月光に毒される(短編集)
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【お酌の相性】
六番隊 食堂ーーー...
「遅くなりましたけど、晩飯用意したんで食べてって下さい!」
合同任務で一緒になった恋次、鉄左衛門、一角、弓親は遅めの夕食を六番隊で食べる事になった。
「酒も頼むぜ、恋次~。」
「ここは居酒屋じゃないっすよ~。」
恋次は炊事室に声を掛けに行った。
「今日の任務はダルかったな~。」
「任務はそうゆうもんじゃ。」
先に出された枝豆と煮物を食べながら話していると、恋次が酒を持って戻ってきた。
『お疲れさま~乾杯!』
仕事を終えた酒は旨い。一角の毎日の楽しみだった。
六番隊の女隊員が温めた料理を運んできた。今日のメニューは豚の生姜焼きだ。
くだらない話で盛り上がっていると、六番隊の女子たちが恋次に近づいてきた。
「阿散井副隊長~お疲れ様で~す♪」
「おう、お前たちどうしたんだ?」
「皆さんお疲れだと思うので、お酌しに来ました~。」
「気が利くじゃねーか!頼んだぜ。」
弓親は一角が一瞬眉間に皺を寄せた事を見逃さなかった。女の子たち、変な事しなきゃいいけど…と弓親は思った。
「斑目三席♪」
女子二人が一角の横に来て「お酌してもよろしいですか?」と声を掛けた。
「あぁ。」
「了解です♪」
慣れた手つきでお猪口に酒を注ぐ女子。一角の表情を見て色めき立っている。
「斑目三席近くで拝見すると、とてもかっこいいですね!」
甘い声色で話す所を見ると、一角に好意を寄せているみたいだ。
彼と会話をする度に嬉しそうに笑う。
隣の女子が弓親に声を掛けた。
「綾瀬川五席はお酒呑まれないんですか?」
「あぁ、僕は気分で嗜む程度。今夜は結構だよ。」
「そうなんですね~。」
女子は笑顔で相槌を打つと、次は鉄左衛門に顔を向けた。
そして相変わらず一角にお熱な女子は一人で彼と会話している。
黙々とご飯を食べる一角…彼女は彼が晩酌で酔えずにいる事に気付いていないようだ。
「ちょっと、なんでお酌なんか頼むのさ。」
弓親は恋次に耳打ちした。
「え、いけなかったっすか?」
「ほら、見てよ。」
鉄左衛門は女子たちに合わせて会話と酒を楽しんでいるが、一角は淡々と話す女子の話を一方的に聞いているだけだ。
「不味いっすね。」
ようやく事態に気付いた恋次。手を叩いて会話を中断させる。
「お前たち明日も早いから、そろそろ部屋に戻りな。晩酌ありがとな!」
『はぁ~い!』
女子たちは笑顔で頭を下げて退室した。
廊下に響き渡る黄色い笑い声が遠のいていくと、どっと疲れが増した気がした。
「此処のおなごたちは若くて元気でいいのぉ!」
鉄左衛門は笑ったが、一角は白米を食べ終わり茶を一気に飲み干した。
「一角さん、すまねぇっス。俺からよく言っときます!」
「いや、気にすんな。アイツらを咎めんなよ。」
一角の気遣いに弓親は冷静だな、と思った。
とりあえず怒ってはいないみたいで良かったと、息を吐いた。
*
帰り道。
「帰ったら呑み直すか~。」
「先にお風呂済ませたら?お昼に汗かいて気持ち悪いでしょ。」
「そうだな。」
自分のペースでゆっくり呑みたかったんだろうな、と一角の背中を見ながら弓親は思った。
一角に好意を寄せる彼女は決して悪い子ではなかったが、タイミングが合わなかったのだ。
(あの子と呑むんだったら、一角も上機嫌になるんだろうけどな…。)
一角の後輩である彼女と一緒なら、最後まで機嫌良く呑んでいるに違いないと弓親は思った。
十一番隊舎に到着すると、珍しくやちるが出迎えた。
「おっかえり~!むくりんきてるよ!」
「おっ、マジか、弓親行くぞ!」
先程より足取りが軽い一角を見て、弓親は苦笑した。
(絶対呑みすぎるだろうね。)
きっと今夜は酔い潰れるまで呑むに違いない。長い夜更けになりそうだと、弓親は思った。
【お酌の相性】...end.
