shooting star!!
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与えてもらった城の自室にて少々物思いに耽る。こうしてじっくり見渡すと、はじめの頃に比べて私物が随分増えた。
私は城に住まわせてもらっている、いわば居候の身だ。どうにも据わりの悪いこの状況で、更に他の娯楽も求めるなんて……と遠慮がちだった私の部屋は今、こうして物に囲まれて生活感に溢れている。
それもこれも私にお小遣いを持たせ、「そんなに貧相な部屋に住まれていると、他のやつらにオレ様の心が狭いと思われるわ!」と不器用に背中を押してくれた大王様と、買い出しの後私の手を引いて色々なお店にショッピングに付き合ってくれたワドルディさんのおかげである。
どれもこれも思い出深いし、愛着もある品だ。出来ることなら手放したくなど無い。
しかし。お二人のご恩に報いるためにもこの品物たちは、やはり手放すべきなのである。
「あ!!いた!ねぇねぇナマエ!ぼくとデデデ大王って全く似てないよね!?モチとホルモンだよね!?」
「うぇっ、お、わぁ!?」
覚悟を決めて机の上の本をまとめだしたとき、横から急に大きな声を出されてビックリしてしまった。変な声と共にステップまで踏んでしまった。は、恥ずかしい……穴があったら迷わず飛び込んでいる。
「えぇっと、カービィ?月とスッポンって言いたいのかな?どうしたの、いきなり」
「ぜんっぜんいきなりなんかじゃないよ!聞いてよ!この前デデデ大王とぼくが間違われる事件があったでしょ!?」
「ああ……大王様がとんでもない借金をしたあの事件ね……」
若干嫌みっぽい言い方になってしまったのはお許し願いたい。
消えた大王様を見つけにワドルディさんとカービィが出掛けたので、私は一人、お城にてお留守番に勤しんでいた。当然皆の安否をひどく心配したものだ。
夜明けと共に帰ってきたのは、迎えに行ったワドルディさんとカービィ、連れられてきた大王様にメタナイトさんと、も一つついでにとても大きな借金であった。
一人でせっせと掃除をしていた私にはとても受け入れがたい金額である。いや、本当、一晩でこれってどういうことなの。
「全く信じられないよね!ナマエもそう思うでしょ!?」
凄い剣幕のカービィに、現実逃避をしていた思考がようやく戻ってきた。
「うん、信じられない金額だよね」
「なに言ってるの!ナマエぼくの話聞いてた?」
「あ、ごめん。ちょっと考え事してた。えっと、二人が似てるって話だっけ?私は結構分かるけどなぁ」
「え!?そ、そんな……ナマエまでヒドいよ……」
途端、泣き出しそうな顔になったカービィに慌てて手を振る。いつも思うが、カービィのこの表情はかわいそうで長く見ていられない。そう思ってるのは多分私だけじゃないだろう。
「ほら、大王様ってさ、荒っぽい言い方をしたりするけど言ってる内容は優しかったりするでしょ?」
「えぇ~、デデデは優しくなんてないよ?」
「そんなことないよ」
カービィは不満げに頬を膨らませる。聞き分けのない子供みたいだ。その顔にそっと微笑み、続ける。
「私の部屋のその本も、あの時計も、大王様が買ってくれたものなの。花瓶にいたっては大王様が花でも飾れって贈ってくれたものだよ。それに私がこの世界にいれるのだって守ってくれる大王様がいるからだし、カービィが思っているよりも、いつだってすごく頼りになるんだよ」
実際、自分が危なくなったときに危険を顧みず絶対に守ってくれる人がいるというのは本当にありがたいことだ。それはもちろん身の危険がないというのもあるが、そういう人は精神的な支えにもなってくれる。ワドルディさんもそうだが、信じてもいいひとが近くにいるということは、私を心底から安心させてくれる。
大王様は私がこの世界に留まっていられる大きな理由のひとつだ。
もちろんたまになんかすっごく我が儘になるときもあるが、大体は食べ物かカービィ絡みだ。
「ふぅん……」
「あれ、なんか機嫌悪い?」
「うーん、ええっとね……うまく言えないんだけど」
少々大王様語りに熱が入りすぎてしまったかもしれない。私が今話していたのはカービィだったと思い直し、向き合うと彼にしては珍しくつまらなそうな顔をしている。大抵私の話をニコニコ聞いてくれるので些か驚いた。問うてみるとやはりこれも珍しく歯切れが悪い。ゆっくりでもいいから何でも言ってと、言ってみるとカービィはゆっくりと口を開いた。
「うんと……多分、ナマエがいっぱいデデデを褒めているのがつまらないんだと思う。ぼくが一番ナマエと仲がいいと思ってたから。ぼくよりデデデの方が良いって言われてるみたいで」
たっぷり時間をかけて吐き出された言葉は自分でも消化しきれない感情なのか言葉尻には疑問符がついていた。
