shooting star!!
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「やはり君に来てもらうべきだった」
メタナイトさんは夜のお城の厨房でひとり、皿洗いをしていた私を見つけてそうそう、ため息と共にそう溢した。どうやら先日のパーティで散々な目に合ったらしい。いやまあ、なんとなくそうなる予感はしていた。だって、パートナーがあの大王様とカービィだもん……
メタナイトさんもそれを分かってか、ワルツの練習中に何度か縋るような目線をこちらに向けていたが、残念ながら私にはカービィと大王様の食欲を止めることなんて出来ません……
仮に私がメタナイトさんのパートナーになったところで、タッパーだのお弁当箱だのに会場の料理全部詰めて持って帰って来いとか言われそうだし……
私が行ったところで多分メタナイトさんのメンタルは今とそう変わらないと思う……というか、確実に変わらないだろうな。苦笑しつつも、お疲れらしい彼を慰めるため、私はお皿を洗う手を止めた。
「私もパーティでのお作法なんてわかりませんよ」
「たとえ、そうだとしてもあの二人よりは遥かにマシだろう。確実に」
今度はさっきよりも深くため息を吐き、やれやれと首を振った。大王様とカービィによほどご立腹らしい。あの二人、一体何をしでかしたんだ。
慰めるどころかパーティでのことを思い出したのであろうメタナイトさんが出す辺りの空気が、さっきよりも重たくなってきた。く、苦しい……なんとかその空気を切り替えようと言葉を捻り出す。
「えっと、ダンスだって一度も踊ったことないんです。私を連れて行っていたらもっと恥をかいていたと思いますよ」
「君なら私のリードに身を委ねてくれればきっとできる。信じられないのなら実際に踊ってみるとしよう」
名案だと言わんばかりにメタナイトさんはしきりに頷く。思わぬ急激な状況の方向転換に思考が一瞬停止した。え?なんでそうなった???
「ここでですか!?」
「デデデ城の厨房はやたらに広いからな。ワルツを踊るくらい不可能ではあるまい」
言われて辺りを見回す。まあ、確かに城主が度の過ぎた食いしん坊故にスペースはかなりある。ご飯を作るときは物がたくさん出されるが、今はもう片付けた後だ。ちょっと踊るくらいなら問題はないだろう。だが問題は他にもある。言い難いが言わねばなるまい……
「でも、あの、その、結構身長差もありますし……」
「確かに君は私より背が高いが、デデデ大王より少し低いくらいだろう。私はワルツの練習でデデデ大王の上にカービィが乗っている状態で踊ったのだ。君とだって踊れる」
やっとの思いで伝えた身長の差による問題点も一刀両断。さあ、とその手を差し出すメタナイトさんは意外にも引く気は無いようだ。どこか意地になっているようにも見える。この人、たまに強引なときあるよなー……
ううん……踊れず転ぶ無様を晒すのが怖いと出来るだけ逃れる理由を考えていたが、この様子では多分説得するのは骨が折れるぞ。
……いっそのこと私が本当に踊れないのを実感してもらうしかないのか。気が乗らないながらも私はえぇい、ままよと彼の手を取った。
「じゃあ、少しだけ」
「うむ。そうこなくては」
言うが早いかメタナイトさんはふわり、と飛び上がった。飛べたんだ、という率直な感想とやっぱりこの人、どんな動作も華麗なんだな、というバカみたいな感想が同時に脳裏に浮かんだ。
一、二、三。一、二、三。音楽も何もなく、キッチンに響くのは三拍子のカウントだけだったが、本当だ。彼の言う通り踊れている!