六番隊 食堂ーーー...
「遅くなりましたけど、晩飯用意したんで食べてって下さい!」
合同任務で一緒になった恋次、鉄左衛門、一角、弓親は遅めの夕食を六番隊で食べる事になった。
「酒も頼むぜ、恋次~。」
「ここは居酒屋じゃないっすよ~。」
恋次は炊事室に声を掛けに行った。
「今日の任務はダルかったな~。」
「任務はそうゆうもんじゃ。」
先に出された枝豆と煮物を食べながら話していると、恋次が酒を持って戻ってきた。
『お疲れさま~乾杯!』
仕事を終えた酒は旨い。一角の毎日の楽しみだった。
六番隊の女隊員が温めた料理を運んできた。今日のメニューは豚の生姜焼きだ。
くだらない話で盛り上がっていると、六番隊の女子たちが恋次に近づいてきた。
「阿散井副隊長~お疲れ様で~す♪」
「おう、お前たちどうしたんだ?」
「皆さんお疲れだと思うので、お酌しに来ました~。」
「気が利くじゃねーか!頼んだぜ。」
弓親は一角が一瞬眉間に皺を寄せた事を見逃さなかった。女の子たち、変な事しなきゃいいけど…と弓親は思った。
「斑目三席♪」
女子二人が一角の横に来て「お酌してもよろしいですか?」と声を掛けた。
「あぁ。」
「了解です♪」
慣れた手つきでお猪口に酒を注ぐ女子。一角の表情を見て色めき立っている。
「斑目三席近くで拝見すると、とてもかっこいいですね!」
甘い声色で話す所を見ると、一角に好意を寄せているみたいだ。
彼と会話をする度に嬉しそうに笑う。
隣の女子が弓親に声を掛けた。
「綾瀬川五席はお酒呑まれないんですか?」
「あぁ、僕は気分で嗜む程度。今夜は結構だよ。」
「そうなんですね~。」
女子は笑顔で相槌を打つと、次は鉄左衛門に顔を向けた。
そして相変わらず一角にお熱な女子は一人で彼と会話している。
黙々とご飯を食べる一角…彼女は彼が晩酌で酔えずにいる事に気付いていないようだ。
「ちょっと、なんでお酌なんか頼むのさ。」
弓親は恋次に耳打ちした。
「え、いけなかったっすか?」
「ほら、見てよ。」
鉄左衛門は女子たちに合わせて会話と酒を楽しんでいるが、一角は淡々と話す女子の話を一方的に聞いているだけだ。
「不味いっすね。」
ようやく事態に気付いた恋次。手を叩いて会話を中断させる。
「お前たち明日も早いから、そろそろ部屋に戻りな。晩酌ありがとな!」
『はぁ~い!』
女子たちは笑顔で頭を下げて退室した。
廊下に響き渡る黄色い笑い声が遠のいていくと、どっと疲れが増した気がした。
「此処のおなごたちは若くて元気でいいのぉ!」
鉄左衛門は笑ったが、一角は白米を食べ終わり茶を一気に飲み干した。
「一角さん、すまねぇっス。俺からよく言っときます!」
「いや、気にすんな。アイツらを咎めんなよ。」
一角の気遣いに弓親は冷静だな、と思った。
とりあえず怒ってはいないみたいで良かったと、息を吐いた。
*
帰り道。
「帰ったら呑み直すか~。」
「先にお風呂済ませたら?お昼に汗かいて気持ち悪いでしょ。」
「そうだな。」
自分のペースでゆっくり呑みたかったんだろうな、と一角の背中を見ながら弓親は思った。
一角に好意を寄せる彼女は決して悪い子ではなかったが、タイミングが合わなかったのだ。
(あの子と呑むんだったら、一角も上機嫌になるんだろうけどな…。)
一角の後輩である彼女と一緒なら、最後まで機嫌良く呑んでいるに違いないと弓親は思った。
十一番隊舎に到着すると、珍しくやちるが出迎えた。
「おっかえり~!むくりんきてるよ!」
「おっ、マジか、弓親行くぞ!」
先程より足取りが軽い一角を見て、弓親は苦笑した。
(絶対呑みすぎるだろうね。)
きっと今夜は酔い潰れるまで呑むに違いない。長い夜更けになりそうだと、弓親は思った。
【お酌の相性】...end.