12話:キミと光の先へ
真優の心からの感謝に、俺は『ああ、今しかないな』と思った。
頬に触れた真優の手を取って、両手で包み込むと「真優、あんな……」と口を開いた。
「うん?」
今、ものすごく緊張しとる。
それこそ、心臓口から飛び出そうなくらい、怖くて。
やけど、絶対伝えたくて。
俺は短く息を吐き出すと、真剣な表情になって真優を見つめた。
「俺は真優が好きや」
瞬間、真優の瞳が揺れた。
「ピアノ弾いとるときも、笑ろてる顔も、泣いとる顔も、性格も――」
「全部大切で、全部大好きや!」
言ってしまえば、少しだけ落ち着いた。
やっとちゃんと言えたっていう安堵感がある。
でも、それでも胸の高鳴りは消えてくれなくて。
真優の瞳に映り込んだ俺は、緊張しとって、少し赤くなって、必死な顔しとる。
ただ、さっきの言葉だけやったら足りへん気がして、言葉を重ねる。
「今更、真優以外考えられへんし、考えたくもない」
一目見たときから、惹かれとった。
「本気で一生傍におりたいし、俺の隣にいてほしい」
重いって思われるかもしれんけど、ほんまの気持ち。
正直、真優がおらん人生なんて考えられへん。
「ほんで、何があっても俺が守ったる。やから――」
どんなことがあっても守る覚悟はとっくにできてる。
「俺と付き合うて下さい」
一気に伝えた。
嘘偽りのない俺の気持ちはちゃんと全部伝えた。
「返事は急がへん。でも、前向きに――」
俺がそう言えば、真優は突然笑い出す。
なんや馬鹿にした感じやない。ほんま嬉しそうに幸せそうに笑ろとって……。
「ああ、やっぱそうやったん?」
頬を赤く染めた真優がぽつりと呟く。
「やっぱ?」
真優の言葉の意味がつかめず、彼女の言葉を繰り返す。
真優は「うん」と首を縦に振ると続けた。
「そうかなって。ほら、前に『好きや』言うてくれたやろ?」
そう言われ、コンクールの楽屋でつい言ってしまった自分の言葉を思い出した。
『俺は真優が好きや』
俺はあのときを思い出して「あー……」と自分の口元を手で覆った。
「あんときは、真優それどころやなかったやろ」
あのときの真優は俺から見ても、精神的にどん底。
告白とかそんな状態やなかった。
ちゅーか俺自身、告白のつもりで言うてへんかったし。
ただ、真優を繋ぎ止めときたくて。
やから、あとになって困らせてないか不安になったのを思い出した。
――てか、覚えとったんか、アレ。
真優は「うん」と頷いて、照れくさそうに笑った。
「やから『うちのこと安心させるため』に言うてくれたんか『ほんまに好きや』思うて言うてくれたんか、判断つかへんで。返事するか迷ってしもて」
そこまで考えさせてたんかと、バツが悪くなる。
「やっぱタイミング悪かったな」
少しだけ申し訳なくなって、俺は視線を逸らす。
真優は小さく笑い「ええねんよ」と続けた。
「そんな謙也くんに救われてたんは、ほんまのことやし」
そこまで言うと、真優は真剣な――それでいて少し緊張したように頬を染めて俺の目を覗き込んだ。
「けど、その前からうちの返事は決まっとったで?」
ドキリと心臓が一拍、強く脈打った。
真優が息を吸い込んで、それから短く吐き出した。
「うちも謙也くんのことが好き」
花が咲いたような笑みで告げられ、体温が上がった。
心からの安堵が、幸せが顔に出る。
多分、俺。今とんでもなくしまりのない顔しとる。
「無鉄砲で向こう見ずで、痛い目に遭うてるのに。それやのに傍離れんであほなんかと……」
「あほて……お前なぁ」
真優の気持ちが分かった途端、突っ込む余裕が出てきた。
にしても、あほて。
「やけど、真っ直ぐで優しいて、うちがどん底のとき、一番に寄り添ってくれて。そんな謙也くんが好きや」
真優の手が、俺の胸に触れた。
心音を確かめるように、そっと。でも確かに。
「めちゃくちゃ好き」
繰り返された言葉に、俺は息をするのを忘れそうになる。
――俺、こんなに想われてたんや。
「うち、多分結構面倒くさいし、時々投げ出したくなるかもしれへんけど……」
緊張した面持ちで、じぃっと見つめてくる真優に心臓が高鳴って。
「彼女にしてくれはる?」
なんでそんな不安そうに聞いてくんねんよ。
付き合うてくれ、って言うたん俺やん。
俺は握ったままの真優の手を引いて腕の中に閉じ込めた。
「そんなん、当たり前っちゅー話や!」
腕の中で真優が笑っている。
細い腕が背中に回されて抱き締めてくる。
こないに幸せでええんやろか。
なんて思うたけど、今はこの幸せにどっぷり沈んでまえ。
俺は世界で一番幸せや!
