あなたに逢いたい(FFCCEoT/主人公クラヴァット♂×ベリアウルデ)
FFCC歴代シリーズで最も救われてほしいのに放置されてるユーク族ってベリアウルデさんだと思うんですよ。
ベリアウルデさんLOVE。
ED後も猫ロッタが生きられるならベリアウルデさんもそうであってくれ。そしてあわよくば主人公の子を産んでくださいお願いします(土下座
──────
今日も今日とて、遺跡に通う。あのひとに逢うために。
遺跡のいたる所に仕掛けられていたギミックは、はじめて此処を訪れた時に全部解除しているし、ゴーレムなどの魔物たちはこの遺跡の主であるあのひとが無力化してくれているので、道中も安心して散歩気分で歩いていける。あぁ、早くあのひとに逢いたい。ほぼ毎日顔を合わせているのに、どうしてこんなにも気が急くのかは、もう自分の中で答えが出ている。
はじめて出逢い、そして互いに望まない形で戦うことになってしまったあの広場の、更に奥。其処に彼の書斎があるというのは、すべての戦いが終わったあと、何故かあのひとのことが心に引っかかって、此処を再度訪れた時に知った。
一見すると石造りの只の壁。でもその一部を押して見ると案外軽い力でその扉は開いてくれる。
重厚な音を立てて開いた先には、こぢんまりとした部屋が在る。元々はそう狭くない、というか広い部屋だと思うのだけど、分厚い本や何かの設計図らしき書類で溢れかえった此処は少し手狭に感じられる。
たぶん禄に睡眠もとっていないと思う。不老不死であることはあのひとの大きな大きなコンプレックスであるけれど、それとこれとは別らしく、食事も睡眠も摂らずに積み上げた本を読み込んでいると聴いてボクはあのひとをなんとか説得しようとした。でも、永い間培われてきた習慣はなかなか治らないらしい。
だって、今日もボクの入室に気付かず(もし気付けば必ず歓迎してくれるから)何かから逃げるように読書に耽っているし。
「こんにちはー」
いつも通り、積み上げられた本でできた壁の隙間からあいさつする。
「……むぅ」
顎先にふさふさの大きな手を添えて、何かを考え込んでいるらしいあのひと。しびれを切らしたボクはあのひとの名を呼んだ。
「ベリアウルデさーん……生きてます?」
すると。
「……ん。あ? あぁ。すまぬ、また気付かなかった……」
心のなかでガッツポーズ。気付いてもらえたぞぅ。
「こちらこそ勝手に入っちゃって」
「いや、いいのだ。えーと……お茶でも淹れようか」
お茶と言ってもなんかの薬草を煎じた渋〜いお湯なんだけど、いいんだ。ベリアウルデさんが他の誰でもない、ボクのために世話を焼いてくれるんだから。それに、慣れれば意外とおいしいし。
「やった!おやつにしましょう」
そう言いながらバッグをごそごそと漁る。するとお湯を沸かすため備え付けらしい簡易キッチンに立っていたベリアウルデさんが小さく呟いた。本当に小さな声だったけど、ユーク族特有の甲冑のおかげで響いて聴こえた。
「おやつ……」
「はい。街でお菓子買ってきたんです。ご一緒しようと思って」
机の上に焼き菓子がいくつか入った紙袋を置くと、それを振り返って見たベリアウルデさんがうつむいて言った。
「……本当に、すまぬ」
「さっきから、どうして謝るんですか」
「何というか……いつもこんな場所に来てくれるのに何もできなくて申し訳ないな、と」
ユークは感情表現が少ないと思われがちだけど、違う。表情の代わりに声音やジェスチャーに感情が出るんだ。
いつも思い詰めたような節があるこのひとの声は、いつも以上に痛々しく沈んでいる。
申し訳ないと言っていたけど、ベリアウルデさんが謝りたいのは今この瞬間の事柄じゃないことくらい、この間まで子どもだったボクにだって直ぐに分かる。
「……、ベリアウルデさん」
「ん……?」
「ここ、出ましょう?」
たっぷり2分くらい固まって、ケトルのけたたましい音で我に返ったらしいベリアウルデさんが微かに声をもらした。
「………え?」
ギギギ……と錆びついたような動作でボクの方を見る。
