前奏(金ガ/??モモ)
次の更新まで2ヶ月という事実に耐えきれずこの数日妄想していたことを出力してしまいました。あの敵の子のお名前もあれで合ってるのか分からなかったので、この作文の中ではただ「少年」とだけ呼んでます。モモンお兄さんに劣情を抱く者が書いておりますが、起承転結の起どころじゃないところで終わります。妄言を吐くなら今のうちだとばかりに書き散らしてしまって申し訳ないです。口調もキャラも何の設定も分からないままの、本当に妄言です。設定がわかったらわかったでまた新たに書き散らすかもしれませんが、その時はよろしくです。2024.10.17
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拾い上げてしまった断末魔。消滅する術の気配。異常事態を察知したモモンは、止まらない冷や汗を拭う暇も惜しんで城塞内を駆ける。焦る気持ちと、冷静に異常の発生源への道を組み立てていく脳内。頭の中に描いた道筋、敵の気配を避けるルートを辿っていた、はずだった。
「見つけた」
びくりと、身体が硬直する。肩越しに背後、それもごく近い位置に立つ存在に視線を送れば、黒尽くめの少年(それとも、少女だろうか)が不気味な笑みを浮かべモモンを見つめていた。
モモンには攻撃手段がない。たとえ術を奪われる前であってもそれは変わらないのだが、相手を傷つけるだけが戦いではないことをモモンは知っているし、かつてのパートナーから受けた『誇り』を何よりも大事に思っている。だから今、己の背後に立つ明確な敵と交戦せずこの場を切り抜けたい。そう考えるよりも早く反射的に前方に向かってダッシュする。刹那。
「?!、ッ!」
背後にあったはずの気配が消え、今まさに向かおうとしていた方向に少年の姿があった。ならばと駆けた勢いのまま跳躍し少年の背後を取る。そしてそのまま部屋の出口へと走るも、またもや少年は影のように移動しモモンの行く手を阻んだ。
「おじさんさぁ、オレたちの情報、嗅ぎ回ってたろ」
おもむろに発された言葉に、モモンは目を見開いた。
いつからバレていた? まさか、これまでも泳がされていただけなのか? この場を切り抜けても僕が情報を探っていた事実が敵側に知られれば、これまでの行動もすべて水の泡だ。
最悪の状況がモモンの頭の中を駆け巡る。その一瞬の隙をついて、敵は瞬時にモモンの目の前に移動した。少年はモモンのスカーフを掴むとクイッと軽く引く。幼い子や上背のない友人がそうするように。あまりにもありふれた感覚、今やなつかしさすら覚える幼気なその行動に、モモンは無意識に身をかがめていた。目の前には少年の不敵な笑みがある。そのかんばせが、まるで綻ぶつぼみのような無邪気な笑みを浮かべた。
「ざ〜んねん! その努力は無意味になっちゃった。だっておじさんが集めた情報は今まさに『消えていってる』んだから」
きゃはは、と笑い声を上げている少年をぼう然と見つめるモモンの顔に色濃く描かれたのは、まさしく絶望の表情だった。
それをジッと見つめると、少年は俄に無表情になりモモンの肩をドンと押した。力なく尻餅をついたモモンの上に馬乗りになった少年は酷薄な表情で彼を見下ろした。玩具に飽きた子供の顔よりももっと冷たい表情だ。
「……もう諦めちゃうんだ? この城塞に忍び込むとか、どんなイカれた奴なんだろうって、けっこう期待してたのになぁ。なんてことない、ただのすばしっこいおじさんじゃん。魔物なんてみんな所詮は取るに足らない存在だったってことだね」
ぺらぺらと己の腹の上でしゃべり続ける少年を、モモンは睨み上げた。その瞳には、未だ潰えぬ希望の光が宿っている。この状況下でモモンはまだ諦めきってはいなかった。自分の命の終わりを覚悟はしていたが、モモンにとっては、ただそれだけのことだ。それよりも、どうしても言っておかなければならないことがある。
「……僕のことは何と言おうと構わない、潜入先でミスをしたんだから。いくらでも馬鹿にすると良い。でも僕の大切な友達を、仲間たちを、取るに足らないなんて言わせない……! 彼らは強い、絶対にお前たちを打ち負かす! それに……僕はまだ、"おじさん"と呼ばれる年齢じゃない」
「……あはは! 案外良い顔するじゃん、"お兄さん"? これからどうなるのか分かってるの? 死んじゃうんだよ、オレにさんざん辱められた後に」
