【続サクラ花火 其ノ十八】とある俊輔の昔話
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ー…ガシャーン!!!!!!!
「ひっ…あ…朝倉…親瑛…!!」
ー…バキッツ!!!!
........................
「朝倉…お前は何も問題を起こさず登校することは出来んのか!!」
「…。」
「おい!!朝倉!!ちょっと待て!!」
ー…バタン!!
「三年の朝倉親瑛ですか。彼にも困ったもんですねぇ。」
「…坊主のような名前をした鬼ですね、ありゃ。」
当時の親瑛は、その驚異的な喧嘩の強さと近づきづらい風貌で、
喧嘩に窃盗、薬に果ては人身売買までやっている、などとあられもない噂が飛び交っていた。
ー…ドンッ!!
「きゃっ!!」
「ああ…悪い。」
「あ…きゃあああああ!!」
ー…バタバタバタyッ!!
「…。」
「相変わらず化け物扱いだね、親瑛。」
「化け物を踏み台にしてのしあがったヒーローがよく言うわ。」
かたや当時の侑は、親瑛の喧嘩を仲裁し、唯一この学校で"親瑛を止めた人間"として重宝がられ、周囲に生徒会長まで押し上げられていた。
「俺だってやりたくてやってる訳じゃないんだから…むしろ今すぐにでもクビにして欲しいよ。」
「いっそ化け物倒して殿堂入りしちまえ。」
「まったくひねくれてるんだから…あ、サボらず授業受けなよ!!親瑛!!」
「はいはい。」
そう気だるげに返事をすると、親瑛は一人教室とは逆方向の裏庭へと歩いていった。
...................
「親瑛さ~ん!!」
「…俊~輔~…!!またお前こんなとこ来やがって!!お前は自分の学校に行け!!」
「だって学校なんて行っても楽しくないッスもん…。ていうか親瑛さんに言われたくないッス!!」
「はぁ…。」
俊輔はすぐそばの中学に通っていたが、こうして度々学校を抜け出しては親瑛の高校に遊びに来ていた。
「なんだお前仲間外れにでもされてんのか。」
「べ…別に…そんなんじゃ…無いッスけど…。」
少し曇った表情でこぶしを握り締める俊輔に、親瑛は寝転がりながら笑って言った。
「俺は全校生徒から仲間外れにされてるぞ。」
「親瑛さん…。」
親瑛の言葉に俊輔は顔を上げると、震えるこぶしで目をこすり、ニッと笑った。