murmur

『白痴』の最期

2025/07/23 18:55
脱色
白痴キルゲさんが迎えるかも知れないエンドを今できる範囲の妄想で書き出してみました。もしかするともうちょっと増えるかも。メリバとか。……増えないかも。白痴を読まないと何が何やらだと思います。


通常(バッド)END:
一護ちゃん目線。数カ月後、衰弱し続けた結果、眠るように息を引き取るキルゲさん。
最期キルゲさんが一護ちゃんの名を声にならない声で呼ぶ。一護ちゃんはキルゲさんの手を握って「逝かないでくれ」と切願するけど、朦朧としているキルゲさんが「いちご……食べた、ぃ……です」と一生懸命に囁くものだから、季節外れだろうが構わず叶えてあげたくて「……分かった、待ってろよ。絶対だぞ……!」と言って後ろ髪をひかれる思いで一時退室してしまう。そんな一護ちゃんのひたむきな背中をもう殆ど見えていない目で嬉しげに微笑み見送って、少し疲れた気がしたから目を閉じて、そのまま……。苺を携えた一護ちゃんが息せき切って戻ってくると、眠るように亡くなっているキルゲさんがベッドに横たわっていて、すべてを悟る一護ちゃん。ベッドのそばに崩れ落ちて、持ってきた苺をひと粒口に含むと、キルゲさんといっしょに「うめぇな」「おいしぃ、ですっ」て仲良く食べた記憶が蘇ってきて、苺を咀嚼しながら「……ッやっぱ季節外れだな、なんかしょっぺえや」と泣き笑いの表情をキルゲさんに向けるけど、もうキルゲさんは何も答えてくれない。微笑み返してくれない。その事実に打ちのめされて慟哭する一護ちゃん。

ハッピー(?)END:
一護ちゃん目線。衰弱したキルゲさんが、最期の力を振り絞って空中に手を伸ばす。何かを追い求めるような、差し伸べられた誰かの手を取るようなその仕草に、一護ちゃんは悲しみとともに少しだけ微笑う。だってキルゲさんがとても嬉しそうだから。最終的に選ばれたのは自分ではなかったことが、むしろ安心材料となって涙が溢れて止まらなくなる。これからこいつはこいつを待ってくれていた人たちのところに逝くんだ、と自分に言い聞かせて無理矢理笑みを作る。薄っすらと開いていたキルゲさんの瞼が閉ざされ、腕がベッドに落ちる。嗚呼、逝ったんだな、みんなの処へ。毛布をきちんと直してあげてから、部屋をあとにする。その時ふと部屋を振り返ると、おもちゃ箱や本棚に詰め込まれた絵本、教本の数々、試行錯誤を繰り返した食卓なんかに目移りして思い出が溢れてきて泣き崩れる。
舌足らずにだいじょうぶと言って抱きしめてくれるキルゲさんは、もう、いない。

トゥルーEND:
キルゲさん目線。身体が重い。ものすごく眠たい。でもがんばらなきゃ。いちごが泣いてる。その涙を拭ってあげたい。どうして泣いてるのかは判らないけど、いちごがかなしむところは見たくない。……腕が持ち上がらない。ここ最近ずっとこんな感じで、いちごへのご奉仕もろくにできていない。捨てられてしまうことよりも、いちごがつらいほうがかなしい。だからがんばって、こちらをのぞきこんでいるいちごの目元を人差し指の背で拭ってあげる。目を丸くしたいちごがもっと泣いてしまった。いくつもいくつもこぼれて止まないその雫を拭い続けてあげたいけれど、身体が重い。ものすごく眠たい。いちごがキスをおでこにしてくれる。おやすみ、の合図だ。何処からか懐かしい声が聴こえる。返事をしたいけど声も出すのも億劫だから、ほんの少しだけ休んでからお返事しよう。いちご、いちご。おやすみなさい。またあした。

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