見えざる帝国の日常(シリーズ)
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俺はアスキン・ナックルヴァール。何故、俺がこうして日記を付けているかだって?
それはこの見えざる帝国の紹介をするのに、俺が使い易い駒だと此処の管理人さんが判断したからなんだとさ。
扱い雑!全く、嫌んなっちまうぜ!
取り敢えず、引き受けた仕事をほったらかしにする程、俺は適当な男じゃないから、出来る限り此処の日常風景を紹介していくぜ。
読者の皆、宜しくな!
5月21日。
滅却師一人一人が誕生日と言うものに拘っているかは知らないが、今日はニャンゾル・ワイゾルの誕生日だ。
聖章騎士 のメンバーであれば部屋を与えられ、部下を持つ事も可能。誕生日ともなれば、まず最初に自分の部下から祝福されるのが定説だ。
…が、俺は彼が部下を引き連れて歩く姿など一度たりとも見た事が無い。普段から気の赴くままに歩いては面白そうなものを探している。
そこは俺も似たり寄ったりだけどな。部下を引き連れて歩いてると、変に気を遣うし疲れちゃうじゃない。
時間は午後の三時を指し、時計の鐘が鳴る。
彼に祝福の言葉を贈る人物がいるかどうか観察していると、ニャンゾルが動き出した。何処かへ向かうようだ。
(げっ…此処は…。)
ニャンゾルが入って行ったのは陛下直々の部下である、キルゲ・オピーさんが管理しているテラスじゃないですか…。流石に用事もないのに部屋には入れない。
…と言うか、怖いのよあの人。礼儀作法に厳しいから顔を合わせるだけで汗が出てくる。
躊躇した俺は外へ回り込み、中庭から部屋の中を覗き込むことにした。
(ニャンゾルは一体、何の用で此処に来たんだ…?)
部屋の様子を伺っていると、中では茶会が開かれていた。真っ白なテーブルクロスの上にはアフタヌーンティーの紅茶や綺麗なお菓子が並べられている。
(うわ~流石キルゲ様…アフタヌーンティーも抜かりが無いぜ。)
キルゲの部下や呼ばれたであろう、星十字騎士団 のメンバーが席に着き各々茶会を楽しんでいる。
(いいなぁ…俺も入りてぇ~だけど、キルゲさんに挨拶しなきゃならねぇってのが億劫なんだよな…つか、ニャンゾルは何処だ?)
俺は部屋の中のニャンゾルを探した。すると部屋の最前列にいるではないか。声は聞こえないが、拍手されている事から、間違いなく誕生日を祝福してもらっているだろう。
(羨ましいね~俺も誕生日の日、キルゲさんにお呼ばれしちゃおうかしら?)
ニャンゾルは自由に席を移動しながらお菓子を頬張っていく。
(中庭に出てきたな。)
中庭には花壇があり、丁度女性が水やりをしていた。ニャンゾルは彼女に声を掛けた。
(あの子は…キルゲさんの娘じゃねーのか?)
ナックルヴァールは水やりをしている女性に見覚えがあった。彼女は苗字名前。キルゲの側近で、血縁関係ではないが彼の娘として呼ばれている。キルゲは何処へ行くでも彼女を引き連れて歩いている事から、いつからかそう呼ばれるようになったのだ。
(名前ちゃん、高嶺の花なんだよなぁ…。)
男が多い組織だけあり、女性隊員は貴重な存在だった。星十字騎士団にも女性隊員はいるが、キルゲさんの娘とだけあり教養があり清楚で振る舞いも穏やかである事から、男達の注目の的だった。しかし、あのキルゲが目を光らせている為、迂闊には近づけない。俺だって一度でいいから、彼女とお喋りぐらいしてみたいものだ。
(あっ、あのヤロー!)
彼女にどうお願いしたか知らないが、中庭のベンチでニャンゾルは名前ちゃんに膝枕してもらっているではないか。ニャンゾルの頭を撫でながら、名前ちゃんは花壇の花を眺めている。
(おいおい、羨ましいぞ…羨ましすぎる。)
誕生日だからなのか、それとも日頃からそうなのか…どちらにしろ羨ましい。ニャンゾルは幸せそうな表情を浮かべ、昼寝し始めたではないか。
(クッソ…俺は一体何を見させられているんだ?あ〜やんなってきた。)
今日はニャンゾル・ワイゾルの誕生日。彼は存分に誕生日を楽しみましたとさ、めでたしめでたし。
それはこの見えざる帝国の紹介をするのに、俺が使い易い駒だと此処の管理人さんが判断したからなんだとさ。
扱い雑!全く、嫌んなっちまうぜ!
