12話:木漏れ日のワルツ
中学三年間が幕を閉じた。
少し前に俺たち三年生は卒業式とクラスでの最後のホームルームを終えた。
担任は淡々と振る舞おうとしとったけど、堪え切れず泣き出してクラスの何人かがもらい泣きしとった。
そのもらい泣きしとる奴の中には真優も含まれとって、隣の席の奴に「真優ちゃんうちで過ごしたん一年間だけやん」なんて突っ込まれて。
「そやけど、うちこのクラスが一番楽しかった!」
そうぐずぐずになりながら告げる真優に、クラスの全員があたたかな笑みをこぼす。
――よかったな。
四月の頭に四天宝寺に転入してきて、右も左も分からん状態で。
いろんなことがあった一年やったけど、そんな風に振り返れるんやったら、もう大丈夫やな。
さっきまで、写真撮ったりしてにぎやかやった教室はすっかり静かになって、数人が残っとるだけになっとる。
何日か前、テニス部のグループトークに、現部長の財前から『卒業式終わったら、視聴覚室集合してください』とメッセージが来とった。
多分、恒例の卒業生を送る会みたいなんを後輩らが開いてくれるんやと思う。
その時間まで、まだ少し時間がある。
何して時間潰そうか……そんなことを考えとったら、不意に「謙也くん」と呼ばれた。
声の方に視線を向けると、真優がうしろ手に組んで俺を覗き込んどる。
「どないしたん?」
「光が言うてた時間までまだあるやろ?」
真優はそう言うと、俺の手をつかんだ。
「音楽室、行ってみいひん?」
その申し出に、俺は口角を上げるとひとつ返事で「ええで」と真優の手を握り返した。
少し前に俺たち三年生は卒業式とクラスでの最後のホームルームを終えた。
担任は淡々と振る舞おうとしとったけど、堪え切れず泣き出してクラスの何人かがもらい泣きしとった。
そのもらい泣きしとる奴の中には真優も含まれとって、隣の席の奴に「真優ちゃんうちで過ごしたん一年間だけやん」なんて突っ込まれて。
「そやけど、うちこのクラスが一番楽しかった!」
そうぐずぐずになりながら告げる真優に、クラスの全員があたたかな笑みをこぼす。
――よかったな。
四月の頭に四天宝寺に転入してきて、右も左も分からん状態で。
いろんなことがあった一年やったけど、そんな風に振り返れるんやったら、もう大丈夫やな。
さっきまで、写真撮ったりしてにぎやかやった教室はすっかり静かになって、数人が残っとるだけになっとる。
何日か前、テニス部のグループトークに、現部長の財前から『卒業式終わったら、視聴覚室集合してください』とメッセージが来とった。
多分、恒例の卒業生を送る会みたいなんを後輩らが開いてくれるんやと思う。
その時間まで、まだ少し時間がある。
何して時間潰そうか……そんなことを考えとったら、不意に「謙也くん」と呼ばれた。
声の方に視線を向けると、真優がうしろ手に組んで俺を覗き込んどる。
「どないしたん?」
「光が言うてた時間までまだあるやろ?」
真優はそう言うと、俺の手をつかんだ。
「音楽室、行ってみいひん?」
その申し出に、俺は口角を上げるとひとつ返事で「ええで」と真優の手を握り返した。