「ごめん、せっかくナマエが話してくれたのに。ぼくイヤなヤツだったよね」
悲しむカービィは見たくない。自分を卑下するカービィなんて見たくない。私の言葉なんかで元気になってもらえるかは分からない。カービィは私の言葉で傷付いたのだ、他になにか言うのは逆効果かもしれない。
でも、私が考え足らずなせいで傷つけてしまったのだから。そうでなくとも友達だから。少しでも伝わって欲しくて口を開く。
「カービィはもしかしたら気付いていないかもしれないけど今までも私にはもったいないくらい、すっごく優しくしてもらったよ」
「そうかな」
「うん。私がちょっと寂しくなったとき必ず傍にいてくれるし、よく外にも連れ出してくれる。知り合いがゼロからのこの世界で気を塞ぐことがないのも、そもそも私がこっちの世界で生きようと思ったのもカービィの言葉のおかげだし。……うん。私はちゃんとたくさん貰ってるよ。ごめん、受け取ったときにちゃんと言うべきだったんだよね」
「あ!ちがうよ!ぼくが勝手にヤキモチやいちゃっただけ!ナマエがぼくを悪く思ってるなんて、そんなこと思ってないから!」
全身で慌てる様を表現するカービィに思わず顔を綻ばす。慰めようとしていたのに、気付けばこちらが元気をもらってしまっている。
「あ、二人とも優しさの種類は違うけど、食いしん坊なところは似てるよ」
「そんな!?ぼくはあんなに食いしん坊じゃないよ!」
「え-」
正直食い意地に関してはカービィのほうがわずかに勝ってる気がするが、調子は元に戻ったようだ。怒られたのは納得いかないが、まぁカービィの元気が出たならいい。
「あー、たくさん喋ってスッキリしたー!ところでナマエは何をしていたの?」
「いや、城の借金返済のためになんか売ろうかなーって……」
カービィに嘘はつけない。というかつきたくないので正直に言うが、大王様とワドルディさんに止められている事をしている自覚から語尾が尻すぼみになってしまう。とたん、ワッと口を開けナマエがそんなことする必要なんてない!と大騒ぎするカービィの声が城中に響いたためか、ドタドタと廊下側から大王様がやってきて懇々と説教をされた。
二人そろって同じ事を言っているのだから、やっぱりそっくりだと思うんだよなぁ……。怒る二人の顔を見ながら、助けに入りに来てくれないかなぁと今頃お金をやりくりしているだろうワドルディさんに思いを馳せた。
私は城に住まわせてもらっている、いわば居候の身だ。どうにも据わりの悪いこの状況で、更に他の娯楽も求めるなんて……と遠慮がちだった私の部屋は今、こうして物に囲まれて生活感に溢れている。
それもこれも私にお小遣いを持たせ、「そんなに貧相な部屋に住まれていると、他のやつらにオレ様の心が狭いと思われるわ!」と不器用に背中を押してくれた大王様と、買い出しの後私の手を引いて色々なお店にショッピングに付き合ってくれたワドルディさんのおかげである。
どれもこれも思い出深いし、愛着もある品だ。出来ることなら手放したくなど無い。
しかし。お二人のご恩に報いるためにもこの品物たちは、やはり手放すべきなのである。
「あ!!いた!ねぇねぇナマエ!ぼくとデデデ大王って全く似てないよね!?モチとホルモンだよね!?」
「うぇっ、お、わぁ!?」
覚悟を決めて机の上の本をまとめだしたとき、横から急に大きな声を出されてビックリしてしまった。変な声と共にステップまで踏んでしまった。は、恥ずかしい……穴があったら迷わず飛び込んでいる。
「えぇっと、カービィ?月とスッポンって言いたいのかな?どうしたの、いきなり」
「ぜんっぜんいきなりなんかじゃないよ!聞いてよ!この前デデデ大王とぼくが間違われる事件があったでしょ!?」
「ああ……大王様がとんでもない借金をしたあの事件ね……」
若干嫌みっぽい言い方になってしまったのはお許し願いたい。
消えた大王様を見つけにワドルディさんとカービィが出掛けたので、私は一人、お城にてお留守番に勤しんでいた。当然皆の安否をひどく心配したものだ。
夜明けと共に帰ってきたのは、迎えに行ったワドルディさんとカービィ、連れられてきた大王様にメタナイトさんと、も一つついでにとても大きな借金であった。
一人でせっせと掃除をしていた私にはとても受け入れがたい金額である。いや、本当、一晩でこれってどういうことなの。
「全く信じられないよね!ナマエもそう思うでしょ!?」
凄い剣幕のカービィに、現実逃避をしていた思考がようやく戻ってきた。
「うん、信じられない金額だよね」
「なに言ってるの!ナマエぼくの話聞いてた?」
「あ、ごめん。ちょっと考え事してた。えっと、二人が似てるって話だっけ?私は結構分かるけどなぁ」
