本当の気持ち
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―セレナ・夜―
夜のセレナは、静かで少しだけ寂しげな雰囲気だった。
バーカウンター越しに並ぶグラスが、ぼんやりと照明を反射している。
「……で、急に“もう来なくていい”って言われて」
グラスの中で氷がカランと音を立てた。
あやかはストローでカシスソーダをいじりながら、俯いたまま言葉を継ぐ。
「なんか……変なんです。急に距離置かれてるっていうか……それまでは、よく顔も合わせてたのに、最近はぜんぜん。」
「真島の兄さんが、か」
カウンターの向こう側。桐生は静かにグラスを傾けたあと、あやかの方へ視線を向ける。
「……あの人なりに、何か思うところがあるんじゃねぇか?」
「……思うところ、ですか?」
「兄さんも、不器用だからな。大事にしたいものほど、遠ざけちまうことがある。」
桐生の言葉に、あやかの指がピタリと止まる。
「真島さん……そんなふうに見えませんでした。あんなに、近くにいてくれて……助けてくれて……優しくて……。」
「だからこそだろ」
桐生の声は、どこか自分に言い聞かせるようでもあった。
「たぶん兄さんは、お前のことを……守りたいって思ってる。でも、自分が傍にいちゃ、それができないとも思ってる」
「……どうして?」
「自分が“極道”だからだ。」
その言葉は、まるで真島が口にしたかった言葉そのもののように、あやかの胸に刺さった。
「……そんなの、わたし…。」
言いかけて、言葉を飲み込む。
本当は、言いたい。
気にしてないって。
もっとずっと一緒にいたいって。
だけど――
「……わからなくなってきました。わたし、また大切な人を失っちゃうのかな。帰る場所もないのに、どうすればいいのか……」
その呟きに、桐生は優しく笑った。
「だったら……ここにいりゃいい。俺も、兄さんも、追い出したりはしねぇよ。」
あやかは目を見開いた。
「本当に?」
「あぁ。ただし――」
桐生は少しだけニヤリと笑った。
「自分の気持ちは、ちゃんと見つけとけ。迷ってるだけじゃ、兄さんは振り向かねぇからな」
あやかは小さく息を飲み、そしてうなずいた。
「……はい」
胸の奥に、まだ燻っていた想い。
たしかにまだ消えてなんかいなかった。
彼女はもう一度、顔を上げた。
夜のセレナは、静かで少しだけ寂しげな雰囲気だった。
バーカウンター越しに並ぶグラスが、ぼんやりと照明を反射している。
「……で、急に“もう来なくていい”って言われて」
グラスの中で氷がカランと音を立てた。
あやかはストローでカシスソーダをいじりながら、俯いたまま言葉を継ぐ。
「なんか……変なんです。急に距離置かれてるっていうか……それまでは、よく顔も合わせてたのに、最近はぜんぜん。」
「真島の兄さんが、か」
カウンターの向こう側。桐生は静かにグラスを傾けたあと、あやかの方へ視線を向ける。
「……あの人なりに、何か思うところがあるんじゃねぇか?」
「……思うところ、ですか?」
「兄さんも、不器用だからな。大事にしたいものほど、遠ざけちまうことがある。」
桐生の言葉に、あやかの指がピタリと止まる。
「真島さん……そんなふうに見えませんでした。あんなに、近くにいてくれて……助けてくれて……優しくて……。」
「だからこそだろ」
桐生の声は、どこか自分に言い聞かせるようでもあった。
「たぶん兄さんは、お前のことを……守りたいって思ってる。でも、自分が傍にいちゃ、それができないとも思ってる」
「……どうして?」
「自分が“極道”だからだ。」
その言葉は、まるで真島が口にしたかった言葉そのもののように、あやかの胸に刺さった。
「……そんなの、わたし…。」
言いかけて、言葉を飲み込む。
本当は、言いたい。
気にしてないって。
もっとずっと一緒にいたいって。
だけど――
「……わからなくなってきました。わたし、また大切な人を失っちゃうのかな。帰る場所もないのに、どうすればいいのか……」
その呟きに、桐生は優しく笑った。
「だったら……ここにいりゃいい。俺も、兄さんも、追い出したりはしねぇよ。」
あやかは目を見開いた。
「本当に?」
「あぁ。ただし――」
桐生は少しだけニヤリと笑った。
「自分の気持ちは、ちゃんと見つけとけ。迷ってるだけじゃ、兄さんは振り向かねぇからな」
あやかは小さく息を飲み、そしてうなずいた。
「……はい」
胸の奥に、まだ燻っていた想い。
たしかにまだ消えてなんかいなかった。
彼女はもう一度、顔を上げた。