暗国の杜

骨身に染みる寒さです

こんなに焼けるように暑い夏を課せられたのに
半年後には雪と氷に閉ざされるのです
この星は、住民にとても厳しく当たります
こんな苦しみを課せられるのに
この星は、命を次々産み出します

春が来ても 夏が来ても 秋が近づいても
網膜に焼き付いた雪国の記憶は消えません
すべてを覆い尽くし
すべてを押し潰し
雪が降る記憶は消えません

骨身に染みる寒さです

こんなに麗らかな春を与えてくれるのに
半年後には憂鬱と寂ばくに襲われるのです
この星は、住民に時に優しく接します
こんな優しさに包んでおきながら
この星は、それを根こそぎ奪うのです

春が来ても 夏が来ても 秋が近づいても
網膜に焼き付いた雪国の記憶は消えません
すべてを凍らせて
すべてを閉じ込めて
雪が降る記憶は消えません

骨身に染みる寒さです
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