「え!?そ、そんな……ナマエまでヒドいよ……」
途端、泣き出しそうな顔になったカービィに慌てて手を振る。いつも思うが、カービィのこの表情はかわいそうで長く見ていられない。そう思ってるのは多分私だけじゃないだろう。
「ほら、大王様ってさ、荒っぽい言い方をしたりするけど言ってる内容は優しかったりするでしょ?」
「えぇ~、デデデは優しくなんてないよ?」
「そんなことないよ」
カービィは不満げに頬を膨らませる。聞き分けのない子供みたいだ。その顔にそっと微笑み、続ける。
「私の部屋のその本も、あの時計も、大王様が買ってくれたものなの。花瓶にいたっては大王様が花でも飾れって贈ってくれたものだよ。それに私がこの世界にいれるのだって守ってくれる大王様がいるからだし、カービィが思っているよりも、いつだってすごく頼りになるんだよ」
実際、自分が危なくなったときに危険を顧みず絶対に守ってくれる人がいるというのは本当にありがたいことだ。それはもちろん身の危険がないというのもあるが、そういう人は精神的な支えにもなってくれる。ワドルディさんもそうだが、信じてもいいひとが近くにいるということは、私を心底から安心させてくれる。
大王様は私がこの世界に留まっていられる大きな理由のひとつだ。
もちろんたまになんかすっごく我が儘になるときもあるが、大体は食べ物かカービィ絡みだ。
「ふぅん……」
「あれ、なんか機嫌悪い?」
「うーん、ええっとね……うまく言えないんだけど」
少々大王様語りに熱が入りすぎてしまったかもしれない。私が今話していたのはカービィだったと思い直し、向き合うと彼にしては珍しくつまらなそうな顔をしている。大抵私の話をニコニコ聞いてくれるので些か驚いた。問うてみるとやはりこれも珍しく歯切れが悪い。ゆっくりでもいいから何でも言ってと、言ってみるとカービィはゆっくりと口を開いた。
「うんと……多分、ナマエがいっぱいデデデを褒めているのがつまらないんだと思う。ぼくが一番ナマエと仲がいいと思ってたから。ぼくよりデデデの方が良いって言われてるみたいで」
たっぷり時間をかけて吐き出された言葉は自分でも消化しきれない感情なのか言葉尻には疑問符がついていた。
「ごめん、せっかくナマエが話してくれたのに。ぼくイヤなヤツだったよね」
悲しむカービィは見たくない。自分を卑下するカービィなんて見たくない。私の言葉なんかで元気になってもらえるかは分からない。カービィは私の言葉で傷付いたのだ、他になにか言うのは逆効果かもしれない。
でも、私が考え足らずなせいで傷つけてしまったのだから。そうでなくとも友達だから。少しでも伝わって欲しくて口を開く。
「カービィはもしかしたら気付いていないかもしれないけど今までも私にはもったいないくらい、すっごく優しくしてもらったよ」
「そうかな」
「うん。私がちょっと寂しくなったとき必ず傍にいてくれるし、よく外にも連れ出してくれる。知り合いがゼロからのこの世界で気を塞ぐことがないのも、そもそも私がこっちの世界で生きようと思ったのもカービィの言葉のおかげだし。……うん。私はちゃんとたくさん貰ってるよ。ごめん、受け取ったときにちゃんと言うべきだったんだよね」
「あ!ちがうよ!ぼくが勝手にヤキモチやいちゃっただけ!ナマエがぼくを悪く思ってるなんて、そんなこと思ってないから!」
全身で慌てる様を表現するカービィに思わず顔を綻ばす。慰めようとしていたのに、気付けばこちらが元気をもらってしまっている。
「あ、二人とも優しさの種類は違うけど、食いしん坊なところは似てるよ」
「そんな!?ぼくはあんなに食いしん坊じゃないよ!」
「え-」
正直食い意地に関してはカービィのほうがわずかに勝ってる気がするが、調子は元に戻ったようだ。怒られたのは納得いかないが、まぁカービィの元気が出たならいい。
「あー、たくさん喋ってスッキリしたー!ところでナマエは何をしていたの?」
「いや、城の借金返済のためになんか売ろうかなーって……」
カービィに嘘はつけない。というかつきたくないので正直に言うが、大王様とワドルディさんに止められている事をしている自覚から語尾が尻すぼみになってしまう。とたん、ワッと口を開けナマエがそんなことする必要なんてない!と大騒ぎするカービィの声が城中に響いたためか、ドタドタと廊下側から大王様がやってきて懇々と説教をされた。
二人そろって同じ事を言っているのだから、やっぱりそっくりだと思うんだよなぁ……。怒る二人の顔を見ながら、助けに入りに来てくれないかなぁと今頃お金をやりくりしているだろうワドルディさんに思いを馳せた。
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