1話:Captivated by Her Eyes.
部活を終えて、並んで歩く。
ふわりと秋風が真優の髪を揺らす中、彼女は楽しそうに喋っている。
このあいだ、ネックレスを受け取った帰りに俺は真優に告白した。
緊張して手は震えるし、想っとること全部伝えたくて、言葉はまとまらんし。
格好ええもんやなかったと思う。
そんな、俺の格好良さもひったくれもないような告白に真優は応えてくれた。
しかも『前からうちの返事は決まっとったで?』なんて言葉まで添えて。
真っ直ぐ見てくる瞳に映った俺は、赤なってしもて情けない顔やったやろな。
そんな真優の瞳は、氷の下で春を待つような淡い水色をしとる。
薄いのに澄んどって、なんでも映し込んでまう。
じっと見とると、冬の朝に差し込む光みたいで、儚げやのに、強く俺を射抜いてくる。
「今更やけど、真優の目の色って珍しいよな」
そんな言葉が口をついて出た。
カラコンってわけでもないし、ほんま天然の裸眼。
裸眼でこの色って日本人にしたらめっちゃ珍しいやん。
真優は数回瞬いたあと、なんやものすごく嬉しそうに笑って答える。
「母方の血筋なんよ」
俺はふぅんと言いつつ質問を投げ掛ける。
「西洋の血入ってるとか?」
「ちゃうちゃう!」
真優はそう笑って続けた。
「東北の方に稀にある遺伝なんやて」
「ほーん。そうなんや」
なんやめっちゃ意外。
真優の京都弁からは想像もせんルーツ。
なんなら、東北の方にそういう遺伝があることも初めて知った。
――雪国の色やから淡い水色しとんのか、なんて。
……んなわけ、あるかい!
ものすごくしょーもないこと考えて、くだらなさ過ぎて一人で突っ込む。
小さく咳払いをして気を取り直した俺に、真優の笑い声が飛んだ。
「謙也くん、お顔に意外って書いとるよ」
口元に手ぇ添えて、からかうような視線を向ける真優に、俺はむっとジト目を向ける。
真優は「や、怖いお顔~」と、楽しげに続けた。
「生まれてすぐ京都に引っ越したさかい、京都弁染みついとるの」
「俺、真優の京都弁も好きやで」
「……京都弁『も』?」
「おん。いや、目ぇの話。俺、真優の目好きやねんよ」
言うてから急に恥ずかしなって、目を逸らす。
――俺が真優んこと好きなんはもう分かっとるやろけど。
こう、容姿とか真優の一部を挙げて好きっていうんは気恥ずかしいっちゅー話。
真優はわずかに頬を染めるとふはっと吹き出した。
「うちも自分の目好き!」
満面の笑みに、胸の奥がふっと軽くなる。
よかった。
今の瞳には悲しさとか苦しさは隠れてへん。
ふわりと秋風が真優の髪を揺らす中、彼女は楽しそうに喋っている。
このあいだ、ネックレスを受け取った帰りに俺は真優に告白した。
緊張して手は震えるし、想っとること全部伝えたくて、言葉はまとまらんし。
格好ええもんやなかったと思う。
そんな、俺の格好良さもひったくれもないような告白に真優は応えてくれた。
しかも『前からうちの返事は決まっとったで?』なんて言葉まで添えて。
真っ直ぐ見てくる瞳に映った俺は、赤なってしもて情けない顔やったやろな。
そんな真優の瞳は、氷の下で春を待つような淡い水色をしとる。
薄いのに澄んどって、なんでも映し込んでまう。
じっと見とると、冬の朝に差し込む光みたいで、儚げやのに、強く俺を射抜いてくる。
「今更やけど、真優の目の色って珍しいよな」
そんな言葉が口をついて出た。
カラコンってわけでもないし、ほんま天然の裸眼。
裸眼でこの色って日本人にしたらめっちゃ珍しいやん。
真優は数回瞬いたあと、なんやものすごく嬉しそうに笑って答える。
「母方の血筋なんよ」
俺はふぅんと言いつつ質問を投げ掛ける。
「西洋の血入ってるとか?」
「ちゃうちゃう!」
真優はそう笑って続けた。
「東北の方に稀にある遺伝なんやて」
「ほーん。そうなんや」
なんやめっちゃ意外。
真優の京都弁からは想像もせんルーツ。
なんなら、東北の方にそういう遺伝があることも初めて知った。
――雪国の色やから淡い水色しとんのか、なんて。
……んなわけ、あるかい!
ものすごくしょーもないこと考えて、くだらなさ過ぎて一人で突っ込む。
小さく咳払いをして気を取り直した俺に、真優の笑い声が飛んだ。
「謙也くん、お顔に意外って書いとるよ」
口元に手ぇ添えて、からかうような視線を向ける真優に、俺はむっとジト目を向ける。
真優は「や、怖いお顔~」と、楽しげに続けた。
「生まれてすぐ京都に引っ越したさかい、京都弁染みついとるの」
「俺、真優の京都弁も好きやで」
「……京都弁『も』?」
「おん。いや、目ぇの話。俺、真優の目好きやねんよ」
言うてから急に恥ずかしなって、目を逸らす。
――俺が真優んこと好きなんはもう分かっとるやろけど。
こう、容姿とか真優の一部を挙げて好きっていうんは気恥ずかしいっちゅー話。
真優はわずかに頬を染めるとふはっと吹き出した。
「うちも自分の目好き!」
満面の笑みに、胸の奥がふっと軽くなる。
よかった。
今の瞳には悲しさとか苦しさは隠れてへん。