少女と叔父さん
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─寝かしつけ編─
ご飯も食べ、お風呂にも入り、やっと落ち着いた夜の神室町。
時計の針は、もうすぐ午後9時を指していた。
真島は小さくなったあやかの手を引きながら、寝室へと向かう。
「さぁ、今日はがんばったなぁ。もう寝る時間やで」
けれど――
「あのね、おじさん……」
ふと立ち止まったあやかが、不安そうに見上げた。
「“ねる”って、なに……?」
「……へ?」
「目ぇつぶって、ぐぅってするやつ……あれって、寝るっていうの?
でも……そのときって、毒飲んで、目の前真っ暗になって……そのまま何時間も動けなくなるだけで……。
わたし、寝たことないから、わかんない……」
真島の胸に、ぎゅっと冷たいものが突き刺さる。
あやかの過去――
目を閉じること=毒、眠ること=強制的に気絶、そんな経験しかしてこなかった小さな命。
(あいつ……どんな地獄を生きてきたんや……)
ふと銀時の言葉が脳裏をよぎる。
「“眠る”って感覚も知らねぇ。だから、添い寝してやるしかねぇんだよ。初めは背中トントンして、安心させて寝かしてた。」
「――よし、任しとき」
真島はベッドに座ると、あやかを優しく抱き上げ、自分の隣に横たえた。
「寝るっちゅうんはな、怖いもんちゃう。目ぇ閉じたらな、夢の世界に行けるんや。楽しいとこやで。痛いことも、苦しいことも、なんもあらへん」
「ほんとに……?」
「ほんまや。ワシがずっと横におる。なんも怖いもんなんか、近づかせへん。安心して……目ぇ閉じてみ」
あやかは少し躊躇いながらも、真島の胸元にすり寄り、ぎゅっとしがみつく。
真島はその小さな背中を、トントン……トントン……と優しく叩いた。
「……なぁ、あやか。よく頑張ったな。
ご飯も食べたし、風呂も入ったし……あとは寝て、明日また一緒に遊ぼうな。
そんでまた、美味いもん食って、笑って……。
せやから、今日はゆっくり、おやすみ……」
トントン、トントン……
優しい音が、部屋の中に響く。
あやかのまぶたが、少しずつ下がっていき――
「まじまさん……だいすき……」
小さくつぶやいたあと、安心したようにすぅ……と寝息を立てた。
その様子を見た真島は、微笑みながらあやかの髪をそっと撫でる。
「ワシもや……。もう、どこにも行かせへん。ずっと守ったる」
月明かりが、二人をやさしく照らしていた。
神室町の夜は静かだった。
真島のマンションの寝室。ベッドでは、あやかが真島の胸元にすやすやと眠っていた。
……はずだった。
「……や、やだ……いや……っ……!」
小さな声が震える。
あやかの眉がひそまり、薄いまぶたの奥で、悪夢が再生されていた。
(……だれか、たすけて……)
夢の中であやかは、暗く冷たい部屋にいた。
拘束された身体。無理やり開かれる口。喉に流し込まれる黒い液体――
「やあああああっっ!!」
バッ!!
突然、あやかが飛び起きた。
頬には涙が伝い、肩をがくがくと震わせながら、ベッドを飛び降りる。
「――あやか!?」
真島も飛び起きるが、その一瞬の間に、あやかは枕元に置いてあった真島のドスを手に取っていた。
「あっちいけ……ちかづいたら刺すから……!!」
ドアの前に逃げ、背中を壁に預けながら、目を潤ませて震える小さな少女。
その手に握られたドスは、大人でも扱いが難しい代物。
あやかの手には余りすぎて、刃先は床を向いていた。
「……あやか。大丈夫や。ワシや、真島や」
真島はゆっくりと手を見せながら、しゃがんで目線を合わせた。
「怖い夢、見たんやな……もう大丈夫や。ここには誰もおらん。毒薬も、実験するヤツも、おらん」
「でも……っ……さっき……のどに、変な液体入れられて……
息ができなくて、苦しくて……!」
「夢と現実、分からへんなってもうたんやな……」
真島は、床を這うように少しずつ近づく。そして――
「ごめんな、怖かったな。
……せやけどそのドス、ワシの大事なもんや。
あやかがそんなもん振り回す必要、どこにもあらへん」
そう言って、優しく手を伸ばした。
あやかはびくっとしたが、真島の瞳を見つめ――ドスを手放した。
真島はそれを静かに受け取り、床に置くと、小さな体を両腕でそっと抱きしめた。
「もう怖ない……夢や。全部、夢や。
あやかはもう、ひとりちゃう。ワシが一緒におる。
これからは、嫌な夢見たらワシがふっとばしたる」
「……ほんとに?」
「ほんまや。絶対守ったる。どんなことがあってもな」
あやかはその胸に顔を埋め、やっと涙を止めた。
「……おじさん、ずっと、いて……」
「ずっとおる。そばにおるから、もう寝よ」
再びベッドへ戻り、今度は真島がしっかりと抱きかかえて、布団をかける。
あやかはようやく落ち着き、目を閉じて――
「……ありがと……」
トントン……トントン……
真島の手がまた、優しいリズムを刻む。
暗闇の中、あやかは今度こそ、安心したように眠りに落ちていった。
ご飯も食べ、お風呂にも入り、やっと落ち着いた夜の神室町。
時計の針は、もうすぐ午後9時を指していた。
真島は小さくなったあやかの手を引きながら、寝室へと向かう。
「さぁ、今日はがんばったなぁ。もう寝る時間やで」
けれど――
「あのね、おじさん……」
ふと立ち止まったあやかが、不安そうに見上げた。
「“ねる”って、なに……?」
「……へ?」
「目ぇつぶって、ぐぅってするやつ……あれって、寝るっていうの?
