第一章 奇跡使いと言霊使い
昼間はというと、テンパランスの屋敷では奇跡の小瓶を精製していたが、ミルドレッドの屋敷では卵ぐらいの大きさの小さなぬいぐるみを作っていた。古霊の名前を書いた小さな紙を、そのぬいぐるみの中に入れて、綿を詰めて縫い閉じる。日がな一日暇さえあれば、そのぬいぐるみと、古霊の名前の紙を作り続ける。
ケフィは慣れない針仕事に、何度も針で指を刺した。
「あ痛!また刺しちゃった……」
「もう~、大丈夫ケフィ?焦らないで丁寧に縫えばいいのよ」
「すみません、大丈夫です……」
エラとニナが手とり足とりぬいぐるみ作りを教えてくれる。ベルはただ無言で小さな紙片に古霊の名前を書き続けていた。
可愛いぬいぐるみを作るというのがまた、女性の宗教らしいなとケフィは思った。
そんなことをしていると、ミルドレッドの屋敷に来客があった。
ビシッとスーツを着込んだ、お金持ちそうな中年男性が数人。
なぜかガイも一緒にやってきて、ミルドレッドの応接室に入っていく。
ガイは時々この屋敷にやってきてはミルドレッドと何か話したり遊んだりしていくが、一体何者なのだろうといつも思う。
来客が小一時間ミルドレッドの部屋で何か話し合っていると、ぞろぞろと帰っていった。ガイもお客にくっついて帰っていく。
すると、作業場で手芸をする弟子たちの元へミルドレッドがやってきて、声をかけた。
「エラ、ニナ、それからケフィ、あんたも、いい経験だからついていきなさい。仕事が入ったわ。今回は簡単だからあんたたち三人で行ってもらいます。いいわね」
エラとニナは急に厳しい顔つきになり、「はい!」と返事した。
「仕事って……どんなことをするんですか?」
ミルドレッドは厳しい顔つきで応えた。
「殺しよ」
ケフィは慣れない針仕事に、何度も針で指を刺した。
「あ痛!また刺しちゃった……」
「もう~、大丈夫ケフィ?焦らないで丁寧に縫えばいいのよ」
「すみません、大丈夫です……」
エラとニナが手とり足とりぬいぐるみ作りを教えてくれる。ベルはただ無言で小さな紙片に古霊の名前を書き続けていた。
可愛いぬいぐるみを作るというのがまた、女性の宗教らしいなとケフィは思った。
そんなことをしていると、ミルドレッドの屋敷に来客があった。
ビシッとスーツを着込んだ、お金持ちそうな中年男性が数人。
なぜかガイも一緒にやってきて、ミルドレッドの応接室に入っていく。
ガイは時々この屋敷にやってきてはミルドレッドと何か話したり遊んだりしていくが、一体何者なのだろうといつも思う。
来客が小一時間ミルドレッドの部屋で何か話し合っていると、ぞろぞろと帰っていった。ガイもお客にくっついて帰っていく。
すると、作業場で手芸をする弟子たちの元へミルドレッドがやってきて、声をかけた。
「エラ、ニナ、それからケフィ、あんたも、いい経験だからついていきなさい。仕事が入ったわ。今回は簡単だからあんたたち三人で行ってもらいます。いいわね」
エラとニナは急に厳しい顔つきになり、「はい!」と返事した。
「仕事って……どんなことをするんですか?」
ミルドレッドは厳しい顔つきで応えた。
「殺しよ」