取り敢えず、引き受けた仕事をほったらかしにする程、俺は適当な男じゃないから、出来る限り此処の日常風景を紹介していくぜ。
読者の皆、宜しくな!
5月21日。
滅却師一人一人が誕生日と言うものに拘っているかは知らないが、今日はニャンゾル・ワイゾルの誕生日だ。
…が、俺は彼が部下を引き連れて歩く姿など一度たりとも見た事が無い。普段から気の赴くままに歩いては面白そうなものを探している。
そこは俺も似たり寄ったりだけどな。部下を引き連れて歩いてると、変に気を遣うし疲れちゃうじゃない。
時間は午後の三時を指し、時計の鐘が鳴る。
彼に祝福の言葉を贈る人物がいるかどうか観察していると、ニャンゾルが動き出した。何処かへ向かうようだ。
(げっ…此処は…。)
ニャンゾルが入って行ったのは陛下直々の部下である、キルゲ・オピーさんが管理しているテラスじゃないですか…。流石に用事もないのに部屋には入れない。
…と言うか、怖いのよあの人。礼儀作法に厳しいから顔を合わせるだけで汗が出てくる。
躊躇した俺は外へ回り込み、中庭から部屋の中を覗き込むことにした。
(ニャンゾルは一体、何の用で此処に来たんだ…?)
部屋の様子を伺っていると、中では茶会が開かれていた。真っ白なテーブルクロスの上にはアフタヌーンティーの紅茶や綺麗なお菓子が並べられている。
(うわ~流石キルゲ様…アフタヌーンティーも抜かりが無いぜ。)
キルゲの部下や呼ばれたであろう、
(いいなぁ…俺も入りてぇ~だけど、キルゲさんに挨拶しなきゃならねぇってのが億劫なんだよな…つか、ニャンゾルは何処だ?)
俺は部屋の中のニャンゾルを探した。すると部屋の最前列にいるではないか。声は聞こえないが、拍手されている事から、間違いなく誕生日を祝福してもらっているだろう。
(羨ましいね~俺も誕生日の日、キルゲさんにお呼ばれしちゃおうかしら?)
ニャンゾルは自由に席を移動しながらお菓子を頬張っていく。
(中庭に出てきたな。)
中庭には花壇があり、丁度女性が水やりをしていた。ニャンゾルは彼女に声を掛けた。
(あの子は…キルゲさんの娘じゃねーのか?)
ナックルヴァールは水やりをしている女性に見覚えがあった。彼女は苗字名前。キルゲの側近で、血縁関係ではないが彼の娘として呼ばれている。キルゲは何処へ行くでも彼女を引き連れて歩いている事から、いつからかそう呼ばれるようになったのだ。
(名前ちゃん、高嶺の花なんだよなぁ…。)
男が多い組織だけあり、女性隊員は貴重な存在だった。星十字騎士団にも女性隊員はいるが、キルゲさんの娘とだけあり教養があり清楚で振る舞いも穏やかである事から、男達の注目の的だった。しかし、あのキルゲが目を光らせている為、迂闊には近づけない。俺だって一度でいいから、彼女とお喋りぐらいしてみたいものだ。
(あっ、あのヤロー!)
彼女にどうお願いしたか知らないが、中庭のベンチでニャンゾルは名前ちゃんに膝枕してもらっているではないか。ニャンゾルの頭を撫でながら、名前ちゃんは花壇の花を眺めている。
(おいおい、羨ましいぞ…羨ましすぎる。)
誕生日だからなのか、それとも日頃からそうなのか…どちらにしろ羨ましい。ニャンゾルは幸せそうな表情を浮かべ、昼寝し始めたではないか。
(クッソ…俺は一体何を見させられているんだ?あ〜やんなってきた。)
今日はニャンゾル・ワイゾルの誕生日。彼は存分に誕生日を楽しみましたとさ、めでたしめでたし。
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