「わ、わぁ……!踊れてますよ、メタナイトさん!」
「ああ。君は筋がいい」
メタナイトさんはそういうけど、確実に彼のリードが上手いお陰である。戦闘だけでなく、ダンスのリードも出来るなんて。この人、本当に凄い人なんだなぁ。
運動神経の悪い自分がワルツを踊っていることに感動して暫し呆けていたが、一向に終わる気配のない三拍子に少々違和感を感じ、声をかける。
「……メタナイトさん?あの、そろそろ終わってもいいでしょうか?」
「む。すまない。あともう少しだけ」
やっぱり。メタナイトさんは仮面で表情が窺えないながらも楽しそうだ。
「意外ですね」
「うん?何がだ?」
出会ってから初めて見る彼の様子に、思わず溢れた言葉と同時、三拍子もぴたりと止まった。
「あ、すみません。ダンスはあまりお好きでないとおっしゃっていたので、つい。」
「……言われてみれば、確かにそうだな。ふむ」
そういうと、メタナイトさんは手を離してその場に着地し、そのまま少し下を向いて考え込んでしまった。き、気まずい……
そこそこの年月生きているけど、こういった沈黙が続くときってどうしたらいいか未だに正解がわからない。良い人なのは知っているけど私、まだメタナイトさんのことちょっとニガテだし。
気まずさを誤魔化すように髪の毛を触ったりして、何分か経ったあと、メタナイトさんは顔を上げた。
仮面の奥の黄色い瞳と目が合う。仮面の影で表情はうまく窺えないのに、その瞳だけ影から切り抜かれたように綺麗に光っていた。
「私は……ただ君と踊ってみたかっただけなのだと思う」
ひどく真っ直ぐ伝えられたその言葉に、宇宙に轟く彼の評判を思い出した。なるほど、こんなことをさらっと言えたらさぞかしモテるだろうな……
初めて見た天然タラシに恐れおののく私をよそに、なぜだかはわからないがとメタナイトさんは不思議そうに首を傾げてまた考え込んでしまった。
メタナイトさんのことはまだわからないことが多いし、ちょっと怖さを感じるのは変わりない。ただ、銀河一有名な騎士のメタナイトさんでも、ただ踊りたいときがあるんだなあと思うとほんのちょっと親近感を感じることが出来たパーティ翌日の夜の出来事であった。
メタナイトさんは夜のお城の厨房でひとり、皿洗いをしていた私を見つけてそうそう、ため息と共にそう溢した。どうやら先日のパーティで散々な目に合ったらしい。いやまあ、なんとなくそうなる予感はしていた。だって、パートナーがあの大王様とカービィだもん……
メタナイトさんもそれを分かってか、ワルツの練習中に何度か縋るような目線をこちらに向けていたが、残念ながら私にはカービィと大王様の食欲を止めることなんて出来ません……
仮に私がメタナイトさんのパートナーになったところで、タッパーだのお弁当箱だのに会場の料理全部詰めて持って帰って来いとか言われそうだし……
私が行ったところで多分メタナイトさんのメンタルは今とそう変わらないと思う……というか、確実に変わらないだろうな。苦笑しつつも、お疲れらしい彼を慰めるため、私はお皿を洗う手を止めた。
「私もパーティでのお作法なんてわかりませんよ」
「たとえ、そうだとしてもあの二人よりは遥かにマシだろう。確実に」
今度はさっきよりも深くため息を吐き、やれやれと首を振った。大王様とカービィによほどご立腹らしい。あの二人、一体何をしでかしたんだ。
慰めるどころかパーティでのことを思い出したのであろうメタナイトさんが出す辺りの空気が、さっきよりも重たくなってきた。く、苦しい……なんとかその空気を切り替えようと言葉を捻り出す。
「えっと、ダンスだって一度も踊ったことないんです。私を連れて行っていたらもっと恥をかいていたと思いますよ」
「君なら私のリードに身を委ねてくれればきっとできる。信じられないのなら実際に踊ってみるとしよう」
名案だと言わんばかりにメタナイトさんはしきりに頷く。思わぬ急激な状況の方向転換に思考が一瞬停止した。え?なんでそうなった???
