三兄弟の過去、土蜘蛛の過去の巻

「友よ、頼りにしているぞ
共に平和を守ろう!」



ヒーロー星へ向かう飛田速男くんの中では‥
友情マンが土蜘蛛の手を取り
共に戦おう、と来てくれたことを感謝していた
‥一方土蜘蛛はその手を振り払うと
その琥珀色の瞳を鋭くさせた。



「‥吾輩はまだお主らを完全に信用しておらぬ
吾輩がお主らの元に着いたのも…
会長を守るというヒーローとしての
義務の為だ」
「「‥」」
「話してくれぬか、努力と何があったか
でなければ吾輩はお主らを信用出来ぬ
何があった」




土蜘蛛の言葉に友情マンと勝利マンは
目を合わせ合い、こくりと頷くと
土蜘蛛に向き直った。





「‥まず、あなたが努力の師で本当に
良かったと思っています‥
話しましょう、私たちの過去を‥」




友情マンはぽつ、ぽつと語り出した‥

父と母が死んでから
昔はガンバル星で3人暮らしていたこと

父は凶悪な宇宙人に殺されたこと

その母が亡くなる前に
「努力だけはヒーローにしないでくれ」
と勝利に頼んだこと

そして努力がヒーローになりたいと懇願し
その努力がヒーローになれる権利を得てしまった事

そして母の願いを叶えるために‥



努力に冤罪をかけて、無理やり
ヒーローになる権利を奪ったこと‥





「‥‥‥」
「これを聞いても貴方は
私たちを信用できますか」
「‥‥‥できる」




こくり、と土蜘蛛は頷くと語り出した




「まず、幼い努力が父の事を知れば
未熟なまま相手に突っ込んでいき
父の二の舞になっていたであろう
‥幼い弟には平和に過ごして欲しい
その願い、吾輩も同感できる」





そう返すと土蜘蛛は窓の外から見える
宇宙を眺めて、寂しげな表情を浮かべながら
語り出した。





「‥‥そうさな、吾輩も恨みを持たれてでも
いいから”あいつ”だけでも逃がしてやればよかった」

「「‥あいつ?」」





土蜘蛛は友情マンと勝利マンに
向くと今度は自分が、と語り出した。





「今度は吾輩の話を聞いてくれぬか」
1/2ページ
スキ