「ボク、ずっと考えてたんだ。こんなモンスターが出まくる場所でたった一人なんて危険すぎるって。そりゃ貴方はとても強いし何より不死身だけどそういうことではないと思うんです。だって、いくら不死身でも貴方は人間でしょう。こんな……だぁれも来ない場所で2000年以上過ごすなんて、とても寂しくて悔しくて悲しいことじゃないですか?」
思いの丈が口から溢れて止まらなくなって、ここまでひと息で言い切ってしまった。引かれちゃったかも知れない。一瞬そう過ぎったけど、ベリアウルデさんはボクが思っているよりもよほど大人で真面目で律儀で、悲しいひとだった。
「し、しかし……我は不死身以前に、怪物で、大罪人だ。現に初めて会った時も主に襲いかかってしまった。こんな我が外の世界に出るなんて、許されないことだ」
諦めたようにうつむいて力無く首を横に振る様子に、ボクは焦る自分と戦いながら説得の態勢に入った。
「……変身してしまう件に関しては安心してください。クリスタルはもう、世界に一つしかないんですから」
返事は無い。でも諦めたくなかった、絶対に。
「……もう十分です。外に出てもいいんですよ。きっととっくの昔に、貴方は許されていた」
「……ッ!」
「村の過去を見た時、貴方の姿もあったんです。止めようとしてくれたでしょう、彼を」
ハッと顔を上げたベリアウルデさんに可能性を見出す。
「その結果が今のその身体。それは、襲撃を妨害された彼が与えた身勝手な罰だ。そもそも、最初から貴方は罪を犯してなんていなかったんです……!」
ベリアウルデさんがその場に膝から崩れ落ちた。両手で顔を覆い、嗚咽をこぼす。
ボクはそんなあのひとに駆け寄って、その痩躯を抱きしめた。小さく震えているベリアウルデさんは、ボクより背が高いのに小鳥のようなか弱さだった。
暫くそうしていると、ベリアウルデさんが囁くように、祈るように言葉をこぼした。
「……いいのだろうか……っ、我などが生きていても……!外へ出てあたたかな陽光を享受しても……っ!」
ボクもつられて涙が止まらなくなる。ぎゅうぎゅうと抱きしめた腕に力を込めて、ベリアウルデさんが苦笑気味に「痛いぞ」と言うまで離してあげられなかった。
ベリアウルデさんLOVE。
ED後も猫ロッタが生きられるならベリアウルデさんもそうであってくれ。そしてあわよくば主人公の子を産んでくださいお願いします(土下座
──────
今日も今日とて、遺跡に通う。あのひとに逢うために。
遺跡のいたる所に仕掛けられていたギミックは、はじめて此処を訪れた時に全部解除しているし、ゴーレムなどの魔物たちはこの遺跡の主であるあのひとが無力化してくれているので、道中も安心して散歩気分で歩いていける。あぁ、早くあのひとに逢いたい。ほぼ毎日顔を合わせているのに、どうしてこんなにも気が急くのかは、もう自分の中で答えが出ている。
はじめて出逢い、そして互いに望まない形で戦うことになってしまったあの広場の、更に奥。其処に彼の書斎があるというのは、すべての戦いが終わったあと、何故かあのひとのことが心に引っかかって、此処を再度訪れた時に知った。
一見すると石造りの只の壁。でもその一部を押して見ると案外軽い力でその扉は開いてくれる。
重厚な音を立てて開いた先には、こぢんまりとした部屋が在る。元々はそう狭くない、というか広い部屋だと思うのだけど、分厚い本や何かの設計図らしき書類で溢れかえった此処は少し手狭に感じられる。
たぶん禄に睡眠もとっていないと思う。不老不死であることはあのひとの大きな大きなコンプレックスであるけれど、それとこれとは別らしく、食事も睡眠も摂らずに積み上げた本を読み込んでいると聴いてボクはあのひとをなんとか説得しようとした。でも、永い間培われてきた習慣はなかなか治らないらしい。
だって、今日もボクの入室に気付かず(もし気付けば必ず歓迎してくれるから)何かから逃げるように読書に耽っているし。
「こんにちはー」
いつも通り、積み上げられた本でできた壁の隙間からあいさつする。
「……むぅ」
顎先にふさふさの大きな手を添えて、何かを考え込んでいるらしいあのひと。しびれを切らしたボクはあのひとの名を呼んだ。
