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ある冬の夜。ジェイクとアントンはともに同じベッドに入って抱き合うように身を寄せ合って、眠りに就こうとしていた。
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ジェイク
外は寒いけど、アントンとこうしているとあったけえなあ…。
アントンって毛むくじゃらだから普通の猿族の倍あったけえんじゃねえかな。もじゃもじゃする。 -
ジェイク
しかしアントンってでっけえよな…。俺より一回り身体がでけえからな。
こうやって抱きしめられてると、包まれてる感じがして落ち着く…。
やっぱり俺、アントンがいねえと生きていけねえよ。この安心感。 -
ジェイク
アントンって最初はおどおどして男らしくねえと思ったけど、慣れてきたら普通に男としてカッコイイんだよな。顔もイケメンなのはあれとしても、趣味とかふとした仕草とか、考え方とか、端々に男らしさあって、普通にかっこいいんだよなあ…。
アントン。好きだなあ…。 -
アントン
ジェイク、暖かいなあ…。大きな猫…。やっぱり猫族って可愛いよなあ。ジェイクの、この、猫の匂い。落ち着く…。
髪も猫っ毛で肌触りいいし。ああ、可愛いなあ…。 -
アントン
ジェイクの猫耳も大きくて可愛いんだよな。食べてしまいたい。
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アントンは不意にジェイクの耳を唇で食んだ。ひんやりしていてコリコリしている薄い猫耳は、短い毛におおわれている。
ジェイクは無意識に食まれた耳をブルっと振って、アントンの唇を振りほどいた。 -
アントン
あ、ごめんなさい、ジェイク。嫌でしたか?
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ジェイク
今なにしたの?
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アントン
ジェイクの耳が可愛いので食んでしまいました。
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ジェイク
やめろよ。耳は敏感なんだ。
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アントン
これも嫌ですか?
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アントンはジェイクの耳にふーっと息を吹き込んだ。ジェイクはたまらず耳をブルブルっと振る。
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ジェイク
やめろ。耳にふーっとされるの嫌い。
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アントン
すみませんでした。可愛いので、つい。
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ジェイク
可愛いってお前。俺は猫じゃねーぞ。
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アントン
ふふ。そうですね。すみません。
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アントン
ジェイクのことが、大好きなもので。つい、悪戯したくなります。
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ジェイク
やめろ。怒るぞ。
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アントン
ふふ。怒ってもジェイクは可愛いです。……大好きです。
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ジェイク
早く寝ろ。
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アントン
おやすみなさい。
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ジェイク
おやすみ。
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ジェイク
馬鹿野郎。また俺を猫扱いして…。
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ジェイク
でもまあ、いいや。アントンに猫扱いされるなら、いいや……。
寝よ……。 -
ジェイク
くかー。くかー。
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アントン
眠っちゃったか……。
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アントン
大好きですよ、ジェイク。
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