「ここでですか!?」
「デデデ城の厨房はやたらに広いからな。ワルツを踊るくらい不可能ではあるまい」
言われて辺りを見回す。まあ、確かに城主が度の過ぎた食いしん坊故にスペースはかなりある。ご飯を作るときは物がたくさん出されるが、今はもう片付けた後だ。ちょっと踊るくらいなら問題はないだろう。だが問題は他にもある。言い難いが言わねばなるまい……
「でも、あの、その、結構身長差もありますし……」
「確かに君は私より背が高いが、デデデ大王より少し低いくらいだろう。私はワルツの練習でデデデ大王の上にカービィが乗っている状態で踊ったのだ。君とだって踊れる」
やっとの思いで伝えた身長の差による問題点も一刀両断。さあ、とその手を差し出すメタナイトさんは意外にも引く気は無いようだ。どこか意地になっているようにも見える。この人、たまに強引なときあるよなー……
ううん……踊れず転ぶ無様を晒すのが怖いと出来るだけ逃れる理由を考えていたが、この様子では多分説得するのは骨が折れるぞ。
……いっそのこと私が本当に踊れないのを実感してもらうしかないのか。気が乗らないながらも私はえぇい、ままよと彼の手を取った。
「じゃあ、少しだけ」
「うむ。そうこなくては」
言うが早いかメタナイトさんはふわり、と飛び上がった。飛べたんだ、という率直な感想とやっぱりこの人、どんな動作も華麗なんだな、というバカみたいな感想が同時に脳裏に浮かんだ。
一、二、三。一、二、三。音楽も何もなく、キッチンに響くのは三拍子のカウントだけだったが、本当だ。彼の言う通り踊れている!
「わ、わぁ……!踊れてますよ、メタナイトさん!」
「ああ。君は筋がいい」
メタナイトさんはそういうけど、確実に彼のリードが上手いお陰である。戦闘だけでなく、ダンスのリードも出来るなんて。この人、本当に凄い人なんだなぁ。
運動神経の悪い自分がワルツを踊っていることに感動して暫し呆けていたが、一向に終わる気配のない三拍子に少々違和感を感じ、声をかける。
「……メタナイトさん?あの、そろそろ終わってもいいでしょうか?」
「む。すまない。あともう少しだけ」
やっぱり。メタナイトさんは仮面で表情が窺えないながらも楽しそうだ。
「意外ですね」
「うん?何がだ?」
出会ってから初めて見る彼の様子に、思わず溢れた言葉と同時、三拍子もぴたりと止まった。
「あ、すみません。ダンスはあまりお好きでないとおっしゃっていたので、つい。」
「……言われてみれば、確かにそうだな。ふむ」
そういうと、メタナイトさんは手を離してその場に着地し、そのまま少し下を向いて考え込んでしまった。き、気まずい……
そこそこの年月生きているけど、こういった沈黙が続くときってどうしたらいいか未だに正解がわからない。良い人なのは知っているけど私、まだメタナイトさんのことちょっとニガテだし。
気まずさを誤魔化すように髪の毛を触ったりして、何分か経ったあと、メタナイトさんは顔を上げた。
仮面の奥の黄色い瞳と目が合う。仮面の影で表情はうまく窺えないのに、その瞳だけ影から切り抜かれたように綺麗に光っていた。
「私は……ただ君と踊ってみたかっただけなのだと思う」
ひどく真っ直ぐ伝えられたその言葉に、宇宙に轟く彼の評判を思い出した。なるほど、こんなことをさらっと言えたらさぞかしモテるだろうな……
初めて見た天然タラシに恐れおののく私をよそに、なぜだかはわからないがとメタナイトさんは不思議そうに首を傾げてまた考え込んでしまった。
メタナイトさんのことはまだわからないことが多いし、ちょっと怖さを感じるのは変わりない。ただ、銀河一有名な騎士のメタナイトさんでも、ただ踊りたいときがあるんだなあと思うとほんのちょっと親近感を感じることが出来たパーティ翌日の夜の出来事であった。
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