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人気のない地下の一室で啓悟と柳は戦っていた。啓悟が帰省したので久々にトレーニングを行っているのだ。
ここは啓悟の知り合いが経営しているキックボクシングのジムで、休業日に場所だけ借りている。
勝負は顔面と急所の攻撃のみ寸止めのセミコンタクト方式、それ以外は打撃、投げ、能力の使用、なんでもありの喧嘩スタイルだ。 -
互いの攻撃を捌き、間合いを読み、戦況は膠着していたが一瞬の隙をついた啓悟が柳を投げて組み伏せる。
風圧を伴った鋭い突きが柳の眼前でぴたりと止まった。 -
柳まいりました…
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啓悟
おう!

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啓悟
しかし、柳も強くなったなぁ。さっきは俺が一本取られたし。もう俺と互角に戦えるんじゃないか?

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柳何をおっしゃいますか。今年に入ってからの僕の戦績は18勝47敗、勝率は3割にも達していません。
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啓悟
えっ、全部数えてんの?

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柳さて、休憩も終わったので、再開しましょう。
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啓悟
おいおい、もう2時間もやってるじゃねぇか。流石に疲れたし片付けして帰ろうぜ。

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柳ご冗談を。叔父さんがこの程度で疲れるわけないじゃないですか。
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柳あ、僕のことはお気遣いなく。まだまだいけますから。
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啓悟
ええ…

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啓悟
柳の中の俺って20代の頃から変わって無いのかなぁ。もう35なんだけど。流石に体力落ちたんだけど。

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啓悟
てか高校生の体力は無尽蔵かよ怖っ

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啓悟
まったく、困ったやつだな。この町の不良なんかじゃ、相手にならなくて退屈してるのか?

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柳やだな、おじさん。
僕は不良と喧嘩なんてしませんよ。これはあくまで自衛のための訓練です。 -
啓悟
嘘つけ

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啓悟
わかったわかった、じゃあもう一回やろうか

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柳はい、次は負けませんよ
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啓悟
明日は筋肉痛かな…

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