「ベリアウルデさーん……生きてます?」
すると。
「……ん。あ? あぁ。すまぬ、また気付かなかった……」
心のなかでガッツポーズ。気付いてもらえたぞぅ。
「こちらこそ勝手に入っちゃって」
「いや、いいのだ。えーと……お茶でも淹れようか」
お茶と言ってもなんかの薬草を煎じた渋〜いお湯なんだけど、いいんだ。ベリアウルデさんが他の誰でもない、ボクのために世話を焼いてくれるんだから。それに、慣れれば意外とおいしいし。
「やった!おやつにしましょう」
そう言いながらバッグをごそごそと漁る。するとお湯を沸かすため備え付けらしい簡易キッチンに立っていたベリアウルデさんが小さく呟いた。本当に小さな声だったけど、ユーク族特有の甲冑のおかげで響いて聴こえた。
「おやつ……」
「はい。街でお菓子買ってきたんです。ご一緒しようと思って」
机の上に焼き菓子がいくつか入った紙袋を置くと、それを振り返って見たベリアウルデさんがうつむいて言った。
「……本当に、すまぬ」
「さっきから、どうして謝るんですか」
「何というか……いつもこんな場所に来てくれるのに何もできなくて申し訳ないな、と」
ユークは感情表現が少ないと思われがちだけど、違う。表情の代わりに声音やジェスチャーに感情が出るんだ。
いつも思い詰めたような節があるこのひとの声は、いつも以上に痛々しく沈んでいる。
申し訳ないと言っていたけど、ベリアウルデさんが謝りたいのは今この瞬間の事柄じゃないことくらい、この間まで子どもだったボクにだって直ぐに分かる。
「……、ベリアウルデさん」
「ん……?」
「ここ、出ましょう?」
たっぷり2分くらい固まって、ケトルのけたたましい音で我に返ったらしいベリアウルデさんが微かに声をもらした。
「………え?」
ギギギ……と錆びついたような動作でボクの方を見る。
「ボク、ずっと考えてたんだ。こんなモンスターが出まくる場所でたった一人なんて危険すぎるって。そりゃ貴方はとても強いし何より不死身だけどそういうことではないと思うんです。だって、いくら不死身でも貴方は人間でしょう。こんな……だぁれも来ない場所で2000年以上過ごすなんて、とても寂しくて悔しくて悲しいことじゃないですか?」
思いの丈が口から溢れて止まらなくなって、ここまでひと息で言い切ってしまった。引かれちゃったかも知れない。一瞬そう過ぎったけど、ベリアウルデさんはボクが思っているよりもよほど大人で真面目で律儀で、悲しいひとだった。
「し、しかし……我は不死身以前に、怪物で、大罪人だ。現に初めて会った時も主に襲いかかってしまった。こんな我が外の世界に出るなんて、許されないことだ」
諦めたようにうつむいて力無く首を横に振る様子に、ボクは焦る自分と戦いながら説得の態勢に入った。
「……変身してしまう件に関しては安心してください。クリスタルはもう、世界に一つしかないんですから」
返事は無い。でも諦めたくなかった、絶対に。
「……もう十分です。外に出てもいいんですよ。きっととっくの昔に、貴方は許されていた」
「……ッ!」
「村の過去を見た時、貴方の姿もあったんです。止めようとしてくれたでしょう、彼を」
ハッと顔を上げたベリアウルデさんに可能性を見出す。
「その結果が今のその身体。それは、襲撃を妨害された彼が与えた身勝手な罰だ。そもそも、最初から貴方は罪を犯してなんていなかったんです……!」
ベリアウルデさんがその場に膝から崩れ落ちた。両手で顔を覆い、嗚咽をこぼす。
ボクはそんなあのひとに駆け寄って、その痩躯を抱きしめた。小さく震えているベリアウルデさんは、ボクより背が高いのに小鳥のようなか弱さだった。
暫くそうしていると、ベリアウルデさんが囁くように、祈るように言葉をこぼした。
「……いいのだろうか……っ、我などが生きていても……!外へ出てあたたかな陽光を享受しても……っ!」
ボクもつられて涙が止まらなくなる。ぎゅうぎゅうと抱きしめた腕に力を込めて、ベリアウルデさんが苦笑気味に「痛いぞ」と言うまで離してあげられなかった。
