くて、優しかった。……今のあたしがあるのは、あの人たちのおかげ」
「――それでも、今はこっちの世界に来て、ワシの横におる。なんや、不思議やな」
「……うん。でもね、真島さん。兄さんたちは“家族”だけど、あたしにとって“帰る場所”ではないの」
「……ほう」
「あたしの居場所は、今は――真島さんの隣、だけだよ」
しんとした部屋に、鼓動の音が重なるような、やわらかな沈黙が流れた。
真島は背中越しに、そっと目を閉じた。
「……そんなん言われたら、寝れへんやないか」
「ふふ……言わせたの、真島さんでしょ」
ふたりは見えない距離のまま、それでも確かに、お互いの温もりを感じていた。