弱所突きと魔力感知、闘ったら千日手になるのかな?〈1〉 (金ガ/バリ+モモ)
バリーさんとモモンさんに、こんな放課後が……あっても……良いんじゃないでしょうか!(血涙)から始まった妄想群です。
時系列はあまり気にしておらず作文は思いついた順です。
連載ではないので萌が高まったら増える、くらいに捉えておいていただければ幸いでございます。
──────
「おい、バリー。あいつ、お前に用があるみたいだぞ」
さっきからずっとお前をチラチラ見てる。
放課後の教室でクラスメイトにそう言われて振り返ると、出入り口付近に立つどこかで見たうさぎ耳が目に入った。どこで見たんだったかイマイチ思い出せないが、確かにあのピンク頭は記憶にある。バリーは自席から立ち上がり、「彼女か〜?」などのヤジをことごとく無視しながらズンズン出口に向かっていった。
対するうさぎ耳はバリーが近づいてくることにものすごくビビっているようだ。あたふたきょろきょろと挙動不審ではあるが、それでも逃げ出さないうさぎ耳にバリーは少し感心した。おそらく初等部の魔物の子で、今のバリーを見ても逃げたり泣いたりしないのは王となったあの金色の少年と、その周りにいる仲間たちくらいなものだ。そこではたと気づいた。そして足早にうさぎ耳に近付く。思い出されるのは、あの巨大過ぎる魔物の中で目の曇った自称ライバルを倒し、理不尽な装置に背を焼かれながらもガッシュ達を守り通した時のことだ。自らの身を呈して作ったスペースをくぐっていった面子の中に、このピンクのうさぎがいたことをバリーは思い出した。
俯いてもじもじしているうさぎ耳(顔はよく見なくてもサル顔だ)の前に仁王立ちしながら、バリーはこの子どもの言葉を待つ。すると、ちらりと大きな三白眼がバリーを見上げた。目つきのわるいガキだな、とバリーは自分を棚に上げて思った。
「は、はじめまして。僕、モモン……あの、バリーさん」
「バリーでいい。それと『はじめまして』じゃねぇだろ」
「……えっ、覚えててくれたの?」
「ついさっき思い出した」
あっけらかんとして言うバリーの言葉に、モモンは何とも言えない表情をした。喜んでいいのか、残念がればいいのか分からない、そんな顔だ。なんだか少し哀れになって、バリーは後ろ頭を掻きながら自分から話を振った。
「あー、俺に何か用があるのか?」
びくぅっ!と気をつけの姿勢になって、モモンは硬直したようだった。じわりと冷や汗もかいている。かと思えば覚悟を決めたように、バリーを見上げる。
「えっと……あの時は、みんなや僕を助けてくれて、ありがとう」
頬を桃色に染めながらニコッと満面の笑みを浮かべるモモンに、バリーはきょとんとした。
「まさか、その礼をするためだけに、ここまで来たのか」
「うん! ……と言いたいところなんだけど、」
「『けど』、なんだよ?」
モモンはまた俯いて、瞼をぎゅっと閉じ声を上げた。
「ぼ、僕の修行に……付き合ってください!」
声変わり前の高い声、おまけに後半部分で声を張り上げた為に、何かを勘違いした教室のクラスメイト達がざわつく。その上、バリーの返事が、
「ああ、いいぜ!」
だったため教室のテンションはにわかに最高潮に達した。ワァっと歓声が上がったことに、理由もわからずモモンは怯えながらも声を振り絞った。
「僕、すっごく臆病なんだ……だからもっと度胸をつけて、勉強もして、清麿みたいになりたい……!」
バリーは目を見開いた。そして、モモンの頭を、そのうさぎ耳ごとわしわしと撫でた。
「大きく出たじゃねえか! きらいじゃねぇぜ、そういうの。目標は大きければ大きいほど良い! で、俺は何をすればいいんだ?」
頭を撫でられながら、モモンは懸命に説明を始めた。
「僕が逃げるのを、追いかけて捕まえてほしいんだ。それで、捕まえた後は僕を攻撃してほしい。頑張って避けるから。あ、最初のうちは手加減してね」
「は?」
バリーの疑問を最初から想定していたのか、モモンは落ち着き払って言った。
「僕は逃げるのが得意なんだ。これを極めれば将来、何か……何かに役立てられる気がする」
「何だそりゃ。なーんか、『男らしく』ねぇな……」
「僕はあんまりそういうのは求めてないよ。攻撃呪文だって一個も覚えていないんだ、今のところ」
何故か誇らしげにそう言ってモモンは胸を張った。
「それじゃあ僕が走り出したらスタートだよ、僕を捕まえてコレを奪ってみて」
モモンが懐から取り出したのは、女性ものの下着……ではなく黄色い果物だった。「今日の修行のお礼はこれね」そう言いながら、モモンは果物を再び懐にしまった。
ぽかんとしているバリーを他所に、モモンは宣う。
「じゃあ、スタート!」
その声にハッとしたバリーの目の前から、既にモモンは消えていた。廊下に出て左右を見れば、右側の廊下、その遥か先にピンクのうさぎ耳がちらりと見えた。バリーはニヤリと笑って駆け出した。
「……なかなかじゃねぇか。だが、逃がすかよッ!」
事の成り行きを見守っていたクラスメイト達は、互いに顔を見合わせて疑問符を浮かべてから、それぞれ日常に戻って行った。
