-
ある日の晩餐。魔王とスミレはあまりなじみのない肉を出されて困惑していた。
-
スミレ
これなんの肉?
-
スミレ
変な肉じゃないだろうな
-
魔王
鹿の肉だって
-
スミレ
鹿か。しかし焼き方下手だな。やたら固いぞ
-
魔王
全くだ。飲み込むタイミングがわからない
-
スミレ
まあ旨いけど
-
魔王
そうかな。これに比べたら人間の肉の方が好きかな
-
スミレ
!!!???
-
またある日の夜…
-
魔王がスミレに近づいて、しきりに匂いを嗅いでくる。
-
魔王
くんくん
-
スミレ
なにくんくんしてるんだ。やめろ恥ずかしい
-
魔王
スミレはいい匂いがする。なんでだろう
-
スミレ
香水かな。香り袋かな
-
魔王
違う。なんか美味そうな匂いがする🤤
-
スミレ
え!ついにわたし喰われるの!?
-
-
またある日はこんなことが…
-
スミレ
魔界に行ったらお母上にお会いしたぞ。お前、昔はそんなに人間嫌いだったのか?
-
魔王
ああ、それたぶん食材として言ってるな。あの人は結構人間食うんだ
-
スミレ
ひっ…!そうなのか?合点がいった。私を熟れた果物はどれか見定めるような目で見るからな
-
魔王
魔界に行くときは気を付けろよ。魔界ではお前は屠殺場の豚に等しいからな。そのつもりでいることだ
-
またある日はこんなことも
-
スミレ
魔王!愛してくれ!
-
魔王
おーよしよし
-
スミレ
なんか魔王っていつも無表情でドライだよな。もっと情熱的に攻めてこいよ
-
魔王
そんなことないぞ。情熱的だぞ
-
スミレ
いつもわたしばかりがっついてるような気がする
-
魔王
だって私から行くとスミレ嫌がるし
-
スミレ
そんなことないぞ!もっと来いよ!かまん!
-
魔王
でも私が本気で情熱的になったらスミレ死ぬぞ
-
スミレ
えっ
-
魔王
私は本気出したら人間を生きたまま食べるからな
-
スミレ
またまたー。人間の肉嫌いなくせにー
-
魔王
いや、スミレの肉は食べてみたいぞ
-
スミレ
…
-
桃をもらいました
-
人間界の領民から桃を献上された魔王たち。
-
魔王
ほう…村人からの献上品か。よかろう。夕食にいただこう。切り分けておけ
-
スミレ
チッチッチ、桃に対する礼儀がなってないな魔王。こういうものはその場でかぶりつくのが一番うめぇんだ。見てろ。ブシャブシャブシャー!
-
魔王
スミレ、はしたないぞ
-
スミレ
お前もやってみろって!
-
魔王
えー?こう?ブシュブシュ……。ん!ごくり、これは!
-
スミレ
な?美味いだろ?
-
侍従たち
魔王様、はしたないですよ!
-
魔王
待て皆の者。この食感……人間の丸かじりに超似てる!
-
侍従たち
え!誠ですか?
-
魔王
ちょっとスミレ、試しにかじらせて。食べ比べてみたい。ちょっと肩口辺りかじらせて
-
スミレ
何言ってんだこのクソモンスター!洒落になんねーよ!
-
魔王
ちょっとでいい、すぐ治す!
-
スミレ
ぎゃーっ!来ないで人喰い鬼!
-
果たしてスミレは魔族たちに食べられることなく生き延びられるのか?!
-
おわり!
タップで続きを読む