12話:木漏れ日のワルツ

カーテンの隙間から木漏れ日が差し込む。
柔らかな光の中、そっと二つの影が離れた。

俺は真優の手を取って立ち上がらせると、そのまま抱き寄せる。

「わっ」

小さな声を漏らした真優が腕の中にすっぽりと納まって。
そのぬくもりに胸が熱くなって、笑みがこぼれた。

「ほんま、真優んことが大好きや!」

見上げる瞳がまっすぐに俺を映し出す。
照れくさそうに笑むその表情が、あまりにも愛しくて。


――ほんま、幸せすぎておかしなるわ。


「出逢ってくれておおきに」
「ほんで、これからも――ずっとよろしゅうな!」

この先も真優とともに歩いていく。
そんな未来を疑わず、素直にそう言えた。
真優の手が答えを返すように俺の背中に回される。

「うちかて、謙也くん大好きや」
「これからもずっと一緒におってな」

差し込む光に、俺たちの影が重なる。
ゆったりと寄り添う姿は、まるでワルツを踊っているようで――。

決して手を離さず、どこまでも進んでいける。
そんな希望に満ちた調べが、今も胸に響いていた。

春の風が俺たちの影を少しだけ揺らす。
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