11話:Let‛s TAKOPA!!

「ほな、お疲れさま!」
「お疲れさま~!」

各々ジュースの注がれたグラスを持って、俺の言葉を意気揚々と復唱する。
途端に、がやがや焼き上がったばかりのたこ焼きに手を伸ばしはじめる。

「これワイの!」
「あ、ちょお金ちゃん一気に取りすぎばい」
「やーん、金太郎さんったらええ食べっぷり」
「は? 浮気かっ⁉」

総勢十名。
ローテーブルを囲んでぎゅうぎゅうに座っとるから狭くてしゃーない。
しかも、そんな大人数やからたこ焼きは一瞬で消失して。

「謙也さん、もうなくなりましたけど」
「はああ!? 俺一個も食うてへんっちゅーねん!」

謙也はずっと焼き続けとるし、真優はその横で生地作り続けとるし。
ほんま、誰のための打ち上げか分からん状態。

俺はため息を吐くと、新しい紙皿にたこ焼き二、三個のせて口を開く。

「自分らも食べや」

たこ焼きにつま楊枝刺して、真優を見れば苦笑いが返ってきた。

「食べたいんは山々やねんけどな。両手塞がっとんのよ」

そう言われて思わず瞬く。
真優の膝の上には、生地がなみなみ入ったボウルが乗っとって。
そんなん置けばええやん、と思たけどローテーブルの上はたこ焼きやら、ポテトチップスが散乱しとって置き場がない。

「白石くん、食べさせて」

不意に告げられた一言に、俺は真優やなくて謙也を見た。
それまで軽快に動いとったたこ焼きピックがぱたりと止まって、完全に放心しとる。

――真優って時々こういう爆弾発言するよな。
天然で言うてるんか知らんけど。

そんな奴に心惹かれてしもうとる謙也には同情する。
手強いなぁ。

とはいえ、俺にはそんな謙也の心臓抉るみたいなマネはできん。
……おもろいけど、巻き込まれたないし。

「……あ、いや。ボウル代わりに持つから自分で食べ」
「そお?」

真優はなんとなしに呟いて、片手を差し出してくる。
俺はその手に紙皿ごと渡そうと、中腰になった――そのとき。

ドンッと何かが背中にぶつかってきた。

「うおっ!?」
「わあっ! 白石すまんっ!」

声から察するに金ちゃんや。
あんのゴンタクレ、はしゃぎまくって暴れとったな!?

やけど、今そんなことどうでもよくて。

真優に差し出したたこ焼きが皿ごと宙に舞う。
全員、息を飲んだ。

たこ焼きが弧を描いて――吸い込まれるみたいに、真優の頭にへばりついた。

それだけやない。

宙を舞ったたこ焼きが、真優が抱えとった生地の中にダイブして。
なみなみに作られた生地が、思い切り跳ねた。

「わぶっ!?」

顔から服まで、生地だらけのバケモン爆誕させてもた。
ジューっとたこ焼きが焼ける音が響く中、真優の髪の毛から生地がしたたり落ちる。

「…………風呂場、使う?」
2/4ページ
スキ