「団長、ではこれで」
「リアラ、今日も好評だったよ！
君とナイツはうちのサーカスの
メインだ！！」



リアラとナイツがコールマフィー・サーカスの
メインパフォーマーとなり
現実世界にも慣れてきた
帰路についているとふと
通りすがった教会の前で
足を止め‥リアラは降ってきた白い雪を見上げて
はぁっ、と白い息を吐いた。



「……ん」



通知音が鳴り、メッセージアプリを
見てみるとそこにはナイツからの
メッセージがあった
妻となったルアと共に写った
写真付きの…




「ナイツはルアと結婚した…」



つい最近、ナイツはルアと結婚した
タキシードに身を包み
ウェディングドレスに身を包んだ
二人の姿はそれは美しく
そして、羨ましく思った
‥先を越された、と




「‥‥‥よし」




鞄から何度も読み返した結婚雑誌
その雑誌を見て、リアラは
顔を上げて決意した顔をすると
アイに電話をかけた。



「‥‥」



コールが2回なり、アイが
明るいいつもの声でリアラの電話に出た。




『もしもーし！リアラ！お仕事終わったの？
お疲れ様ー！！』
「ありがとう、アイ
‥‥あの‥‥迷惑でなければ‥なんだが」
『ん？』




夜に迷惑だろうか、と
躊躇しながらも
リアラはアイに話す。




「‥‥‥今から会いたい」
『え？』
「今から会いたい‥‥教会の前で
待ち合わせしないか」




アイは少し
悩むと‥‥電話先で頷いた。




『うん、今から行くね！』
「‥待ってるよ」




アイの返事を聞いたリアラは
柔らかな表情を浮かべて微笑み
電話を切り教会の壁に背を預けて
彼女を待った。