過去への旅
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― 神室町・深夜 ―
真島のマンションの一室に、冷たい月明かりが差し込んでいた。
テーブルの上には、一振りの刀――紅桜。
静かに鞘から抜かれたその刀身が、ふと青白い光を帯び始める。
「……やっぱり、紅桜が鍵みたい。血を浴びたとき、刀が時空を裂いた。あたしも、朧も……この刀で時を越えてきた」
真島に向き直る。
「もう一度、紅桜に血を吸わせて……時を開く。けど、次は一緒に」
「なるほどな。血が媒介か……物騒やな、まったく」
真島は苦笑しながらも、その瞳は決して冗談ではなかった。
「……準備は、もうええんか?」
「うん。戻るって決めたからには、ちゃんと色々したいから」
あやかの声に迷いはなかった。
― 翌日 ―
真島とあやかは、準備を整えて神室町のとある外れの路地裏へと向かう。
あやかは左腕で紅桜をそっと掲げると、静かに右袖をまくった。
すると、真島がその手を止め自分の腕を出す。
「しゃあないな、血くらい俺のをくれてやるわ。あやかの綺麗な手を怪我させたくないねん。」
紅桜が真島の手から零れた血を吸い上げた瞬間、刀身が激しく光を放ち、空間がぐにゃりと歪み――
そして、空が裂けた。
「いくよ、真島さん……!」
「おう、任せとけ」
ふたりは光の中へ、飛び込んだ――。
― 江戸・某日 ―
激しい光が消えた先は、見慣れない、けれどどこか懐かしい風景だった。
「ここが……あたしのいた江戸」
あやかが呟く。
土と木の匂いが入り混じった空気。
行き交う人々の着物、そして――上空を飛ぶ奇妙な宇宙船。
「なんやこれ……時代劇かと思たら、SF混じっとるやないか」
あやかは笑って、真島に語り始めた。
「……この国は、ずっと昔に攘夷戦争って戦があったの。
けど、あたしたちは……負けた。
そしたら天人(あまんと)っていう宇宙人がやってきて、この国を牛耳るようになった。幕府も骨抜き。侍は職を失って、町に溶け込んでいった。」
「……負けた国、か」
真島の目がすっと細まった。
「ま、今はそれも“日常”ってやつになってるけど……それでも侍は、生きてるよ。どこかで、みんな剣を心に持ったまま。」
「――気に入ったわ。」
そんなやりとりをしながらも、ひとつ問題があった。
現代の真島の服装――黒スーツに眼帯、ドスを差した風貌は、あまりにも目立ちすぎた。
「……さすがにその格好は、まずい……」
「……ええやんけ、かっこええやろ」
「江戸じゃ“浮く”んよ! しょうがない、着物買いに行こ。あたしが選んであげる!」
真島は不服そうに唸りながらも、しぶしぶ了承した。
「……わかったわかった。けどな、変な色選ばんといてや?」
「じゃあ……黄色とかどう?」
「なんでそうなるんや!」
ふたりの声が江戸の空に響いた。
こうして、ふたりの江戸での新たな旅が幕を開けた――。
真島のマンションの一室に、冷たい月明かりが差し込んでいた。
テーブルの上には、一振りの刀――紅桜。
静かに鞘から抜かれたその刀身が、ふと青白い光を帯び始める。
「……やっぱり、紅桜が鍵みたい。血を浴びたとき、刀が時空を裂いた。あたしも、朧も……この刀で時を越えてきた」
真島に向き直る。
「もう一度、紅桜に血を吸わせて……時を開く。けど、次は一緒に」
「なるほどな。血が媒介か……物騒やな、まったく」
真島は苦笑しながらも、その瞳は決して冗談ではなかった。
「……準備は、もうええんか?」
「うん。戻るって決めたからには、ちゃんと色々したいから」
あやかの声に迷いはなかった。
― 翌日 ―
真島とあやかは、準備を整えて神室町のとある外れの路地裏へと向かう。
あやかは左腕で紅桜をそっと掲げると、静かに右袖をまくった。
すると、真島がその手を止め自分の腕を出す。
「しゃあないな、血くらい俺のをくれてやるわ。あやかの綺麗な手を怪我させたくないねん。」
紅桜が真島の手から零れた血を吸い上げた瞬間、刀身が激しく光を放ち、空間がぐにゃりと歪み――
そして、空が裂けた。
「いくよ、真島さん……!」
「おう、任せとけ」
ふたりは光の中へ、飛び込んだ――。
― 江戸・某日 ―
激しい光が消えた先は、見慣れない、けれどどこか懐かしい風景だった。
「ここが……あたしのいた江戸」
あやかが呟く。
土と木の匂いが入り混じった空気。
行き交う人々の着物、そして――上空を飛ぶ奇妙な宇宙船。
「なんやこれ……時代劇かと思たら、SF混じっとるやないか」
あやかは笑って、真島に語り始めた。
「……この国は、ずっと昔に攘夷戦争って戦があったの。
けど、あたしたちは……負けた。
そしたら天人(あまんと)っていう宇宙人がやってきて、この国を牛耳るようになった。幕府も骨抜き。侍は職を失って、町に溶け込んでいった。」
「……負けた国、か」
真島の目がすっと細まった。
「ま、今はそれも“日常”ってやつになってるけど……それでも侍は、生きてるよ。どこかで、みんな剣を心に持ったまま。」
「――気に入ったわ。」
そんなやりとりをしながらも、ひとつ問題があった。
現代の真島の服装――黒スーツに眼帯、ドスを差した風貌は、あまりにも目立ちすぎた。
「……さすがにその格好は、まずい……」
「……ええやんけ、かっこええやろ」
「江戸じゃ“浮く”んよ! しょうがない、着物買いに行こ。あたしが選んであげる!」
真島は不服そうに唸りながらも、しぶしぶ了承した。
「……わかったわかった。けどな、変な色選ばんといてや?」
「じゃあ……黄色とかどう?」
「なんでそうなるんや!」
ふたりの声が江戸の空に響いた。
こうして、ふたりの江戸での新たな旅が幕を開けた――。