でも……そのときって、毒飲んで、目の前真っ暗になって……そのまま何時間も動けなくなるだけで……。
わたし、寝たことないから、わかんない……」
真島の胸に、ぎゅっと冷たいものが突き刺さる。
あやかの過去――
目を閉じること=毒、眠ること=強制的に気絶、そんな経験しかしてこなかった小さな命。
(あいつ……どんな地獄を生きてきたんや……)
ふと銀時の言葉が脳裏をよぎる。
「“眠る”って感覚も知らねぇ。だから、添い寝してやるしかねぇんだよ。初めは背中トントンして、安心させて寝かしてた。」
「――よし、任しとき」
真島はベッドに座ると、あやかを優しく抱き上げ、自分の隣に横たえた。
「寝るっちゅうんはな、怖いもんちゃう。目ぇ閉じたらな、夢の世界に行けるんや。楽しいとこやで。痛いことも、苦しいことも、なんもあらへん」
「ほんとに……?」
「ほんまや。ワシがずっと横におる。なんも怖いもんなんか、近づかせへん。安心して……目ぇ閉じてみ」
あやかは少し躊躇いながらも、真島の胸元にすり寄り、ぎゅっとしがみつく。
真島はその小さな背中を、トントン……トントン……と優しく叩いた。
「……なぁ、あやか。よく頑張ったな。
ご飯も食べたし、風呂も入ったし……あとは寝て、明日また一緒に遊ぼうな。
そんでまた、美味いもん食って、笑って……。
せやから、今日はゆっくり、おやすみ……」
トントン、トントン……
優しい音が、部屋の中に響く。
あやかのまぶたが、少しずつ下がっていき――
「まじまさん……だいすき……」
小さくつぶやいたあと、安心したようにすぅ……と寝息を立てた。
その様子を見た真島は、微笑みながらあやかの髪をそっと撫でる。
「ワシもや……。もう、どこにも行かせへん。ずっと守ったる」
月明かりが、二人をやさしく照らしていた。
神室町の夜は静かだった。
真島のマンションの寝室。ベッドでは、あやかが真島の胸元にすやすやと眠っていた。
……はずだった。
「……や、やだ……いや……っ……!」
小さな声が震える。
あやかの眉がひそまり、薄いまぶたの奥で、悪夢が再生されていた。
(……だれか、たすけて……)
夢の中であやかは、暗く冷たい部屋にいた。
拘束された身体。無理やり開かれる口。喉に流し込まれる黒い液体――
「やあああああっっ!!」
バッ!!
突然、あやかが飛び起きた。
頬には涙が伝い、肩をがくがくと震わせながら、ベッドを飛び降りる。
「――あやか!?」
真島も飛び起きるが、その一瞬の間に、あやかは枕元に置いてあった真島のドスを手に取っていた。
「あっちいけ……ちかづいたら刺すから……!!」
ドアの前に逃げ、背中を壁に預けながら、目を潤ませて震える小さな少女。
その手に握られたドスは、大人でも扱いが難しい代物。
あやかの手には余りすぎて、刃先は床を向いていた。
「……あやか。大丈夫や。ワシや、真島や」
真島はゆっくりと手を見せながら、しゃがんで目線を合わせた。
「怖い夢、見たんやな……もう大丈夫や。ここには誰もおらん。毒薬も、実験するヤツも、おらん」
「でも……っ……さっき……のどに、変な液体入れられて……
息ができなくて、苦しくて……!」
「夢と現実、分からへんなってもうたんやな……」
真島は、床を這うように少しずつ近づく。そして――
「ごめんな、怖かったな。
……せやけどそのドス、ワシの大事なもんや。
あやかがそんなもん振り回す必要、どこにもあらへん」
そう言って、優しく手を伸ばした。
あやかはびくっとしたが、真島の瞳を見つめ――ドスを手放した。
真島はそれを静かに受け取り、床に置くと、小さな体を両腕でそっと抱きしめた。
「もう怖ない……夢や。全部、夢や。
あやかはもう、ひとりちゃう。ワシが一緒におる。
これからは、嫌な夢見たらワシがふっとばしたる」
「……ほんとに?」
「ほんまや。絶対守ったる。どんなことがあってもな」
あやかはその胸に顔を埋め、やっと涙を止めた。
「……おじさん、ずっと、いて……」
「ずっとおる。そばにおるから、もう寝よ」
再びベッドへ戻り、今度は真島がしっかりと抱きかかえて、布団をかける。
あやかはようやく落ち着き、目を閉じて――
「……ありがと……」
トントン……トントン……
真島の手がまた、優しいリズムを刻む。
暗闇の中、あやかは今度こそ、安心したように眠りに落ちていった。