12話:キミと光の先へ

コンクールとコンサートが終わって肩の荷が下りた真優は、以前に増してよく笑うようになった。
それに今はちゃんと寝てるんやと思う。
なんでって、目の下のクマがすっかり消えとるから。

明らかにすっきりした様子の真優に「なんや、やっとクマ消えたな」って言ったら若干申し訳なさそうにしとった。
多分、今更になって、心配かけ続けてごめん、とか思っとるんちゃうか。

――ほんまやで、この頑固者。

そんな九月も末に差し掛かった頃。
昼休みに真優が大慌てで「謙也くん、謙也くん!」と駆け寄ってきた。
「どないしたん?」
学校でこんな慌てて珍し……と思っていれば、真優は俺の机に手をついて興奮気味に一気に捲し立てた。

「直ったって! ネックレス直ったって!」
「! ほんまか!」

思わず俺も立ち上がる。
真優は何度も頷くと「長かったぁ」と安堵の息を吐いた。
あまりに安心しきったように言うから、なんやこっちまで嬉しなってまう。

「いつ取りに行くん?」
「そうやなぁ。早よ手元に戻したいさかい」

学校や部活、それからピアノの都合も考えているのか、真優の視線が宙に浮く。
出来ることなら、今すぐ取りに行きたいんやろうな。

俺は表情を緩めると「ほな、今日部活終わったら取りに行こ」と告げた。
真優の目が見開かれる。

「え? 今日?」
「おん。やって、早よ手元戻したいんやろ?」
「ほんまに? ええの?」

真優の大きな目が瞬かれる。
あまりの可愛らしさに俺はうっと一瞬怯んだものの、すぐに「もちろんやで!」と続けた。

「一緒に取りに行こな言うたやん」

真優は途端に満面の笑みを浮かべ、勢いよく頷く。
「うん!」

思わずふはっと吹き出してしもた。
こいつ、ほんま可愛ええやっちゃな!
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