ヒーロー協会会長の危機の巻

「というわけで絶対負けない俺がお前の
実力とラッキーを試してその強さが本物
であればヒーロー星に連れていくことになっていたのだ…」
「そしてあなたは本当に強かった!!」
「でも俺が勝つけどな!!」
「お主は言っても聞かぬな」




わかったわかったお前が勝った、と
軽くいなして頷いていると
友情マンが土蜘蛛の手を握った。




「我が友ラッキーマン!宇宙の平和のために力を貸してくれますね!?当然だよね友達なんだから!!」
「…ぬぅ」




話を聞く限り話が本当ならば
一刻も早く行かねばならないのだが…と
悩む土蜘蛛の耳に努力の声が聞こえた。




「副会長が殺されたってことは…この任務に
成功すれば兄さん達が副会長に昇進って事ですか?」

「「どっきーん!!」」




努力の言葉を聞いた2人が
汗をダラダラ垂らして飛び上がるのを
見て土蜘蛛は疑い始めた。




「そ、それはどうかな〜?」
「ねーっ」
「あなた達はそういう人だ…」
「……もしや、出世目当ての虚言か?
吾輩を騙したか…」
「「違う違う!!」」




怪し見だした土蜘蛛の瞳に
気がついた2人はこれはやばい、と
汗を垂らしながら否定したが
努力の言葉は続く




「師匠、兄さんたちの出世のために力を貸すことなんてないですよ」
「…う…む…?」
「いい加減にしろ努力!!我々が会長を守らなければヒーロー協会も我々ヒーローも終わりなのだ!!だとしたら宇宙の秩序は誰が守る!!」

「そ、そんなの私と師匠の二人でやって見せる!!会長の命も2人で守る!!」




努力の言葉に友情マンと
勝利マンは腹を抱えて
爆笑しだした。





「ハッハッハッハ!!半人前のお前に何が出来る!!」
「っ、僕はもう昔の僕じゃない!!努力して強くなったんだ!!兄さんたちにも勝てるさ!!」
「何を!?聞き捨てならねぇ変身してかかってこい!!」
「おい、喧嘩はよさんか
ヒーローの拠点で起こっておる事が
誠の話ならば時間の無駄となる」

「師匠!!私とこの兄たちの
どちらと行くか選んでください!!」
「な」




また喧嘩か、と呆れつつも土蜘蛛は
間に入り喧嘩を仲裁した
すると今度は土蜘蛛に白羽の矢がたった。
なぜいきなり、とぽかんとしていると
友情マンと勝利マンが土蜘蛛の目の前に来た。




「そりゃーとっても強くて!!」
「友達の我々ですよね!?」
「さー師匠!!」
「友よ!!」
「この争奪にも負けねぇぜ!!」

「………………むぅ…………」





土蜘蛛は深く悩んだ。
ヒーロー協会で起こっていることが
本当ならば早くヒーロー星に行かねばならない
と、すれば命令されて直ぐに来た
友情マンと勝利マンの方に
着けば恐らくは直ぐにヒーロー星に着く…
だが努力の味方をしたい思いもあり…




「ぬ…ぬうぅぅぅ………」




悩みに悩み………土蜘蛛は
こくり、とうなずくと
友情マンと勝利マンの方を向いた




「良かろう、友情マンに勝利マンよ
吾輩をヒーロー星に連れていけ」
「「よっしゃ!!」」
「そんな!?」
「だが」




土蜘蛛の言葉に一瞬湧き上がった
2人だが土蜘蛛の「だが 」の言葉に
土蜘蛛の方を見る。




「吾輩はあくまで努力の肩を持つつもりだ
お主ら兄弟の仲に何があったかは知らぬが
努力は吾輩と共に地球を守ってきた戦友
であり弟子、友に戦いを乗り越えてきた友だ
勘違いをするでないぞ
あくまでも宇宙の危機であると
言うから共に行動をするだけだ」
「…師匠…!!」





土蜘蛛の言葉に努力は滝のように
涙を流して感動しており
友情マンと勝利マンは驚いた顔をすると…





「(…ん?)」




一瞬だが、共に目を合わせあい
心から安心した様な…
しかしどこか嬉しそうな表情をしていた
土蜘蛛はそんな様子に首を傾げたが
そんな表情を浮かべたのもつかの間
友情マンが電話を取りだして電話をしだした。




「よーし時間もないし直ぐに出発しよう!!
ちょっと友達呼ぶから待っててね!!」
「…おう」




二人の謎の表情に謎を抱きつつも
土蜘蛛は先にヒーロー星に行く事となった。
そして友情マンの友人の飛田速男くんが
来ると土蜘蛛は努力に小声で返した。





「先へゆく」
「!はい!!」




土蜘蛛の声を聞いた努力は
力強く頷き、土蜘蛛が乗った
宇宙船を見届けると
宇宙船を探すために走り出した…
2/2ページ
スキ