夢を見る

一点の光もない闇の中で眠り
月明かりを感じて目を覚ます

私はそちらには行けない

おいで迷える人よ
私のランプを持ってゆくがよい

陽が昇ったら迷うことはあるまい
だから私はまた棺の蓋を閉めて眠ろう

一点の光もはいらないよう
ぴったりと蓋を閉じて

最近棺の隙間から光が漏れる
ゴミが挟まったのだろうか?
おそらく歪められたのだ

わが愛用の棺から、昼の光が入り込む
おかげで月明かりを集める頃には眠ってしまうわ

私はそちらへは行けない

迷える人よ
昼の光が私の眠りを妨げる
私のランプは帰ってこない

月の光に用心深く歩め
私のランプを貸そうにも、昼の光で寝不足じゃ

私はそちらの人間ではないのだよ

光り射す棺の隙間を漆喰で埋め
私は眠ろう
昼の光を浴びないように

月の光とランプの明かりで
私は

迷えるもの達よ
このランプを持って行くがよい

陽が昇れば必要なくなるだろう

また今夜月明かりの下で

おいで迷える人よ
棺の隙間を埋めたから

私は闇のなかに帰るよ
3/8ページ
スキ