第二十四話 ロゼッタの誕生日

 さて、次はプレゼントのお披露目だ。ジェイクからはお人形サイズのおままごとセットが贈られた。
「何がいいか分かんねえからよ、モモに聞いて買ってきたわ!」
「ありがとうジェイク!ジェイディーと一緒に遊べるよ!学校の友達にも自慢する!」
 お次はアントン。彼はいつもハーフアップにしているロゼッタのために、王冠型の銀細工のバレッタを贈った。
「いつもシンプルなバレッタをしているから、こういうの好きかどうかわからないけれど」
 ロゼッタは女扱いもデリカシーも経験値ゼロと見くびっていたアントンにしてはセンスのいいプレゼントに、ちょっとだけ彼を見直した。
「あ……ありがとう。こんなに綺麗なものくれるなんて。見直したわ」
「ロゼッタはいつもちょっと偉いんだよなあ~!」
 一同はそのやり取りにどっと笑った。
「俺からは冒険先で見つけた宝石を贈るぜ。価値は定かじゃないが、磨いてある分綺麗に見えるだろう?」
 と、手のひらサイズの緑色の石を小箱に収めて手渡すアンダース。光に透かすと濁ってはいるものの光が透けて見え、緑色に輝いた。
「えっ、これ、絶対高いよ!ありがとう!宝箱に仕舞うね!」
「その宝箱の鍵をヨッケが開けて盗まれないように気を付けろよ!鍵屋は宝箱大好きだからな!」
「ぬっ、盗まねえよ!」
 再び笑いが起こる。その後アリィはお菓子の詰め合わせ、マリアは手鏡をプレゼントし、終始和やかな空気に包まれていた。
「さて、ヨッケのプレゼントは何かな?」
 アリィはにやにやとヨッケのプレゼントを冷やかした。アリィは何か知っている雰囲気だ。
「……こ、これ。冒険で見つけたんだけど、俺使わないから、あげる」
 小さな小箱に入っていたのは。
「……指輪?」
「嵌めてやれ!ヨッケ!」
 アンダースが煽ると、「だ、誰が!そんなんじゃねーし!」とムキになるヨッケ。
 ロゼッタが恐る恐る人差し指に嵌めてみると……指輪はブカブカだった。
「大きすぎる」
「ちょっと大人向けだったみたいね。じゃあ、これをあげるわ」
 マリアが気を利かせて自分の金のネックレスを外し、指輪を通してロゼッタに掛けてやる。ロゼッタは急にネックレスのプレゼントが増えて恐縮した。
「え、マリアさんこのネックレス、良いの?」
「あげるわ。今日の記念に」
「ありがとうマリアさん」
 そして、滑りそうだったヨッケのプレゼントはマリアのナイスアシストで無事にロゼッタに手渡された。
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