第十三話 ロゼッタ貸します(後編)
出立の前の晩の夜、ロゼッタはジェイクから銃のレクチャーを受け、「本当に困った時にだけ使え。困ってないときは何もしないでついて行け。余計な真似はするなよ。この道具は店の金が使われてる備品だからな」と念を押され、数種のマジックアイテムと十数発の魔法弾を手渡された。冒険中の注意事項をジェイクに習い、ノートにメモするロゼッタ。
「お前は俺が一時的に預かってる子供だ。危険な真似はさせられない。絶対に無茶はしないで無事に帰ってこい」
その言葉にロゼッタは愛を感じ、ジェイクの言いつけはしっかり守らなければ、と、不足している記憶力をフルに使ってレクチャー内容を反芻しながら、翌朝、冒険者パーティーのクエストについていった。
「改めて自己紹介するよ。俺はアンダース。このパーティーのリーダーで猿族 だ」
長い黒髪を首の後ろでくくった浅黒い肌の大男が名乗った。見るからにパワー系である。
「私は癒しの手のマリア。繊細族 よ。怪我をしたら私に言いなさい」
真っ白な直毛の長い髪と真っ白な肌、赤い目をして黒いローブに身を包んだ女だった。
「俺はアリィ。鬼族 だ。お嬢ちゃんは俺の後ろから離れるなよ。俺が守ってやる」
アンダースの頭一つ分大柄な、まさに鬼そのものな赤い肌の男だった。戦士なのだろう。
「オレはヨッケ。鍵屋だ。妖精族 。よろしくな」
初めて会った時に目が合った少年が名乗った。昨日はフードを被っていたので気が付かなかったが、なるほど耳が大きくとがっている。年齢もロゼッタとそう変わらないという。
「よろしくヨッケ。妖精族仲間だね。鍵屋って何をするの?」
ロゼッタがとりわけヨッケに興味を示したので、彼は耳まで赤くなってそっぽを向いた。
「か……鍵とか、宝箱とか、罠とか外す役……」
「そんな危ないことできるんだ?!すごいね!」
「別にすごかねえよ……」
その様子を見てアンダースは笑った。
「早速ヨッケと仲良くなったみたいだな!ヨッケも隅に置けねえな!よろしくロゼッタ!ヨッケをよろしくな!」
「なっ、なんで俺が……!?」
ヨッケはアンダースにからかわれますます顔を赤くした。ずっと赤面しているのでまるで赤ら顔がデフォルトのようになっている。
「じゃ、みんなジミーに乗り込め!出発するぞ!」
一行は六輪の蒸気幌自動車 ジミーに乗り込み冒険の旅に出発した。
「お前は俺が一時的に預かってる子供だ。危険な真似はさせられない。絶対に無茶はしないで無事に帰ってこい」
その言葉にロゼッタは愛を感じ、ジェイクの言いつけはしっかり守らなければ、と、不足している記憶力をフルに使ってレクチャー内容を反芻しながら、翌朝、冒険者パーティーのクエストについていった。
「改めて自己紹介するよ。俺はアンダース。このパーティーのリーダーで
長い黒髪を首の後ろでくくった浅黒い肌の大男が名乗った。見るからにパワー系である。
「私は癒しの手のマリア。
真っ白な直毛の長い髪と真っ白な肌、赤い目をして黒いローブに身を包んだ女だった。
「俺はアリィ。
アンダースの頭一つ分大柄な、まさに鬼そのものな赤い肌の男だった。戦士なのだろう。
「オレはヨッケ。鍵屋だ。
初めて会った時に目が合った少年が名乗った。昨日はフードを被っていたので気が付かなかったが、なるほど耳が大きくとがっている。年齢もロゼッタとそう変わらないという。
「よろしくヨッケ。妖精族仲間だね。鍵屋って何をするの?」
ロゼッタがとりわけヨッケに興味を示したので、彼は耳まで赤くなってそっぽを向いた。
「か……鍵とか、宝箱とか、罠とか外す役……」
「そんな危ないことできるんだ?!すごいね!」
「別にすごかねえよ……」
その様子を見てアンダースは笑った。
「早速ヨッケと仲良くなったみたいだな!ヨッケも隅に置けねえな!よろしくロゼッタ!ヨッケをよろしくな!」
「なっ、なんで俺が……!?」
ヨッケはアンダースにからかわれますます顔を赤くした。ずっと赤面しているのでまるで赤ら顔がデフォルトのようになっている。
「じゃ、みんなジミーに乗り込め!出発するぞ!」
一行は六輪の