時系列はあまり気にしておらず作文は思いついた順です。
連載ではないので萌が高まったら増える、くらいに捉えておいていただければ幸いでございます。
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「おい、バリー。あいつ、お前に用があるみたいだぞ」
さっきからずっとお前をチラチラ見てる。
放課後の教室でクラスメイトにそう言われて振り返ると、出入り口付近に立つどこかで見たうさぎ耳が目に入った。どこで見たんだったかイマイチ思い出せないが、確かにあのピンク頭は記憶にある。バリーは自席から立ち上がり、「彼女か〜?」などのヤジをことごとく無視しながらズンズン出口に向かっていった。
対するうさぎ耳はバリーが近づいてくることにものすごくビビっているようだ。あたふたきょろきょろと挙動不審ではあるが、それでも逃げ出さないうさぎ耳にバリーは少し感心した。おそらく初等部の魔物の子で、今のバリーを見ても逃げたり泣いたりしないのは王となったあの金色の少年と、その周りにいる仲間たちくらいなものだ。そこではたと気づいた。そして足早にうさぎ耳に近付く。思い出されるのは、あの巨大過ぎる魔物の中で目の曇った自称ライバルを倒し、理不尽な装置に背を焼かれながらもガッシュ達を守り通した時のことだ。自らの身を呈して作ったスペースをくぐっていった面子の中に、このピンクのうさぎがいたことをバリーは思い出した。
俯いてもじもじしているうさぎ耳(顔はよく見なくてもサル顔だ)の前に仁王立ちしながら、バリーはこの子どもの言葉を待つ。すると、ちらりと大きな三白眼がバリーを見上げた。目つきのわるいガキだな、とバリーは自分を棚に上げて思った。
「は、はじめまして。僕、モモン……あの、バリーさん」
「バリーでいい。それと『はじめまして』じゃねぇだろ」
「……えっ、覚えててくれたの?」
「ついさっき思い出した」
あっけらかんとして言うバリーの言葉に、モモンは何とも言えない表情をした。喜んでいいのか、残念がればいいのか分からない、そんな顔だ。なんだか少し哀れになって、バリーは後ろ頭を掻きながら自分から話を振った。
「あー、俺に何か用があるのか?」
びくぅっ!と気をつけの姿勢になって、モモンは硬直したようだった。じわりと冷や汗もかいている。かと思えば覚悟を決めたように、バリーを見上げる。
「えっと……あの時は、みんなや僕を助けてくれて、ありがとう」
頬を桃色に染めながらニコッと満面の笑みを浮かべるモモンに、バリーはきょとんとした。
「まさか、その礼をするためだけに、ここまで来たのか」
「うん! ……と言いたいところなんだけど、」
「『けど』、なんだよ?」
モモンはまた俯いて、瞼をぎゅっと閉じ声を上げた。
「ぼ、僕の修行に……付き合ってください!」
声変わり前の高い声、おまけに後半部分で声を張り上げた為に、何かを勘違いした教室のクラスメイト達がざわつく。その上、バリーの返事が、
「ああ、いいぜ!」
だったため教室のテンションはにわかに最高潮に達した。ワァっと歓声が上がったことに、理由もわからずモモンは怯えながらも声を振り絞った。
「僕、すっごく臆病なんだ……だからもっと度胸をつけて、勉強もして、清麿みたいになりたい……!」
バリーは目を見開いた。そして、モモンの頭を、そのうさぎ耳ごとわしわしと撫でた。
「大きく出たじゃねえか! きらいじゃねぇぜ、そういうの。目標は大きければ大きいほど良い! で、俺は何をすればいいんだ?」
頭を撫でられながら、モモンは懸命に説明を始めた。
「僕が逃げるのを、追いかけて捕まえてほしいんだ。それで、捕まえた後は僕を攻撃してほしい。頑張って避けるから。あ、最初のうちは手加減してね」
「は?」
バリーの疑問を最初から想定していたのか、モモンは落ち着き払って言った。
「僕は逃げるのが得意なんだ。これを極めれば将来、何か……何かに役立てられる気がする」
「何だそりゃ。なーんか、『男らしく』ねぇな……」
「僕はあんまりそういうのは求めてないよ。攻撃呪文だって一個も覚えていないんだ、今のところ」
何故か誇らしげにそう言ってモモンは胸を張った。
「それじゃあ僕が走り出したらスタートだよ、僕を捕まえてコレを奪ってみて」
モモンが懐から取り出したのは、女性ものの下着……ではなく黄色い果物だった。「今日の修行のお礼はこれね」そう言いながら、モモンは果物を再び懐にしまった。
ぽかんとしているバリーを他所に、モモンは宣う。
「じゃあ、スタート!」
その声にハッとしたバリーの目の前から、既にモモンは消えていた。廊下に出て左右を見れば、右側の廊下、その遥か先にピンクのうさぎ耳がちらりと見えた。バリーはニヤリと笑って駆け出した。
「……なかなかじゃねぇか。だが、逃がすかよッ!」
事の成り行きを見守っていたクラスメイト達は、互いに顔を見合わせて疑問符を浮かべてから、それぞれ日常に戻って行った。
