時の飛礫

無音空間は耐え難い
退屈嫌いな俺の脳が
幻の音を喧しく打ち鳴らす

誰とも口をきかない日は耐え難い
退屈嫌いな俺の脳が
ありもしない嘲笑 抽象 捏造する

代わり映えのない風景は耐え難い
退屈嫌いな俺の脳が
強烈な映画をどっかから拾ってきて上映し始めるんだ

不快なものばかり大好きな俺の脳細胞
俺の自我とは相容れない

だから多分俺が粗暴なのは俺の本心なんかじゃない
己の生まれ落ちた器との戦い故だ
俺はきっとこの肉体に宿るべきじゃなかったんだ

この幻を消す方法を
この脳細胞を黙らせる方法を
誰か教えてくれ

粗暴なのは俺なんかじゃない
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