「この作戦を始めたときから、死ぬ覚悟はできて……え。? はずかしめ……?」
きょとんとしたモモンは、これから起こる死よりもつらく、羞恥で死にたくなる行為が自分に降りかかることを一切自覚していなかった。モモンのスカーフを愉しげにほどく少年だけが、不気味に、そして最高に愛らしく微笑んでいる。
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拾い上げてしまった断末魔。消滅する術の気配。異常事態を察知したモモンは、止まらない冷や汗を拭う暇も惜しんで城塞内を駆ける。焦る気持ちと、冷静に異常の発生源への道を組み立てていく脳内。頭の中に描いた道筋、敵の気配を避けるルートを辿っていた、はずだった。
「見つけた」
びくりと、身体が硬直する。肩越しに背後、それもごく近い位置に立つ存在に視線を送れば、黒尽くめの少年(それとも、少女だろうか)が不気味な笑みを浮かべモモンを見つめていた。
モモンには攻撃手段がない。たとえ術を奪われる前であってもそれは変わらないのだが、相手を傷つけるだけが戦いではないことをモモンは知っているし、かつてのパートナーから受けた『誇り』を何よりも大事に思っている。だから今、己の背後に立つ明確な敵と交戦せずこの場を切り抜けたい。そう考えるよりも早く反射的に前方に向かってダッシュする。刹那。
「?!、ッ!」
背後にあったはずの気配が消え、今まさに向かおうとしていた方向に少年の姿があった。ならばと駆けた勢いのまま跳躍し少年の背後を取る。そしてそのまま部屋の出口へと走るも、またもや少年は影のように移動しモモンの行く手を阻んだ。
「おじさんさぁ、オレたちの情報、嗅ぎ回ってたろ」
おもむろに発された言葉に、モモンは目を見開いた。
いつからバレていた? まさか、これまでも泳がされていただけなのか? この場を切り抜けても僕が情報を探っていた事実が敵側に知られれば、これまでの行動もすべて水の泡だ。
最悪の状況がモモンの頭の中を駆け巡る。その一瞬の隙をついて、敵は瞬時にモモンの目の前に移動した。少年はモモンのスカーフを掴むとクイッと軽く引く。幼い子や上背のない友人がそうするように。あまりにもありふれた感覚、今やなつかしさすら覚える幼気なその行動に、モモンは無意識に身をかがめていた。目の前には少年の不敵な笑みがある。そのかんばせが、まるで綻ぶつぼみのような無邪気な笑みを浮かべた。
「ざ〜んねん! その努力は無意味になっちゃった。だっておじさんが集めた情報は今まさに『消えていってる』んだから」
きゃはは、と笑い声を上げている少年をぼう然と見つめるモモンの顔に色濃く描かれたのは、まさしく絶望の表情だった。
それをジッと見つめると、少年は俄に無表情になりモモンの肩をドンと押した。力なく尻餅をついたモモンの上に馬乗りになった少年は酷薄な表情で彼を見下ろした。玩具に飽きた子供の顔よりももっと冷たい表情だ。
「……もう諦めちゃうんだ? この城塞に忍び込むとか、どんなイカれた奴なんだろうって、けっこう期待してたのになぁ。なんてことない、ただのすばしっこいおじさんじゃん。魔物なんてみんな所詮は取るに足らない存在だったってことだね」
ぺらぺらと己の腹の上でしゃべり続ける少年を、モモンは睨み上げた。その瞳には、未だ潰えぬ希望の光が宿っている。この状況下でモモンはまだ諦めきってはいなかった。自分の命の終わりを覚悟はしていたが、モモンにとっては、ただそれだけのことだ。それよりも、どうしても言っておかなければならないことがある。
「……僕のことは何と言おうと構わない、潜入先でミスをしたんだから。いくらでも馬鹿にすると良い。でも僕の大切な友達を、仲間たちを、取るに足らないなんて言わせない……! 彼らは強い、絶対にお前たちを打ち負かす! それに……僕はまだ、"おじさん"と呼ばれる年齢じゃない」
「……あはは! 案外良い顔するじゃん、"お兄さん"? これからどうなるのか分かってるの? 死んじゃうんだよ、オレにさんざん辱められた後に」
「この作戦を始めたときから、死ぬ覚悟はできて……え。? はずかしめ……?」
きょとんとしたモモンは、これから起こる死よりもつらく、羞恥で死にたくなる行為が自分に降りかかることを一切自覚していなかった。モモンのスカーフを愉しげにほどく少年だけが、不気味に、そして最高に愛らしく微笑んでいる。