頬に触れた真優の手を取って、両手で包み込むと「真優、あんな……」と口を開いた。
「うん?」
今、ものすごく緊張しとる。
それこそ、心臓口から飛び出そうなくらい、怖くて。
やけど、絶対伝えたくて。
俺は短く息を吐き出すと、真剣な表情になって真優を見つめた。
「俺は真優が好きや」
瞬間、真優の瞳が揺れた。
「ピアノ弾いとるときも、笑ろてる顔も、泣いとる顔も、性格も――」
「全部大切で、全部大好きや!」
言ってしまえば、少しだけ落ち着いた。
やっとちゃんと言えたっていう安堵感がある。
でも、それでも胸の高鳴りは消えてくれなくて。
真優の瞳に映り込んだ俺は、緊張しとって、少し赤くなって、必死な顔しとる。
ただ、さっきの言葉だけやったら足りへん気がして、言葉を重ねる。
「今更、真優以外考えられへんし、考えたくもない」
一目見たときから、惹かれとった。
「本気で一生傍におりたいし、俺の隣にいてほしい」
重いって思われるかもしれんけど、ほんまの気持ち。
正直、真優がおらん人生なんて考えられへん。
「ほんで、何があっても俺が守ったる。やから――」
どんなことがあっても守る覚悟はとっくにできてる。
「俺と付き合うて下さい」
一気に伝えた。
嘘偽りのない俺の気持ちはちゃんと全部伝えた。
「返事は急がへん。でも、前向きに――」
俺がそう言えば、真優は突然笑い出す。
なんや馬鹿にした感じやない。ほんま嬉しそうに幸せそうに笑ろとって……。
「ああ、やっぱそうやったん?」
頬を赤く染めた真優がぽつりと呟く。
「やっぱ?」
真優の言葉の意味がつかめず、彼女の言葉を繰り返す。
真優は「うん」と首を縦に振ると続けた。
「そうかなって。ほら、前に『好きや』言うてくれたやろ?」
そう言われ、コンクールの楽屋でつい言ってしまった自分の言葉を思い出した。
『俺は真優が好きや』
俺はあのときを思い出して「あー……」と自分の口元を手で覆った。
「あんときは、真優それどころやなかったやろ」
あのときの真優は俺から見ても、精神的にどん底。
告白とかそんな状態やなかった。
ちゅーか俺自身、告白のつもりで言うてへんかったし。
ただ、真優を繋ぎ止めときたくて。
やから、あとになって困らせてないか不安になったのを思い出した。
――てか、覚えとったんか、アレ。
真優は「うん」と頷いて、照れくさそうに笑った。
「やから『うちのこと安心させるため』に言うてくれたんか『ほんまに好きや』思うて言うてくれたんか、判断つかへんで。返事するか迷ってしもて」
そこまで考えさせてたんかと、バツが悪くなる。
「やっぱタイミング悪かったな」
少しだけ申し訳なくなって、俺は視線を逸らす。
真優は小さく笑い「ええねんよ」と続けた。
「そんな謙也くんに救われてたんは、ほんまのことやし」
そこまで言うと、真優は真剣な――それでいて少し緊張したように頬を染めて俺の目を覗き込んだ。
「けど、その前からうちの返事は決まっとったで?」
ドキリと心臓が一拍、強く脈打った。
真優が息を吸い込んで、それから短く吐き出した。
「うちも謙也くんのことが好き」
花が咲いたような笑みで告げられ、体温が上がった。
心からの安堵が、幸せが顔に出る。
多分、俺。今とんでもなくしまりのない顔しとる。
「無鉄砲で向こう見ずで、痛い目に遭うてるのに。それやのに傍離れんであほなんかと……」
「あほて……お前なぁ」
真優の気持ちが分かった途端、突っ込む余裕が出てきた。
にしても、あほて。
「やけど、真っ直ぐで優しいて、うちがどん底のとき、一番に寄り添ってくれて。そんな謙也くんが好きや」
真優の手が、俺の胸に触れた。
心音を確かめるように、そっと。でも確かに。
「めちゃくちゃ好き」
繰り返された言葉に、俺は息をするのを忘れそうになる。
――俺、こんなに想われてたんや。
「うち、多分結構面倒くさいし、時々投げ出したくなるかもしれへんけど……」
緊張した面持ちで、じぃっと見つめてくる真優に心臓が高鳴って。
「彼女にしてくれはる?」
なんでそんな不安そうに聞いてくんねんよ。
付き合うてくれ、って言うたん俺やん。
俺は握ったままの真優の手を引いて腕の中に閉じ込めた。
「そんなん、当たり前っちゅー話や!」
腕の中で真優が笑っている。
細い腕が背中に回されて抱き締めてくる。
こないに幸せでええんやろか。
なんて思うたけど、今はこの幸せにどっぷり沈んでまえ。
俺は世界で一番幸せや!