第十七話 ジェイクの誕生日
その日の夜、ジェイクはロゼッタにも誕生日の話を伝え、ジェイクバースデー争奪戦の火蓋が切られた。
ロゼッタはこの点策士だった。ジェイクの喜びそうなものをジェイクの知り合いにリサーチして回ったのだ。小学生とはいえ、女子だ。友達の誕生プレゼント選びはお手の物である。さらに今のロゼッタは冒険者レンタルで給料を手に入れているため、子供にしては破格の金持ちである。愛するジェイクのために惜しげもなく財力を使えるのである。
ロゼッタは商店街の人たちからジェイクの好きなものをリサーチし、リストアップしていった。
やがてモモのところにもやってきて、モモにジェイクへのプレゼントを相談する。
「ねえモモさん、ジェイクって、誕生プレゼント何喜ぶと思う?」
「うーん、そうだなあ。お小遣いはいくら持ってるの?」
「六〇ファルスぐらい?」
「ろ、六〇?!随分持ってるんだね!」
「働いてるから……」
「あ、じゃあ、この前商店街でこんなもの見つけたんだ。仕事終わったらボクと一緒に選びに行こう?」
「いいの?ありがとうモモさん!」
モモはロゼッタを商店街のとある店に連れて行き、一緒にプレゼント選びをした。そのことをロゼッタはアントンに自慢げに語る。
「モモさんにジェイクへのプレゼント選んでもらったんだあ!いいでしょ。アントンには負けないすっごい良いもの選んだんだよ!」
衝撃だった。確かに、自分一人でプレゼントを選ぶには限界がある。相談すればよかったのだという根本的な解決方法を知り、人間関係構築経験ゼロのアントンはロゼッタから学習した。
「フフフ……そう……そうか……。負けないよ、ロゼッタ」
早速アントンは翌日モモに相談に行った。
「モモさん、ジェイクの誕生プレゼント、何がいいと思います?」
二日連続でプレゼント選びの相談に乗ることになるとは。モモは(ジェイク愛されてるなあ……)と思いながら、アントンに提案した。
「うーん、そうだなあ。ボクならペンダントをプレゼントするかな」
「ペンダント?」
「ジェイク、ペンダントとかウォレットチェーンとか、そういう男っぽいアクセサリー好きなんだよ。集めているみたい。結構その日掛けてるペンダントでゴキゲン具合判るよ」
初耳だった。確かにペンダントが違う日が稀にある。それでバロメーターを知ればいいのか!
「あ、じゃあ、一緒にペンダント選んでもらえますか?」
「いいよ。仕事終わったら選びに行こう?」
アントンは「今度こそは勝った」と確信を持った。
競い合うようにジェイクのプレゼントを選ぶロゼッタとアントンを見て、モモは心なしかほっとした。ジェイクを好きにならなくて済む理由は、これかもしれない。
(ボクはやっぱり、ジェイクを好きになっちゃいけないんだ)
ロゼッタはこの点策士だった。ジェイクの喜びそうなものをジェイクの知り合いにリサーチして回ったのだ。小学生とはいえ、女子だ。友達の誕生プレゼント選びはお手の物である。さらに今のロゼッタは冒険者レンタルで給料を手に入れているため、子供にしては破格の金持ちである。愛するジェイクのために惜しげもなく財力を使えるのである。
ロゼッタは商店街の人たちからジェイクの好きなものをリサーチし、リストアップしていった。
やがてモモのところにもやってきて、モモにジェイクへのプレゼントを相談する。
「ねえモモさん、ジェイクって、誕生プレゼント何喜ぶと思う?」
「うーん、そうだなあ。お小遣いはいくら持ってるの?」
「六〇ファルスぐらい?」
「ろ、六〇?!随分持ってるんだね!」
「働いてるから……」
「あ、じゃあ、この前商店街でこんなもの見つけたんだ。仕事終わったらボクと一緒に選びに行こう?」
「いいの?ありがとうモモさん!」
モモはロゼッタを商店街のとある店に連れて行き、一緒にプレゼント選びをした。そのことをロゼッタはアントンに自慢げに語る。
「モモさんにジェイクへのプレゼント選んでもらったんだあ!いいでしょ。アントンには負けないすっごい良いもの選んだんだよ!」
衝撃だった。確かに、自分一人でプレゼントを選ぶには限界がある。相談すればよかったのだという根本的な解決方法を知り、人間関係構築経験ゼロのアントンはロゼッタから学習した。
「フフフ……そう……そうか……。負けないよ、ロゼッタ」
早速アントンは翌日モモに相談に行った。
「モモさん、ジェイクの誕生プレゼント、何がいいと思います?」
二日連続でプレゼント選びの相談に乗ることになるとは。モモは(ジェイク愛されてるなあ……)と思いながら、アントンに提案した。
「うーん、そうだなあ。ボクならペンダントをプレゼントするかな」
「ペンダント?」
「ジェイク、ペンダントとかウォレットチェーンとか、そういう男っぽいアクセサリー好きなんだよ。集めているみたい。結構その日掛けてるペンダントでゴキゲン具合判るよ」
初耳だった。確かにペンダントが違う日が稀にある。それでバロメーターを知ればいいのか!
「あ、じゃあ、一緒にペンダント選んでもらえますか?」
「いいよ。仕事終わったら選びに行こう?」
アントンは「今度こそは勝った」と確信を持った。
競い合うようにジェイクのプレゼントを選ぶロゼッタとアントンを見て、モモは心なしかほっとした。ジェイクを好きにならなくて済む理由は、これかもしれない。
(ボクはやっぱり、ジェイクを好きになっちゃいけないんだ)