murmur

アウトサイダーと救世主

2025/07/28 04:00
ギルティ
人間に創られたが故に人間社会に溶け込む事は出来ないし、人間だらけの世界で物理的にも精神的にも一人で生きていくことなんて出来ない。人間でもギアでも(ロボでも)ない、根本からあぶれてしまっている宙ぶらりんな存在。誰かと一緒に居て、自分の存在を肯定したいのなら、お互いしかいない。でも打算的な冷めた関係ではなく、より切実で悲痛でさえあるような、お互いに「あなただけ」な閉じた世界。と見せかけて旦那はそこら辺全拒否だから面白い。ロボカイもそうだけど、いくらでも暗くできそうな設定なのに超イロモノでギャグ担当なのは切ないけど微笑ましい気もする。


アバちゃんの「パラケルスはパラケルス。斧じゃなくて鍵なの」っていう思い込みに救われているのは、むしろパラケルスの方だと思う。「人を殺めるを生業とする斧」なんて、終戦後の表向き平和な世界には不要な存在で、本来ならスレイヤーさんの言ったとおりの末路を辿る運命しか残されてなかったはず。そんな、血塗れの戦場でしか生きられない闘斧『フラメントナーゲル』に、新しい世に生きるための『鍵』という平和な役割を与えてくれたのがアバちゃんなんだよ。そりゃそれまで築き上げてきた戦闘狂という自己をバキバキにぶっ壊される訳だから受け入れられないのも分かるけど、変わらなきゃ生きる事が許されない、人間にとって危険な存在なのは確かな訳で。何よりアバちゃんは、誰かの人生を終わらせる事が存在理由だった彼に、1人の少女の未来を拓くことが出来る、有り体に言えば「誰かの為になれる」んだって示してくれたことがとても重要なんだと思う。その誰かの為になれる事に少なからず喜びを得られるという人間性を育んでくれたのもアバちゃんなんだと思ったらもう、救世主もいいとこだ。

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