芸術星人の巻

「洋ちゃん招待状来てるわよー!」
「招待状‥‥一体何だ?」



土蜘蛛が母親から招待状を
受け取って見てみると‥
「不細工です代ピアノ発表会」
と書かれていた。
土蜘蛛はなんだこれと顔を顰めながら
招待状をみる‥




「‥プレゼントを持ってこいというのが
がめついな」



だが貰ったのならば仕方ない
行くか、と土蜘蛛はでかいため息を1つ
して部屋を見渡し‥引き出しの中にあった
シンプルな小物入れを手に取った。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

そして当日、待ち合わせ場所へ行くと
いつものメンバーが揃っており
その1人の努力が土蜘蛛に手を振る



「師匠!」
「お主柔道服以外の服は
持っておらぬのか?」
「ダメでしょうか?」



そう話しているとリムジンが目の前に止まり
中からオールバックの執事が現れた。




「おそろいになりましたね
です代お嬢様お友達ご一行様
それでは車にお乗り下さい」
「お、お嬢様…とな?」




困惑しながら車に乗ってです代家に向かう。
そして少しの間乗っていると…
なんとも大きな屋敷へとたどり着き
その中のドームの前へと止まった。
中へ入るなり執事に「です代家は
埼玉のほとんどを敷地として持っている
金持ち」だと説明した。




「(なんとまぁとんでもない金持ちであるか…)」




スケールのでかい金持ちさに土蜘蛛らは
辺りを見回しながら執事に案内され
席に案内された。




「さぁ〜どうぞ…」
「す、すげーッ…!」
「(このステージで目立ってみたい!!)」





東京ドームと同じくらいに大きなドームの
1番前に案内されて少しして
白いドレスに身を包んだです代が現れ
ひとつお辞儀をするとピアノの前に座り
演奏を始めた…そして演奏が始まると
土蜘蛛は何も考えられなかった




……………………………………………………………




「ここまでの才能があったとは、見事!!」



90分に及ぶ演奏が終わると土蜘蛛は
思わず涙を指で拭いながら拍手を
です代に送った。
これならば今からでもプロになれると
思いながらアンコールを待っていると…



ドカァン!!




「!?何事だ!」
「我々はピカソ星から来た芸術星人だ!!」
「……またか」




だいたいこういう時に宇宙人が現れるのは
何故だと土蜘蛛は大きなため息をついた。





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