koneta
◇カルトの宗教(星のカービィ)
2025/07/02 21:40※恋愛要素無し
祈りを捧げるときは無心でいなければならないのだろうが、今回ばかりはそうもいかなかった。
外が騒がしい。件の勇者という者がここに向かっているのだろう。どこまでも敬虔な私の信徒は彼に立ち向かいにここを離れ、もうずっと戻ってこない。きっとこれからも戻ってくることはないのだろう。
その瞳に確かな覚悟を携え、教祖様は我らが必ず御守りしますと宣誓していた信徒たちに思いを馳せ立ち上がった。思えば長い付き合いだ。それなのに敵わない相手に勝負を挑ませるだなんて悪いことをした。
桃色の勇者は私がわざわざ出迎えなくとも、じきにここまで来るだろう。
逃げるつもりは毛頭ない。これは俺が招いた事態である。これは俺の怠慢であった。
責任は、とらねば。
「教祖様……」
最後まで残っていた側近が零した。私はそちらに目を向けずに言う。
「お前はここで全て終わるまで隠れていなさい。もし、私が倒れるようなことがあれば、かの勇者に私は酷い男であったと、自分は脅されていただけだと話しなさい。涙の一つでも浮かべられればもっといい。お前にはそれができますね?」
ああ、神よ。数多の信徒を見捨てておきながら、都合の良いことを言っているのは分かっています。ですが、どうか、この子のことは助けて下さい。悪いのは私だけなのです。アナタを崇める集団を創り、頭数だけ揃えて、まともに統率出来なかった、私の実力不足であり、怠慢です。これは私だけの罪なのです。
派手な音と共に扉が開かれた。僅かに横たわる修道服が見える。外で扉を守っていた男はモンブランが好物だった。同じくモンブランが好きなあの子と取り合いになるから絶対に二つ以上買っていたっけな。……ああ、なぜ思い出そうとする思い出はくだらないことばかりなのだろう。
「よくぞ参られた。私で最後だ。さあ、その剣を取りなさい。教祖である私を止めてみるが良い」
いつの間にかカルトとなった、もとは純粋なある宗教の教祖の話。団体の加入人数が増えすぎて末端まで指揮系統が構築されておらず、過激な一部が暴走した。
良いことをしたらいつか自分に返ってくるよ、と伝えれば善行をしてお礼が返ってこなければソイツはブチのめして良いと解釈されたり、自分たちは神の代行なのだから恥ずべきことはするでないよ、と伝えれば自分たちは神であるのだから何をしても良いと捻じ曲げられた。
ある星のあるカルト団体を事態に巻き込まれたカービィさんがやっつける、そんな話。
でも教祖は全然強くない。人の話を聞いてあげることが対立を改善させる最善の策だと本気で信じていた人なので。
「よくも……よくも、よくも、よくも!!!私の大事な×××を!!お前のせいで全部台無しだ!!私の今までの努力ぜんぶ!!お前のせいでお前のせいでお前のせいで……なら、同じく全部ブッ壊してやる!お前の大事なものも、お前自身も!!」
このセリフとともに側近が襲いかかってくるのでコイツが裏で操っていた黒幕だったんだ!という演出たっぷりにラスボス戦が始まる。実際めちゃくちゃ強い。
クリア後に×××に入る言葉がウツワでも人形でもなく、その地でいう“お父さん”だったことがプレイヤーにのみ判明する。
側近が強かったのは教祖の最後の祈りが届いたのか、なんなのか。
これは恐らくゲーム軸。カービィさんに一切の慈悲なく伸されたいよなぁ……
祈りを捧げるときは無心でいなければならないのだろうが、今回ばかりはそうもいかなかった。
外が騒がしい。件の勇者という者がここに向かっているのだろう。どこまでも敬虔な私の信徒は彼に立ち向かいにここを離れ、もうずっと戻ってこない。きっとこれからも戻ってくることはないのだろう。
その瞳に確かな覚悟を携え、教祖様は我らが必ず御守りしますと宣誓していた信徒たちに思いを馳せ立ち上がった。思えば長い付き合いだ。それなのに敵わない相手に勝負を挑ませるだなんて悪いことをした。
桃色の勇者は私がわざわざ出迎えなくとも、じきにここまで来るだろう。
逃げるつもりは毛頭ない。これは俺が招いた事態である。これは俺の怠慢であった。
責任は、とらねば。
「教祖様……」
最後まで残っていた側近が零した。私はそちらに目を向けずに言う。
「お前はここで全て終わるまで隠れていなさい。もし、私が倒れるようなことがあれば、かの勇者に私は酷い男であったと、自分は脅されていただけだと話しなさい。涙の一つでも浮かべられればもっといい。お前にはそれができますね?」
ああ、神よ。数多の信徒を見捨てておきながら、都合の良いことを言っているのは分かっています。ですが、どうか、この子のことは助けて下さい。悪いのは私だけなのです。アナタを崇める集団を創り、頭数だけ揃えて、まともに統率出来なかった、私の実力不足であり、怠慢です。これは私だけの罪なのです。
派手な音と共に扉が開かれた。僅かに横たわる修道服が見える。外で扉を守っていた男はモンブランが好物だった。同じくモンブランが好きなあの子と取り合いになるから絶対に二つ以上買っていたっけな。……ああ、なぜ思い出そうとする思い出はくだらないことばかりなのだろう。
「よくぞ参られた。私で最後だ。さあ、その剣を取りなさい。教祖である私を止めてみるが良い」
いつの間にかカルトとなった、もとは純粋なある宗教の教祖の話。団体の加入人数が増えすぎて末端まで指揮系統が構築されておらず、過激な一部が暴走した。
良いことをしたらいつか自分に返ってくるよ、と伝えれば善行をしてお礼が返ってこなければソイツはブチのめして良いと解釈されたり、自分たちは神の代行なのだから恥ずべきことはするでないよ、と伝えれば自分たちは神であるのだから何をしても良いと捻じ曲げられた。
ある星のあるカルト団体を事態に巻き込まれたカービィさんがやっつける、そんな話。
でも教祖は全然強くない。人の話を聞いてあげることが対立を改善させる最善の策だと本気で信じていた人なので。
「よくも……よくも、よくも、よくも!!!私の大事な×××を!!お前のせいで全部台無しだ!!私の今までの努力ぜんぶ!!お前のせいでお前のせいでお前のせいで……なら、同じく全部ブッ壊してやる!お前の大事なものも、お前自身も!!」
このセリフとともに側近が襲いかかってくるのでコイツが裏で操っていた黒幕だったんだ!という演出たっぷりにラスボス戦が始まる。実際めちゃくちゃ強い。
クリア後に×××に入る言葉がウツワでも人形でもなく、その地でいう“お父さん”だったことがプレイヤーにのみ判明する。
側近が強かったのは教祖の最後の祈りが届いたのか、なんなのか。
これは恐らくゲーム軸。カービィさんに一切の慈悲なく伸されたいよなぁ……
