水になったボア

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「僕は死んでしまうのか」ボアは思いました。
そして、あの湖にいた女性のことを考えていました。

「死ぬ前に、一度でいいからお話がしてみたかったな」

「でも僕は、こんな緑色の体をしているから、きっと嫌がられるだろうな」

「ああ、それでも、せめてもう一度、あの笑顔が見たかった……」

そして、最期の最期まで、ボアはあの女性の笑顔を思い浮かべていました。
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