短いのふたつ
ジョル+ガロへのお題【手を繋いで歩こうか/視線が合ったら、もう逃げられない。/お伽噺のように結ばれたい。】
shindanmaker.com/287899
みっつめ、みっつめぇええええ!!
と、2018年の私が悶えていた痕跡を発掘しましたので持ってきたのですが、肝心の三つ目の作文はありませんでした。なぜだー(泣)
──────
「寒いですね」
「……う、うん」
一応肯定はしたが、実はちっとも寒くない。というのも、兄貴の手が俺の手を握って離さないからだ。周囲からの視線が痛い。照れくさすぎて全身ぽっかぽかになっちまっている俺とは対象的に、兄貴はいつも通りの涼し気な表情で隣を歩いている。
誰かに手を引いて歩いてもらうなんて事にはまだ全然慣れなくて。でもこの手を離そうだなんてこれっぽっちも思わないのは、兄貴の言う「兄弟なんですから」という言葉に甘えちまってる証拠だ。兄貴の言動に甘えて、ぜんぶ兄貴のせいにしている狡い俺を、兄貴は許してくれるだろうか。【了】
僕の愛する弟は、自分の事が嫌いで仕方がないらしい。
「どうして? こんなに可愛いのに」
そう訊ねてみても、彼は少し驚いたような表情をしたあとに、全てを諦めた溜息をつくだけ。自分の魅力に目を向けられず悲嘆にくれる弟を励ましたい一心で、僕はひと肌脱ぐことにした。ほんの少し照れもあるが、背に腹はかえられない。
「ウンガロ、君はなんて素敵なんだろう」
言えば、いつものように溜息をつこうとするので、指を彼の唇に押し当てる。
「まずスタイルがいい。適度に筋肉質だし手足も長い。たまに見せてくれるおへそも本当に可愛いよ。君が一番コンプレックスを感じている顔だって、愛嬌があっていいじゃあないか。特にその瞳。見る角度によって色が変化して実に美しい。視線があったら、もう逃げられないとさえ思うよ」
ここまで言ったところではたと気づく。ウンガロは耳まで赤くして、いつも被っているニット帽を目元までずり下げていた。
「……そういう照れ屋さんなところも可愛くて仕方がない」
正直に言ったらこぶしが飛んできたので軽く避けておいた。
【了】
shindanmaker.com/287899
みっつめ、みっつめぇええええ!!
と、2018年の私が悶えていた痕跡を発掘しましたので持ってきたのですが、肝心の三つ目の作文はありませんでした。なぜだー(泣)
──────
「寒いですね」
「……う、うん」
一応肯定はしたが、実はちっとも寒くない。というのも、兄貴の手が俺の手を握って離さないからだ。周囲からの視線が痛い。照れくさすぎて全身ぽっかぽかになっちまっている俺とは対象的に、兄貴はいつも通りの涼し気な表情で隣を歩いている。
誰かに手を引いて歩いてもらうなんて事にはまだ全然慣れなくて。でもこの手を離そうだなんてこれっぽっちも思わないのは、兄貴の言う「兄弟なんですから」という言葉に甘えちまってる証拠だ。兄貴の言動に甘えて、ぜんぶ兄貴のせいにしている狡い俺を、兄貴は許してくれるだろうか。【了】
僕の愛する弟は、自分の事が嫌いで仕方がないらしい。
「どうして? こんなに可愛いのに」
そう訊ねてみても、彼は少し驚いたような表情をしたあとに、全てを諦めた溜息をつくだけ。自分の魅力に目を向けられず悲嘆にくれる弟を励ましたい一心で、僕はひと肌脱ぐことにした。ほんの少し照れもあるが、背に腹はかえられない。
「ウンガロ、君はなんて素敵なんだろう」
言えば、いつものように溜息をつこうとするので、指を彼の唇に押し当てる。
「まずスタイルがいい。適度に筋肉質だし手足も長い。たまに見せてくれるおへそも本当に可愛いよ。君が一番コンプレックスを感じている顔だって、愛嬌があっていいじゃあないか。特にその瞳。見る角度によって色が変化して実に美しい。視線があったら、もう逃げられないとさえ思うよ」
ここまで言ったところではたと気づく。ウンガロは耳まで赤くして、いつも被っているニット帽を目元までずり下げていた。
「……そういう照れ屋さんなところも可愛くて仕方がない」
正直に言ったらこぶしが飛んできたので軽く避けておいた。
【了】
