赤の門

ああ この高鳴る心臓を取り出して
氷水に突っ込んで動きを止めたい
ああ 火照る体に風穴開けて
寒風に晒して冷ましたい
体中を巡る血という血から
はやる気持ちを取り除きたい

調子が狂うんだ
俺の視界にあいつがいる

この両目を抉って失明したい
鼓膜を破って聾になりたい
身体の五感を消してしまいたい
いっそ消えてしまいたい

この空間にあいつがいるんだ
どうもダメになっちまう

あいつが笑う
あいつが話す
あいつが歌う
あいつが・・・

生きてて良かったと心から思う
あいつが生きていることも

やっぱり俺 このままでいいや
あいつの前なら馬鹿でいいや
涙流れても馬鹿でいいや
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