時の飛礫

時間が!
時間が吹雪の飛礫のように俺を強か責め立てる!
大雨の後の濁流のように
猛スピードで押し流され
鯉のように遡る力は俺にはない

思い出の品々
記憶が時間を連れて俺の顔を強か殴る!
ああ、ああ、開けた俺が悪かった!
お前を閉じ込めておきながら
いまさら浸ろうなんて虫がよすぎたか?

時間恐怖が俺に倍速で走れと足かせをつける
足かせはジャラジャラ増えてゆき
膝をついて倒れても
時間恐怖が俺に倍速で走れと鞭を打つ
足など上がらない

未来が!
絶望に満ちた未来がフルスクリーンで降り注ぐ!
俺は天涯孤独で
後悔に身を拘束されていて
今やらなければ間に合わない
そう遠くない未来だと時は告げる

時間恐怖が俺に倍速で走れと足かせをつける
記憶は俺を殴り
未来は俺を急かし
流れる時間の飛礫は濁流に飲まれ
時間恐怖が俺に倍速で走れと鞭を打つ
手足はちぎれそうで
頭はひび割れた
中身が零れている

未開封の手紙に気付いた
日付は半年前で
埃をかぶっていた
忘れていたわけじゃない

ああ、弾丸を込める音がする
封を開けたら俺は撃たれるだろう
時間恐怖が俺の命を狙っている
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