第九話 仲良しクッキング
とは言ったものの、アントンもロゼッタも包丁を握ったこともなければ火を扱ったこともない。味付けなどは全く未知の世界だ。そのためこれまではジェイクが料理を担当していたのだが、二人ともこの家に馴染んできたことだし、そろそろ簡単なものから手伝ってもらわなければ。
メインの料理係はアントンが担当する。包丁の扱い方から魔法コンロの火加減など、何もかもほとんど初めてのアントンにはジェイクが丁寧に指導する。ロゼッタはまだ幼く危なっかしいので、味見や調味料の加減を担当してもらおう。食材カットや火加減など料理の大部分を担当するのももちろん大事だが、味見係は料理のおいしさに関係するので馬鹿にできない役割だ。
「さあ、手を洗って、鍋に水と塩大さじ一杯入れて、火にかけてくれ。湧くまでは強火でいい」
アントンは炎の魔法を使って魔法コンロに火を入れる。そして鍋に水と塩を入れてコンロに掛けた。
「そしてアントンはニンニクを細かく刻む。ロゼッタはでかいボウルにオリーブオイルを入れて、塩と黒コショウを加えてかき混ぜてくれ」
「え?ジェイク、ニンニク食べられるんですか?」
一般常識の一つとして、猫族はニンニク玉ねぎの類が食べられないと聞いたが、ジェイクは大丈夫なのだろうか?
「あ、俺、純血の猫族じゃなくて、猿族入ってるんだよ、半分。だからニンニクも玉ねぎも食えるぞ。今までも普通に食ってただろう?」
そういえば疑問に思ったことがなかった。なるほどと感心しながら、アントンは用心深くにんにくをみじん切りにする。
「にんにくは細かいからな、適当に包丁で叩いていいぜ。ロゼッタ、塩は小さじ一杯かな、三人だから。入れてくれ」
「結構入るんだね」
ロゼッタがオリーブオイルに塩と胡椒を加えて混ぜたものに、アントンが叩いたにんにくのみじん切りを加える。
「次は、ロゼッタ、プランターからバジリコ10枚ほど摘んできて洗ってくれ。アントンはトマトをカットしておく。一口大に」
「バジリコ?!解った!あれを作るのね!」
「バジリコとトマトときたら、あれですね」
アントンが三個のトマトを一口大にカットしているうちに、お湯が沸騰したようである。
「スパゲティーはな、大体このぐらいの太さが一人分だ。欲張ってこれより太くすると食いきれなくて後悔するから気を付けろよ」
ジェイクに指示された分量のスパゲティーを三束鍋に入れる。
「スパゲティーが鍋からはみ出しっぱなしだと燃えるから、素早く無理やり鍋の中に押し込むんだ。鍋の底に麺が張り付いて焦げるから、火は中火にして、時々鍋の中を掻きまわして、底に張り付かないように麵を泳がせるのが大事だぞ」
「はい」
メインの料理係はアントンが担当する。包丁の扱い方から魔法コンロの火加減など、何もかもほとんど初めてのアントンにはジェイクが丁寧に指導する。ロゼッタはまだ幼く危なっかしいので、味見や調味料の加減を担当してもらおう。食材カットや火加減など料理の大部分を担当するのももちろん大事だが、味見係は料理のおいしさに関係するので馬鹿にできない役割だ。
「さあ、手を洗って、鍋に水と塩大さじ一杯入れて、火にかけてくれ。湧くまでは強火でいい」
アントンは炎の魔法を使って魔法コンロに火を入れる。そして鍋に水と塩を入れてコンロに掛けた。
「そしてアントンはニンニクを細かく刻む。ロゼッタはでかいボウルにオリーブオイルを入れて、塩と黒コショウを加えてかき混ぜてくれ」
「え?ジェイク、ニンニク食べられるんですか?」
一般常識の一つとして、猫族はニンニク玉ねぎの類が食べられないと聞いたが、ジェイクは大丈夫なのだろうか?
「あ、俺、純血の猫族じゃなくて、猿族入ってるんだよ、半分。だからニンニクも玉ねぎも食えるぞ。今までも普通に食ってただろう?」
そういえば疑問に思ったことがなかった。なるほどと感心しながら、アントンは用心深くにんにくをみじん切りにする。
「にんにくは細かいからな、適当に包丁で叩いていいぜ。ロゼッタ、塩は小さじ一杯かな、三人だから。入れてくれ」
「結構入るんだね」
ロゼッタがオリーブオイルに塩と胡椒を加えて混ぜたものに、アントンが叩いたにんにくのみじん切りを加える。
「次は、ロゼッタ、プランターからバジリコ10枚ほど摘んできて洗ってくれ。アントンはトマトをカットしておく。一口大に」
「バジリコ?!解った!あれを作るのね!」
「バジリコとトマトときたら、あれですね」
アントンが三個のトマトを一口大にカットしているうちに、お湯が沸騰したようである。
「スパゲティーはな、大体このぐらいの太さが一人分だ。欲張ってこれより太くすると食いきれなくて後悔するから気を付けろよ」
ジェイクに指示された分量のスパゲティーを三束鍋に入れる。
「スパゲティーが鍋からはみ出しっぱなしだと燃えるから、素早く無理やり鍋の中に押し込むんだ。鍋の底に麺が張り付いて焦げるから、火は中火にして、時々鍋の中を掻きまわして、底に張り付かないように麵を泳がせるのが大事だぞ」
「はい」